佳人は愛で綻びる

kajin wa ai de hokorobiru

佳人は愛で綻びる
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×21
  • 萌7
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
5
得点
27
評価数
11
平均
2.7 / 5
神率
0%
著者
和泉桂 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
蓮川愛 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
佳人は愛で綻びる
発売日
価格
¥855(税抜)  
ISBN
9784344808355

あらすじ

由緒ある会員制社交クラブ『嘯風館』に通う佐方実紀は、父の会社を倒産の危機から救おうと、ある男の愛人になることを決意する。
美貌に反して恋愛経験のない実紀は、愛人として相手を満足させる術を学ぶ必要性があった。
そのため、『嘯風館』の会員で、貴族的で謎めいた雰囲気を身にまとう高階に、個人教授を依頼するが…。
交換条件で結ばれた契約のもと、甘く淫らな期間限定のレッスンを繰り返す二人の辿り着く先は―。
『嘯風館』シリーズ待望の第1弾。

表題作佳人は愛で綻びる

36歳,嘯風館の通うファンドマネージャー
24歳,中堅アパレルメーカー広報室長

同時収録作品冷たい情熱

エリート証券会社員
高階の元秘書(27歳)

その他の収録作品

  • 幸福な朝食
  • あとがき

レビュー投稿数5

嘯風館シリーズ1作目。

表題作はよかったです。
大元はまさしく王道なんですが、設定がなんとも絢爛豪華で、いかにもなありえなさが和泉さんらしいとでも言いましょうか。でも胡散臭く感じないところが上手さなんでしょうね。一応現代ものですが、雰囲気はまるで時代もののようでした。

読み終わってまず、和泉さんてホンットーにこういう『レッスン・調教』系統がお好きなんだなあ、としみじみ。私はこのタイプの作品が本来なら苦手なんですが、この表題作は高階(攻)と実紀(受)のキャラクターのおかげでなんとか大丈夫でした。高階は好みとまではいきませんが、これぐらいならまだOKです。
オチも、綺麗にまとまり過ぎ・でき過ぎかもしれませんが、まるでおとぎ話のようで、この作品の甘い雰囲気にはピッタリでよかったと思います。
ちなみに、この作品にも出てくるホテルを舞台にしたその名も『~・レッスン』シリーズ3部作は、私には何をどうしても無理でしたが。

ただ、和泉さん(のとりわけ王道)でいつも思うのが、Hになだれ込むの早過ぎないか?ということなんです。最後まで行くかどうかは関係なく。なんかいつも身体先行、心はあとからって感じ。もちろんたまになら一向に構わないんですが、こう毎回だとう~ん・・・という気になりますね。
それも受のタイプからして『それはないだろ!』という感じなのに、ほぼ初対面の見知らぬ相手と・・・だとちょっとあんまりではと思ってしまうんですよ。これもやっぱり『レッスン』系統が多いから、必然の流れなんでしょうか。

短編の『冷たい情熱』は、『S気質・鬼畜攻』も『調教』も大キライな私には、もう完全に無理でしたね。ストーリーもキャラクターも何一つ受け付けなかったです。ただひたすら不快でした。
そもそも、安達(高階を裏切った元秘書)の思考自体が理解できません。『仕返し』という発想自体おかしいし、高階を逆恨みして責任転嫁してるだけで、とてもいい年の男とは思えない。うんざりです。
これ短編でよかった、と心底思いました。1冊まるまるこのCPのストーリーだったら、確実に最後まで読めなかったでしょう。

もともと、悪役・敵役(今回はそこまで行くかどうか不明ですが)と言える立ち位置のキャラクターをメインに据えたスピンオフが大の苦手なんです。他の作家さんも含め、今までいいと思った試しがありません。

あとがきを拝見するに、この短編CPが和泉さんの持ち味というか好みのようですが、表題作は『いつも(の自分)と違うキャラクター・CP』だったから、好みのCPも書きたかったんだろうな~、としか思えませんでしたね。それぐらい強引に入れたように感じました。

