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tenshi no teiri
①兄弟の定理 :2018/11/10 津向總一郎,32歳x津向要斗,26歳
⓶天使の定理 :2021/03/10 貞野弦宇,27歳,x式見 槐,29歳
③隷属の定理 :2022/08/10 乃木映爾,40歳,x瀬戸佳槻,30歳,
さすが「スキャンダル」を書いた作家の作品、といった読後感。
恋人を失い外部遮断をする者と、自分の中が空白の者。
欠けた者同士の共依存のような恋。
式見槐:
1巻の「兄弟の定理」スピンオフ
「兄弟の定理」に登場した、要斗を愛していたけれど、身を引いた俳優。
外観は天使。 でも心の中が空で自分がない。
貞野弦宇:鍵は、「弦と弓」
公園でチェロを弾いていた男。
有名な演奏家だったが、四年前から生き方が変わる。
命の取り合い、認めたくない事との対峙、辛辣で愛憎ぐっちゃぐちゃ骨太ストーリー
「兄弟の定理」で癖が効いた当て馬だった槐の心のうちが暴かれていくのや、どうしようなく惹かれてるのに認められない狂おしさとか、心理描写も逸脱ヒリヒリ凄まじくて、2人の攻防に目が離せませんでした。
と共に責められる攻めのお尻!!
このプレイもある意味救済…と思わせる何かがあり、ハードに責めるのはドキリ、揶揄いがちに弄るのはキュン。槐のただでは済ませない攻めっぷり!!攻めに攻めた攻めフェの凄まじさ!微塵も屈しない強さ!!さらに上回る弦宇の意固地さ!すごかったです。
この2人だからこそぶつかり合えて、乗り越えれたんだなと思え、甘さはないんだけど、殺伐とした中の苦悶に悶えました。
挿絵も笠井先生なので見目麗しい!!
攻めがディノレド突っ込まれてる挿絵初めて見ました…電子は会陰から修正入っててなんのこっちゃでしたが、インパクトは凄かった。
いやぁ、、、スピン元であんまりそそられなかったキャラが、スピンオフで炸裂するっていう…。結果、スピン元よりもテンション爆上がりになってしまうパターンには何か法則があるんでしょうか?
挿絵ご担当の笠井先生は攻めと受けをキッチリ描き分けるタイプのイラストレーター様なので、表紙を見た時に今回は式見がアッチになることはわかっていました。
今作も作者様独特の、危うくて狂気じみていて夢現な世界観にハマってしまいました…。雰囲気だけでも現実逃避させてくれます。そこに読み手の精神状態をチューニングできたら、どっぷり浸かれるのでは。
ハラハラしながらじっくりと読み進め、あちこちに打たれた布石を拾いながら感じたテーマは「ループ」断ち。人生のある時点から先へ進めなくなってしまった人を救済していくお話です。
村主監督映画の出演オファーを受けた式見。まだ承諾しないうちから、共演相手の男と「役積み」のために時間を共にするようになります。式見にとっては当初、面白半分の観察目的でしかなく、自分への殺意を剥き出しにする相手の男を逆に落としてやる心積りでいたのですが——
4年前、貞野に何が起こったのか。そして式見は貞野に落ちるのか。落ちた時に彼が思ったこととは何か。貞野が「雑音」を消せなかった後に残ったものとは…。
貞野のために創られたループストーリーがまるでパラレルワールドのように実在し、現実の二人に作用していく様を目撃しながら丁寧に辿っていくと、これが貞野の救済にとどまらず、救済を施す側の式見も救われる物語であることがわかります。
式見が天使と表される理由も深くて、なんて読ませてくれるんだーっ!とこれまた悶えながらバンバンどこかを叩きたくなるところで。もう、こちらの式見はスピン元とは別人として読ませてもらっていました。
攻めも受けも脇キャラも、こんなに心身ともに傷ついていく(いかされる?)BLは、あえての鬼畜もの以外では読めないですよね。園井と瀬戸が可哀想になっちゃって…。二人でくっついちゃえばいいのに笑
物語の構成自体もループになっているところもさすが抜かりがないというか、作者様の頭の中でそういう流れがきちんとできているんだろうなぁって。もちろん、同一次元のループではなく、結末は上昇螺旋型のハピエンです。う、うまい…。
最後に、式見サンの宝箱、何もかもこだわり抜かれていてすごいなー!さすが沙野作品です笑
前作は未読です。
それでも違和感なく読めました。ちらっと出てくるスタントマンのお話のようですが、無理なくスッと理解できましたし。なんなら興味が湧いてそっちも読もうかなという罠にハマります(笑)
で、ストーリーが練られていて、まぁ攻めは最初の出会いから受け君に惹かれてしまっていたということなので、そう考えれば攻めの葛藤も理解。
それより受けが攻めだったという背景が恐ろしく興味をそそる…そして、攻めが責められる!!!
