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koutei alpha no yangotonaki dekiai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
高峰さんの新刊は、タイトルからも推測できるようにオメガバースもの。そこに中華風の雰囲気とケモ耳&シッポが加わったファンタジー要素モリモリのお話でした。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
狼族が国を統べる「天狼国」。
この国は狼族を頂点として様々な獣人たちが住まうが、その底辺にいるのが人間族。力では獣人に敵うことができない非力な人間族は卑下されている、というバックボーンを持つお話です。
主人公は「天狼国」の地方の小さな村に住む梅紅。
彼は續(ベータ)だが、梅紅の兄・雪蘭は美貌で名を馳せる守(オメガ)だ。雪蘭には「運命の番」と信じる恋人の闢(アルファ)である李影との婚姻が間近に迫っていた。が、そんな最中に、前皇帝の崩御に伴い新たな皇帝となった宵藍から、雪蘭を妃候補として召し上げたいと通達が届く。いわく、雪蘭は宵藍の「運命の番」なのだという。
兄を恋人と番わせてあげたい。
そう思った梅紅は、兄のふりをして、兄の代わりに皇帝の元へと馳せ参ずることにするが―。
というお話。
獣人と人間が共存する世界、が舞台のお話ですが、そのバックボーンに加え、今作品はオメガバの要素も持ち合わせた作品です。アルファは闢、オメガは守、そしてベータは續と呼ばれています。その読み方に加え、彼らが身に纏う衣類や名前など、ほんのり中華を彷彿とさせるお話で、さらにBLでは王道と言えるでしょう。身代わりモノという側面を持ち合わせていて、もしかしたらシリアスベースのお話かな?と思いつつ読み始めました。
が、これが序盤のイメージと異なりかなりコミカルな雰囲気で進む作品でした。その大きな因子となるのが主人公の梅紅。守(オメガ)らしい、はんなりとした楚々とした美人さんの兄の雪蘭とは異なり、續(ベータ)ということもあるのでしょうか、彼はめっちゃ元気で天真爛漫な青年として描かれています。
皇帝と気づかず宵藍を引っ叩いてしまったり、いわゆる花嫁修業的な事項は一切できない。下女たちと一緒に掃除とかもしてしまう、そんな少年。だからでしょうか、兄の代わりに嫁ぐという、書き方によってはドシリアスな展開にも持っていける内容の物語でありながらドタバタコメディ―の様相も兼ね備えたストーリーなのです。
が、そこから、宵藍と言葉を交わし、ともに過ごすうちに梅紅は少しずつ宵藍に惹かれていく。續でありながら守を装うことで周囲の人たちを偽っていること、何より宵藍を騙しているという贖罪の思いに駆られ、さらに惹かれていく想いに反して續である自分には宵藍と番うことはできず子を成すこともできない。笑えるのに切なく、萌えるという色々な感情が上手にミックスされて進んでいくお話でした。
雪蘭を「運命の番」と呼び、雪蘭を装う梅紅を大切にしてくれる宵藍。
宵藍を騙し、雪蘭として後宮にあがった梅紅。
二人の行き着く先は―。
どうなるのかとハラハラしつつ読み進めましたが、まあ、読んでいるうちに先は見えてきます。見えてきますが、それを上回る優しさと温かさと萌えが満ちている展開でした。周囲の人たちもみんな優しいですし、宵藍は紛うことなきスパダリですし、梅紅は可愛いし。その優しいストーリーと、カワイさんの描かれた温かな挿絵がぴったり合っていてこれまた萌える。
読後は心がほっこり温かくなること請け合いの、優しい世界観を持つ1冊でした。
兄の身代わりにアルファに嫁ぐベータの弟
好色皇帝の崩御により伸び伸びになっていたオメガの兄の結婚準備が再始動した矢先、その兄が新皇帝の妃候補として召喚されてしまいます。
運命の番である兄とその婚約者との結婚をなんとか実施しようと、梅紅(受け)はベータであるにも関わらず、兄の代わりになることを申し出ます。
兄の婚約者の一族(この地域の領主一族)もそれに感謝し、成り代わりを実行します。
後宮に到着し、早々に新皇帝・宵藍(攻め)に運命の番だと言われ、兄は2人も運命の番がいたのかと驚くのですが‥
中華風オメガバースで、闢(ビャク)=アルファ、續(ショク)=ベータ、守(守)=オメガという呼び方になっています。とはいえ、私のポンコツ脳みそはこの呼び方に慣れずというか呼び方を覚えられず何度も確認するのに疲れ、勝手に変換して読んでいました。
子を産めないベータが運命の番の代わりに後宮に入ってどうなるんだという話の始まりでしたが、結果オーライで安心しました。
ただ、ベータだったはずの梅紅がオメガに変転したのには何か理由があるのだろうか。
稀にそういう症例があるとか。
作中では全く触れられてなかったので、ちょっと気になりました。
スパダリな宵藍が完全に梅紅を守っていたため、初めはともかく一切嫌な目に遭うことがなかったので、梅紅がオメガになりたいとか変転したせいで不安定になる以外はのほほんとした話だったと思います。
チハル先生も大好きなのですが、なんといっても今回はタイトル買い!「やんごとなき」!やんごとなきですよ、みなさまーと声を大にして叫びたいぐらい、好きな単語なのです。で、ウッキンウッキンで買ってはみたものの、やんごとなき感がちょっと違ったなあ・・と感じてしまったので申し訳ないです、中立にしました。もうちょっとノーブル感が欲しかったなあ・・・元気受けがお好きな方でしたらいいのかもです。本編150P超+小話?20P弱+その続き60Pほど。
後宮入りを望まれた守(=Ω)の兄の身代わりとなり、後宮に行くことを決めた續(しょく、=β)の梅紅(めいほん)。容姿が大したことないし、山のようにいる後宮の女性から選ばれることはないわとタカをくくっていたら、なぜか後宮についたその日に皇帝がやってきて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物
雪蘭(受け兄、Ω)、李影(雪蘭の恋人)、吟愁(攻め側近)、鈴花(薬師)、お子様方、女官たちぐらい。
++攻め受けについて
攻めはうー--ん・・皇帝で、お仕事頑張っていて、受けにべたぼれで(運命の番らしいので当然っちゃ当然)。俺様とか冷酷とか超有能とか、なんか特筆するべき属性ってのが見つけられなかったかな。耳しっぽ付だけど、しっぽで悪戯するとかなども無いし。やんごとなき地位ではあるけど、キャラ的にやんごとなきという方ではなかったでした。
受けは運命の番がいる兄の身代わりで後宮行こう!なんて考えるお人よしというか、健気というべきか。元気っこ系統で、平民だから傅かれるなんて無理!って考えるタイプの方といえば伝わるかな。うーんこちらもめちゃくちゃ特筆するべき属性を思いつけず。
お話は王道、キャラにもそんなにツボを突かれなかったので、さらっっと読み終えてしまった一冊でした。