たぶん、本質的に和泉さんと私の好みは相容れないんだと思います。それはそのまま、私が和泉さんの評価の高いシリーズ(代表作)にまったく興味が持てない理由です。
ですから私がいいと思うのは、『和泉さんとしては(おそらく)例外的』と思われる作品がほとんどですね。

あとは、蓮川さんのイラストはとても素敵でした。華やかで綺麗で、この作品のイメージぴったりです。

2

相手好みの愛人になるために。

「佳人は愛で綻びる」
愛人になることを条件に父親が経営する会社に出資してもらうことになった実紀。
けれど、恋愛経験のない実紀は高階と契約を結ぶ。
高階は上流階級の社交術のようなものを学びたいと思っていた。
実紀は家族や会社のために愛人になるため。
高階は婚約者にふさわしい男になるため。
それぞれの理由でその契約は結ばれる。

実紀は高階に教えられてどんどん開花していく。
そして、それまで恋をしたことがなかったせいもあってか、気持ちも高階へと傾いていく。
けれど、その恋は、婚約者付きの相手だし自分の行く末はある男の愛人だし、諦めるしかないもののようで。
期間限定の別れが決まっている出会いがなんだか感情が伴うにつれて切なくなってきたり。
それなら、せめて一緒にいる間はレッスンと称してでも触れて欲しいと思う実紀に対し、高階はもう全部教えたからとやんわりと受け流してしまう。
しかし、その苦境から抜け出す努力をそれまでは本気でしていなかったことに気付いた実紀はやがて変わろうとしていく。

それぞれの家族の思惑があって巡り巡っていた運命が、最終的には不思議な因縁を持って巡り会います。

「冷たい情熱」
外資系証券会社員・辻谷詠司×ホテル系コンサルティング会社員27才・安達倫也

安達は高階の私設秘書をしていたが、ある件があって今は別の会社で働いている。
勝負には安達が勝ったようなものだったが、すんなりと引いてしまった高階にどこかプライドを踏み躙られたような気がして納得がいかずどうにかして高階に一矢を報いたい。
そんな折、安達は辻谷と出会う。
一緒に高階を貶める共同戦線をはらないかと提案した安達に辻谷は信頼関係が必要だと言い、安達に躰を差し出すように求めてきて…。

辻谷は決して安達の躰に興味があるというわけではなく。
ただただ安達を跪かせるように、プライドを踏み躙るように扱うだけで。
自分は一切触れず、ただ言葉で命令して、安達1人にいろいろさせる。
最終的には辻谷と高階との関係がバレるが、もうその頃には安達はそれでも辻谷に従属せずにはいられなくなっていて。
従属でもなんでも触れて欲しくてしかたなくなっていて。
従属させる者と従属させられる者。
歪んだ形ではあるが切っても切れない関係に堕ちていく。

なんだか和泉さんらしいお話な気がしました。

「幸福な朝食」
高階と実紀のその後。
ベッドで目覚めて朝食をとるまでのイチャラブ。
確かに2人とも幸福そうでした。

1

シリーズ1作目、2カップルの話

シリーズ1冊目。客同士の話です。
表題作&ショート、短編の2カップルの3作品が収録されています。

「佳人は愛で綻びる」
実紀(受け)、高階(攻め)の両方から語られます。
実紀は、会社へ融資してくれる条件のために、荻沼社長の愛人になることを決めます。恋愛に慣れた相手が良いという話だったので、高階(攻め)にレクチャーを頼みますが…という内容です。
練習相手に本気になってしまうのは王道ですが、互いの祖父母のロマンスが絡んだ面白い展開になっています。ただ、タイトルは優雅で素敵ですが、内容的にはぴんと来ませんでした。あと媚薬が二人の初エッチへ促すことになったのも、ちょっとなぁと思いました。高階・江端・九條がそろったイラストが素敵でした!

