赤と白とロイヤルブルー

Red, White & Royal Blue

赤と白とロイヤルブルー
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神53
  • 萌×215
  • 萌3
  • 中立4
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
16
得点
338
評価数
77
平均
4.5 / 5
神率
68.8%
著者
ケイシー・マクイストン 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
加藤木麻莉 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション
発売日
価格
¥1,380(税抜)  
ISBN
9784576210063

あらすじ

アメリカ初の女性大統領の長男アレックスは、英国のフィリップ王子のロイヤル・ウエディングへの参列を前に憂鬱だった。フィリップの弟ヘンリーとアレックスは、女性誌に載る回数を競うライバル同士だと言われるが、いつも冷淡なヘンリーがアレックスは苦手だ。その夜の晩餐会でも、冷ややかな態度をとる王子の肩に思わず手をかけた次の瞬間、一緒にウエディング・ケーキの上に倒れ込んでしまった。米英戦争勃発かと世間は大騒ぎになり、二人は全世界に向けて仲のよさをアピールすることになるが……
原題:Red, White & Royal Blue
翻訳:林啓恵

表題作赤と白とロイヤルブルー

アレックス・クレアモント=ディアズ,21~22歳,アメリカの女性大統領の長男
ヘンリー、23歳,英国王子

その他の収録作品

  • 登場人物紹介
  • 謝辞
  • 訳者あとがき

レビュー投稿数16

楽しいとこと引っかかるとこが半々

本作品はフィクションであり~とお決まりの注意はあるものの、実名がぽんぽん出てきて、しっかり現代ものとして没入できる。だからこそ楽しい部分と、だからこそ引っかかる部分があった。
ロマンス部分はとても面白いけど、付加情報が多い印象。

まずメインカプの設定がすごい。アメリカ大統領の息子アレックスとイギリス王室のヘンリー王子。アレックスは感情のままに行動することも多く、そのせいでピンチに陥ったり。ヘンリーは普段は明るいけど、逆風に弱い箱入りっぽい。

メッセージのやりとりをして、キスをしてドキドキし、そわそわ会いに行って、とやってることは可愛らしい。ただお互いの立場ゆえに、そこらのカップルとはスケールが違う。
母親に恋人を紹介するシーンが、大統領に恋人は英国王子だと告白するシーンになってて、笑ってしまった。問題は相手が同性だからじゃない、他国の王子だからだ!って現代ものでこれはすごい。別れても一生言われるし大変だ。

恋愛小説としては、王室に認めさせたところがピークな気がする。くっつく前の両片思い状態で逢瀬を重ねる二人のロミジュリ感が好き。

モヤモヤしたのは、レインボーが浸透し、反対の声もある世界観で有名人が同性の恋人を公表すれば、政治利用するかされるかになりそうなとこ。というか思いっきり政治の世界で生きているキャラだった。
大統領選で、息子の性指向が選挙結果に影響するかのような煽りはどうなんだろう、書き方として。あの流れで保守のテキサスを獲ったすごいぞ、とかやられても、女性大統領は初でなく再選だし、どういう解釈で読んで欲しいのか分からなかった。

また、この作品に限らずだけど、アメリカ視点のクセが強い。アメリカ=正義で世界の指導者っていうナチュラル上目線が当然の認識で、ちょこちょこアメリカ出てるーと思うところがあった。イギリス側に怒られそうな描写もある。

全体を見ると、いろんな要素を詰め込み、さらにその一つ一つの情報を広めに書き込んでて冗長に感じる。
アレックスとヘンリーに絞って見たストーリーは、遠恋で秘密の恋に萌えるシーンもたくさんあってとても良かった。二人の軽快な会話も好き。映画版も観てみようかな。

1

映画を見たら、ぜひ原作も!

映画を先に見てから、原作を読みにきたパターンです。
映画のレビューで、小説にはすごく魅力的なキャラクターが沢山いる!とのことで、とても楽しみに読み進めました。

映画を見ていたので「あ、ここはあのシーンだ!」となりながら読み進めていたのですが、小説を読むと、二人のやりとりというか、言葉の選び方がとても詩的です。
二人のメッセージのやり取りが、本と、映画とそれぞれ最高の表現の仕方なので、是非どちらも見てほしいなと思いました。

ヘンリーのほうが、どちらかというとメンタルが弱目なんですが、そこに遠くアメリカの地から駆けつけるアレックスのシーンが大好きです。
スケールの大きすぎる話でしたが、二人は誰もがトリコになる可能性のある愛に素直なだけの、若者には違いなく、ヘンリーとアレックスの言葉には何度も胸を打たれました。

また映画を観てみなおして、本作を読み返して、のループがしたくなりました。
この先の二人もみたいー!