初めてのパターンで楽しめました。
これが苦手な人もいるんでしょうが、私は節操なしなので、ストーリー面白かったら問題ないっす。
あらかじめチェリストが攻め、俳優が受けっていう前情報を入れて読んだので余計に途中で?!ってなりました。それが読み進める上でのスパイスになってどんどん読み進められたから良かったかな。
チェリスト、そしてユーモレスクの中盤、このキーワードに萌えます。
笠井あゆみさんの挿絵がこれまた素敵で…文句なしに神評価です。
沙野先生の作品はあまりキャラ萌えとかは無いことが多く、只々ストーリーに圧倒されることが多いのですが、これもそういう作品でした。
(「兄弟の定理」は読みましたが、式見についてはあまり記憶に残っておらず…)
平たく言ってしまえば、壊れた男と悪趣味な男の歪んだ執着劇。
でも、見方を変えれば、究極に不器用な男達の純愛…とも言えるような気がします。
ユモレスクで始まり、ユモレスクで終わるのですが、場面によっては、あの哀愁漂う中盤以降のメロディが、物語のBGMとして頭の中に流れてくるように感じました。
殺すか殺されるか、命をかけた真剣勝負が繰り広げられ、2人とも普通じゃないので、何故そういう行動に出るのか凡人である私には理解は出来ない部分もあり…
それでもお互いが惹かれあってるのが見ていて分かります。
愛だとか恋だとか単純な表現で表すことは出来ないとは思いますが、弦宇が雑音だというもの、その原因は…もしかしたらそれって一目惚れなのでは…
だとしたら、弦宇はとてつもなく鈍感で不器用すぎて、精神的に幼いまま大人になってしまったのかもと思いました。
終始不穏な空気が流れるストーリーでありながら、エピローグからラストまではとても美しく、素晴らしかったです!!
プレイとかサブキャラの自慰とか、正直趣味じゃないとこもあるのですが(そこは沙野先生の作品なので承知で読んでますw)そういう気持ちというか、全てを浄化するような尊いエピローグでした!
弦宇がチェロを弾き始めると、まるで本当にユモレスクの冒頭の爽やかなメロディが聞こえてくるようで、ずっと怖くて痛々しい印象だった弦宇のイメージが、このシーンでガラッと変わりました。
今までの全てを塗り替え、幸せそうな穏やかな2人はキラキラした感じで、とても感動的な読後感でした!
すべての沙野作品を読んでいるわけではないのだが、ここ最近の先生の作品は、単純な好いた惚れたではない男同士ならではの関係を模索しているような気がする。
問答無用で相手に引き寄せられてしまう引力、相手を支配する力、その力の強さを競う駆け引きめいたもの。
それらすべてを恋と一言で言ってしまってもいいのかもしれないけど、BLにおける恋というものは、男女とは違うのだからもっといろいろな切り口で描けるはず。先生はそう思っておられるように感じる。
前作の「獣はかくして交わる」が好きだった方なら、絶対このお話もお好きなはず。
私は残念ながら、殺したいと思うまでの攻めの受けに対する執着を理解することは難しかったのだけど、こういう、甘いだけじゃない、一言で言い表せない関係性を描いたBLがもっとあってもいい。男同士だからこそ、恋とか愛とか、普通の枠組みにとらわれなくても、BLはもっと自由でいいんだと思う。
「兄弟の定理」は読まなくても理解できる内容だけど、医者の兄に会いたいがためにわざとケガをするスタントマンの弟、という設定が大優勝なので、未読の方はぜひとも読んでみてほしいです(私は神評価つけてます〜)。
電子書籍を購入。
挿絵あり、あとがきあり。
「神」評価です!!
作家買いで、あらすじもレビューも確認せずに購入。
途中で、「兄弟の定理」のスピンオフと気づきましたが、無問題!