「冷たい情熱」
52ページ。安達(受け)の視点で進みます。安達は、高階に一矢むくるために、辻谷(攻め)に助力を求めますが、辻谷は取引条件に躰を提供するように言う、という内容です。
辻谷が一枚も二枚も上手で、安達を隷属させてしまいます。安達も納得ずくなのですが、私がSMチックなものが苦手なせいか、手放しでハッピーエンドだと喜べない気になりました。

「幸福な朝食」
10ページ。実紀(受け)の視点で進みます。恋人と過ごす甘い朝です。
「冷たい情熱」の読後で落ち着かなかった気持ちが、ほのぼのしました。

2カップルとも「身売りモノ」です。正確には、受けがある目的のために身売りを覚悟するのですが、両方とも目的を達する事がなかったので、「身売り未遂」になります。

表題作は両方が惹かれている心情が分かるので、じれったく甘い気持ちになります。年上セレブ攻め×年下ピュア受けがお好きな方にお勧めです。

1

びっしり

2段組の超ボリューム。
これぞ和泉桂!と言った面目躍如なこの本。
中身の方も、これぞ、和泉桂!でした。

一応、時代設定は現代のはずですが、舞台となるのは、21世紀とは思えない、時代錯誤的な雰囲気をたたえた高級会員制クラブ『嘯風館』。
傾きかけた父の会社のため、ある男の愛人になることを決意する主人公。
恋愛経験のない主人公が、愛人として男を満足させる術を学ぶために『嘯風館』の会員で、以前からその謎めいた雰囲気が気になっていた高階と契約して、甘く淫らな個人レッスンを受けるのですが…。

こんな、荒唐無稽な粗筋で、どっぷりと甘く淫らなラブロマンスを堪能。
正に、このメインカップルの高階と実紀は、激甘王道BL。

で、これだけでも充分「ごちそうさま」なのに、更にもう1組、辻谷と安達という別カップルのお話が。
こちらがまた、「やっぱり和泉桂はこう来なきゃ!!」な、「これぞ和泉桂!!」なツンデレ調教物です。
言葉だけで、安達を見事に淫らな犬に作り替えてしまう辻谷。
安達の変容具合は圧巻です。
辻谷に大人の余裕がある分、「夜ごと密は滴りて」を、もっと甘くクールに濃厚にした感じ。

この本、すごくお徳用です。

0

幼過ぎるぼんぼん

先月最新刊が出た、「大人の社交場を舞台にしたシリーズ」の第一作。
蓮川先生がすごく好きなので、最新刊読む前に事前情報収集として
読んでみました。

どんな話なんだろうと思っていたら、なんと24歳成人男子に
「愛人になってくれたら傾きかけた会社に個人的融資をしてやる」
というお話。
アラブ物だと多少のびっくり設定は、笑って飛ばせるのですが
純日本ものだったので、ちょっとついていけなかった気分です。
うぶうぶ高慢子犬を意図しないうちに開発!なんていうのが
お好きな方にはいいのかな。
2005年雑誌掲載分を加筆修正したもの200Pほど+本編に出てきた秘書さんを
メインに据えた書下ろし短編50Pほど+本編カプのあまあまショート8Pほど。

実は、設定に加えて、実紀が好きになれませんでした。
父親が社長をしている会社の広報室長をしているのですが
言動が幼い!
高階が嘯風館で注目される人物になった後、
ここのアイドルは僕だったのに!とお冠になったり、
「ぎゃふんと言わせてやる」的に高階を誑し込もうとしたり・・・
24歳といっても、ちょっとひどすぎませんか と感じてしまって
ダメでしたー(泣)
高階はドイツの血が入っているとかで見た目すんごく格好よく
うっとりしたんですけど・・・・
高階に教育してもらって、是非いい男に成長してもらいたいものです。

短編は、本編でちょっと策士っぽかった秘書さんが
逆に調教されてしまうお話。
本編ではそんな雰囲気、みじんも感じなかったので
すごくびっくりしました・・・。
人間、みかけにはよらないものなんだ・・・と思った短編でした。

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