3

海外のBL小説らしい作品

アメリカの大統領の息子とイギリスの王子様の恋物語。

これぞ海外BLだなぁと思える設定です。米英の上流階級の違いも面白く読めました。
エッチなシーンはふんわりしているので、BLが苦手な人も読みやすい反面、物足りないと思う人もいるかもしれません。それでも他のふたりのやり取りなどで充分萌えることができるはずです。
ボリュームのある1冊です。今どきのSNSのやり取りも面白く、お国柄、政治、将来、立場、LGBTQ+など、読み応え十分な作品でした。

特にヘンリーの言葉使いがおしゃれだなぁと思ました。
「これできみを完全に黙らせられることがわかっていたら、とっくにこうしていたんだが」
初めてオーラルセックスをした後のセリフです。
初対面から嫌われて、さんざんケンカ腰に嫌味を言われたりしながらも、ずっとヘンリーはアレックスに片想いしていたなんて!!
はじめてふたりが身体に触れ合うシーンは、めちゃくちゃよかったです!!


クライマックスのアレックスの衣装がタイトルの伏線にもなるスーツを着ます。
きっとアメリカとイギリスの国旗の色や両国の交わりともリンクしているんでしょうね。
表紙も素敵なイラストでした。

アメリカの作家さんのせいか、イギリスのことをよくわかっていないのか間違いもあります。
「プリンス・オブ・ウェールズ」の呼称はヘンリーの兄フィリップのものですが、ヘンリーが名乗っていたりしています。でも、細かいことは気にせず楽しんでください。

2

読んでみた

実存する団体名を記載する、Casey McQuiston作のラブロマンス。
偽装暴露本のようで好きじゃないけど、
「2019年goodreads ベスト・ロマンス賞第1位 王子との恋を描く全米ベストセラー!」を読んでみた。 
プロのもの書きの作品だけあって、文章が上手い。翻訳者の腕もいい。
でもやっぱり、物語自体より著者の創作意図や動機に興味がいく。

表紙の二人。
アレックス:米国の女性大統領の息子、黒茶の巻き毛
フィリップ:英国皇太子 金髪碧眼・・アイルランド風の風貌。

物語は、アレックスの視点、会話主体で進む形。
実際にあるものの「名称」をやたらに散りばめる内容、
故意なのか、名が示すものの解釈が微妙に実際とずれている。
故意なら、洗脳か誘導を意図したスリコミ。

何をしたくて英国王室とアメリカ大統領を選んだんだのか分からないけど、
今世の英米の風俗を知ることができるゴシップ小説。

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★きになった事のメモ。

送金アプリ ベンモ :送金アプリ venmo
設立経緯が「紙の小切手」の置き換え。
アメリカでは若者を中心に、送金アプリ「Venmo(ベンモ)」が流行
ペイペイみたいなアプリらしい。

英国王室の遺伝:
金髪碧眼は、後世。元々は、褐色の肌、黒い髪だったらしい。
「王室病」、血友病。ビクトリア女王が、血友病の保因者。
最近の話題は、「リチャード3世の骨」

1

「良いアメリカ」の夢物語

このピンクの表紙の印象が安っぽいのと(イケメン二人のイラストは素敵です)、言い回しがくどい的なレビューを読んでたので、そこまで期待せずにトライ。
結果、めっちゃ面白かったです!ほぼ一気読み。
もう、登場人物みんなとハイタッチ交わしたいくらいよかったです!

アレックスのキャラクターは、いかにも知的なミレニアル世代といった感じ。初の女性大統領である母親、ヒスパニック(今一番勢いのある勢力)の実父という、現実のアメリカの一歩先を象徴するような二人を両親に持つ、保守的なテキサス生まれのハンサム。
片やヘンリーは英国王子という、白人人種のヒエラルキーの頂点に立つお方。
こんな途方もない組み合わせの二人の恋を、しっかりとロマンスを感じさせつつ、文春砲的な記事からのカミングアウトや大統領選の緊迫をうま〜く取り込んで、いろんな伏線を綺麗に回収しきって大団円に見事に落とし込んだ作者さまの力量に大変感服いたしました。いやー、作家ってすごい。
ストーリーは先が読めちゃうけど、こうなるよね〜と思いながらもぐいぐい引き込まれました。恋に燃え上がる二人だけでなく脇役たちも皆魅力的で、読んでいてとても楽しかったです!