これだけでも楽しめます。
通常のボーイズラブ的なものと一線を画すストーリー運び。
惚れた腫れたではない。
魂と魂の真剣勝負。
作品全体に緊迫感が漂います。
ヘビーですが、読後にズンと残ります。
本作と同じような読後感がありました。
「顔のない男」剛しいら先生の作品です。
こちらも、魂と魂の真剣勝負のラブが描かれています。
私と同じようにこの読後感を味わいたい、本作にツボった方に、おすすめの作品です。
予想のはるか上を行く面白さでした!!
沙野先生には毎回驚かされます。
最後まで気が抜けない、予定調和は一切ありません!
何となくお互い惹かれ合うなんて事にはならないのでご安心を。
兄弟の定理で掴みどころの無い「観察者」として結果的にはキューピットとなった式見槐
この式見がどのような恋愛をするのか…
沙野先生にしか書けない魂×魂がぶつかり合う命を削る様な恋愛でした。
弦宇の絶望、式見の空っぽの宝箱
強烈な個性を持つ2人が出会い 互いの全てを暴き合う。
その果てにあったのは、まさに至上の繋がりでした。
天使とは?笠井先生の表紙が素晴らしいです!!読後にぜひじっくり見て下さい!
深夜の高架下でチェロを弾く男
ドヴォルザークのユモレスクの一節だけを何度も繰り返し演奏する。
映画のW主演の相手役として出会う貞野弦宇。
過去に囚われて自分の中だけで完結した水底のような世界に生きている弦宇。
式見は幼少の頃から「幼さ」を観察して どのような子供であれば周囲に認められるか…常に高みから人を観察し分析して生きてきたクセ者。
映画の撮影が進むにつれ演じているのか素の自分なのか お互いの感情に引きずられて追い込まれてしまう。
観察し分析する式見と憎しみをぶつけるような弦宇
この2人以外の登場人物も拗らせ病んでてどこに着地するのか最後まで全く予想できませんでした。
最後のシーン ぜひユモレスクを聴きながら読むのをオススメします。
ストーリーと曲がこれ程マッチして そこにいるかのような臨場感で感動しました。
これまでの暗いトンネルを抜け心揺さぶられるシーンでした。
式見のマネージャーとして大活躍だった彼のスピンオフが決まったとの事。
なかなか興味深い過去を持っていて楽しみです。
流行に流されず書きたい物を書く
これがなかなか今は難しい状況ですが、この本はきっちり書き切ってくれています。
読んでいて嬉しくなりました。
気になってたキャラのスピンオフだったので購入。思っていた感じのお話だったのですが、どうも一回では消化しきれず、まだ未消化なので、萌にしました。キライではないのですが、萌ポイントを特定できない・・・本編250P弱+あとがき。
憑依型カメレオン俳優として人気の槐。ある日撮影まで半年を切ったところで映画出演のオファーと非常識な依頼があり、気になったので会ってみると、W主演の相手が2か月前高架下の公園でチェロを弾いていた人物で・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物で気になったのは
瀬戸(受けマネージャー)、園井(脚本家)、總一郎・要斗(前作カプ)、弓人(攻め父の愛人の子、故人)ぐらいかな。
++ 困っているところ
私がバカなんだと思うのですが、槐の気持ちも弦宇の気持ちも難しくって、シンクロ出来たんだか出来てないんだかが、自分で今一つよく分からなかったんです。だから萌えあがれなかったというか不完全燃焼な心地。
あまりに深くてドロドロしているからかな?私にはあんまり分かりやすいものではなかったでした。
義理の弟に抱いた弦宇の気持ち、そこから抜け出せなくなった彼の感情、自分を形にはめないと知覚できない槐、どれも難しーい!
ただ最後に救われたように「お前は本物の天の使いだ」と告げて、ユモレスクを最初から最後まで弾けるようになったところはとっても嬉しかったし、ドロドロ悶々としてきた全てを雪いでくれる気分になったので、安堵感でいっぱいでした。槐も幸せそうだし、瀬戸さんは瀬戸さんで想いを告げてきっちり弦宇に釘をさしてるし、終わりの辺りはすっきり良かったんです。
終わりに至るまでの濃厚な感情が今一つ消化しきれなかったお話でした。うーん。もうちょっと頑張って読んでみよう。