まあ、冷静に見れば現実はこうは上手くいかないでしょうが、いいじゃないの、ロマンス小説はかくあるべし。とても素敵な夢物語でした!

3

ロマンティック

少しずつ読んでいたので終えるまでかなり時間がかかってしまいました。先達のレビューにもありますが、序盤は結構読むのがしんどかった。これまた先達のレビューにあったのですが「ロイヤルシークレット」のような作品かと期待したところ、英国王子の話という共通点以外は、文体も雰囲気もだいぶ異なる作品だった…というのも理由のひとつです。主役2人が若いので、ライトな印象。

「君をスーパーソニックマンにしてやりたい!」は元の英語歌詞のままではいけなかったのだろうか…なんか…なんかさ…「おれを止めるな!おれを止めるな!」って……

3

ハーレクイン上等!

非BLになってるのが不思議なくらい立派にBLで、「ロイヤル・シークレット」シリーズが好きだった人にはオススメ。主人公カプの関係性がフラットなのも、海外小説らしい。

欧米人なら分かるのかもしれない独特のジョークは日本人としてはよく分からないが、それを差し引いてもストーリーは面白かったし映画化が楽しみ。織り込まれている大統領選エピソードがあることで、登場人物の葛藤や成長が垣間見え、主人公カプ以外も魅力的な人たちがたくさん。

公共の図書館で借りて読んだんだけど、コミカライズされないかなぁ。

3

絶対読むべし!

私は昨日の夜これを読み終わり、夢から薄く目覚めるたびに内容を反芻してうふふと楽しみ、何度も思い返してから我慢しきれなくなり、
夜明け前にのそのそと起きだしてこんな時間にレビューを書いている。
ずこくよかった。
凄く面白い!
絶対に読んでほしい。

が、その前に言っておく。
まず、登場人物紹介をよく読み込んでおくことだ。
ついでに登場人物に

リアム・・・高校の同級生。仲が良かったがこの一年間連絡していない。

と加えておきたい。
なにせ登場人物についての説明が殆どないというか希薄すぎて、読者は常にこの人は一体…と悩む思いをするだろう。これは原作者の癖だと思われる。

そう、そして言っておきたい。
最初からP150くらいまでは、ボロ雑巾のようだと。
こんなに辛辣なことを書いておきたくはないが、翻訳には二通りパターンがあり
・小説として成り立っている小説翻訳
・かろうじて翻訳しているが意味不明な日本語まである日本語的に厳しい翻訳
の、下のパターンに含まれる翻訳だからだ。
かなり文章は最初からぬた道(どろどろの道)で、そこを走らされるのでタイヤがスタックしまくる。~が~がと日本語的な読みにくい文章も散見しているうえ体言止めが多すぎて、小説とはいいがたい。
そのうえ、ヘンリーとアレックスが仲良くなるまでは、背景の説明とはいいがたいような背景の説明が続く。
読んでいて、こんなに投げ出したい気持ちになる小説はなかなかない。

が、アレックスとヘンリーが磁石のようにくっつくと途端に物語はレールの上を走りだす。
日本語がぬた道なのは相変わらずだが、メールの偉人引用の文章は美しく感動的に訳されている。
最初は鈍行で、ゆっくり列車は走っていくがやがて急行になり、さいごは特急列車になってレールを走り抜けていく。
同時に胸を打たれる!

よむうちに、アレックスが非常に勤勉で頭がよく、そして誠実なことがわかるし
ヘンリーが本当に深層の令嬢のようだという事も解る。ヘンリーは繊細で美しくかわいらしい本当に素敵な王子様なのだ。まさしく、王子なのだ。

その二人が数々の困難と伝統と世論を前にして恋を展開していく。
こんなに面白い話があったとは!という気分にさせられる。そして夢中になって私はここにレビューを書いている。

ぜひとも読んでほしい。
言っておくが、最初は非常に苦しい。読みづらい!だが読んでいれば慣れる。
その先は夢中になって読めるはずだ。
読後、ああ、なんて素敵な小説という気持ちにさせてくれる。

まさしく名作!
絶対に読むべし!

8

ロマンス小説

おそらく、期待値が高すぎたせい(?)、”萌”は見いだせず。
(読者を”萌”させるのではなく、”夢見て”もらうジャンルのレーベルだからあっているとは思うんですけど…すみません。)
看板通り”ロマンス小説”なんですね。非BLだけどここで話題になってたので、ブロマンス的なイメージだったんですが、ガッツリ、ハーレクイン的なロマンス小説でした。映像化はよさそうです。
長いので(翻訳小説としては標準らしいのですが…)、挫折!って気持ち、わかります。前半ちょっとまどろっこしいですよね。外野多いし。でも、中盤以降の展開に勢いがあるので、400Pを超えたら読みやすくなると思います。

設定が壮大すぎるのと、英国王室に既存のあの方々のイメージがちらつきすぎるのが、私の敗因だと思います。ロマンス小説を読み慣れてないので、いろいろ新鮮だったんですけど、エロい描写がないんですね。いや、あるんですけど、露骨でなくて、煌びやかな言葉や美しい表現で描写されていて、夢見がちな乙女も恋したくなっちゃうんだろうな、なるほどーと思いました。登場人物の気持ちとその場の雰囲気を丁寧に描写することで、愛の行為をすごく盛り上げているという印象でした。個人的には、もっとダイレクトなほうが好きです。あと、私がBBAなので、往復書簡とかはいいんですけど、SNSのやりとり部分がちょっと読みづらかったですね。

とはいえ、深夜のV&A美術館の場面などは、その場の情景が目に浮かぶようで素敵でした。どこにも行けないこのご時世に、心だけはロンドンの名所へ一瞬だけ移動してました。浮世離れたラブストーリーと海外の空気を楽しめる作品ではあると思います。

6

「愛してる」という言葉がとても似合うふたり

たったいま読み終わり、脳内の荒れ狂う感情をなんとか言葉にしようとしています。
これはひとりでも多くの人に読んでもらいたい。

今まで何百冊かよんだBL小説のなかで、トップ3に入るのでは?というくらいの神作品でした。

受け攻めの細かい設定やストーリーはあらすじなどを読んでいただきたいのですが、受けがイギリスの王子で金髪碧眼ってことです。
そもそも受けが最強すぎます既に。この時点でピンときたら買うべきです。期待通りです。

まだ電子化もされておらず、値段もけっこうお高めなので躊躇される方も多いかと思いますが、わたしは翻訳ものということとこの受けの設定をみただけで何も手につかなくなり本屋さんに走りました。
わたしが行った本屋さんではハーレクインの棚にひっそりとあったのでけっこう探しました。

もともと翻訳ものが好きでモノクロームロマンス文庫も読んでいますが、翻訳ものに抵抗がある人にもまぁひとまず読んでみて、と言いたいです。
確かに特有のノリや日本人にはよく分からない文化も容赦なく出てきますがそれを敬遠して読まないのはもったいないです。

この作品はBLレーベルではないということで、露骨な描写やはっきりとした表現はありません。
なので物足りないのかな、と思いきや全くそんなことはありませんでした。むしろそれが想像力をフル稼働させてくれます。
「ヘンリーはドアに両手をついた」とか、たったそれだけの文章でガッツポーズを決めてしまいます。(心の中で)
なので普段BLを読む人でも読まない人でも抵抗なく楽しめると思いました。

この作品の何より素晴らしいと感じた部分が、この分厚い1冊の中でお互いのことがどれだけ大きな存在で、どれだけ大切に思っているのかということがとてもじっくりと丁寧にかかれているところです。
それぞれ今の自分がどうやって作られてきて何に支えられてきたかとか、内面のすごく深いところにあるものを教え合って理解し合って、その全てを丸ごと愛し合っているんです。
ほんとに相手の存在が自分の体の一部になってしまっているような。
それが読んでてよく分かるため、ふたりの間に何かが起こる度に胸が苦しくなりました。

ヘンリーは王室に生まれた王子であるが故に苦しい思いをしていて、明るみに出た時の追い詰められる様子もほんとにしんどくて、もし現実にこんなことが起きたら世界の反応ってどうなんだろう?なんて考えてしまいます。

あと、攻めのアレックスより受けのヘンリーのほうが背が高くて、これがすごくいい。
攻めより受けのほうが体格がいいのは個人的にはNGだったのですが、むしろそれが最高!!って感じです。
受けが攻めに「チビ」とか言っちゃうのがこんなにかわいいなんて知らなかった。

映画化するらしいのでとても待ち遠しいです。
目で見たいシーンが多すぎる。
無事に完成して日本で公開されることを祈っています。

10

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