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dekiaishacho to soinejanerarenai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
タイトルイメージに反して…書くと失礼かもしれませんが、中性的な受けが年上男性にただただ溺愛されるだけのお話じゃないんですね。抽象的な表現になってしまいますが、深く昏い色の静かな水面にポトンポトンと優しい雫が落ちてジンワリ広がっていくような…彼等の心が満ちていくカタルシスが伝わってくるお話でした。
救済ではなく浄化。もしくは昇華。
……うん。個人的にはそんなイメージかな。攻めにも受けにも心の中に大きな穴があって。けれどそれは他人には悟らせない心の奥深くにあって。相手に与えられた心がその悲しみを優しい気持ちに変えていくような。少し不思議な力が登場しつつ、静かに慈しみ合う印象も残りました。もちろん溺愛っぷりも楽しめてとても良かったです(﹡´◡`﹡ )
受け:透里は無色透明な独特の雰囲気がある大学生。
それがミステリアスな魅力でもあり、近寄りがたく何を考えているかわからない部分でもあり…。透里は周囲から「感情のない人形」にしか思われていないと自認しており、淡々としています。
そうなってしまったのは親が"夫婦で2人の世界"を作りすぎて、特に父親からは邪魔だと言わんばかりの酷い言葉を浴びせられてきたのが原因なんですね。幼心に透里は親にすら必要とされない人間だと自分を位置付けてしまった。
そんな彼は少し不思議な力を持っていました。
寝ている人の幸せな記憶が具現化してみえる力です。"添い寝バイト"で見知らぬ他人の幸せに触れる時間が透里にとって癒やしであり、大切な時間でした。能力についてはフワッとしてて深く語られなかったんですが、他人の感情を敏感に感じ取ってしまう性格から発生したのかなぁ…と。
(能力について考え出すと「?」でいっぱいになるので考えるのはやめた;;)
攻め:甲斐谷こと通称パンダさん。
パンダさんも添い寝客の一人で、あらすじにもあるように半信半疑で添い寝を依頼したんですね。そしたら眠たくもないのにスッと寝落ちて、起きたら気分爽快。そしてなによりミステリアスな透里が気になる…ッ!
パンダさんも他人の感情に聡いほうだったのかな。透里はあえて感情を出さないのではなく、何か理由があって情緒が育っていないだけと感じ取り。いつか透里が笑った顔が見たい…!!!という一心で、そりゃ~~~もう優しさのオンパレードで大切にゆっくり静かに距離を詰めていくんですね。
このときのパンダさんは大人攻め!って感じでとても素敵です。言葉選びも、透里の心を軽く素直にさせるような振る舞いも。決して無理はしないで根気よく言葉を伝える・聞く。2人の距離が縮まっていくのが"溺愛"のタイトルらしく甘々た~~~~~っぷりでニヤニヤが止まりませんでした(∩´///`∩)
がしかし、心に澱を持っていたのは透里だけじゃないんですね。パンダさんも同じく悲しい気持ちを抱えて居ました。口にするには少し悲しくて透里にも打ち明けられません。けれど透里の不思議な力が働いて、パンダさんの悲しみが溶けていくような感覚が伝わってすごく良かったです。(←個人的に一番印象に残ったシーン。能力がよくわからんけど溶ける感覚がグワッときた…(;///;))
透里がパンダさんと出会ってどんどん環境が変わっていくのも良きです。パンダさんと出会うまでの透里は精神的なひとりぼっち。身内も気に掛けてくれる友達もいるけれど、頼ることは出来なかった。しなかった。透里に出来るのは静かに息を吐き存在感を消すだけーーーとね。たった1人。ずっと1人で立ってたんです(;ω;)
けれどパンダさん出会って。パンダさんは透里の全てを肯定してくれる。褒めてくれる。撫でてくれる。支えになってくれる。100%絶対的な存在が出来て訪れる変化。物語が進むにつれ、無色透明だった透里に色が添えられてくのがグッときました。
またBL以外で大好きポイントは、『パンダさんvs叔父』の保護者マウントwバチバチに飛び散る火花に笑っちゃいました。あと添い寝バイトの斡旋していた『セジュンvsパンダさん』のモンペ対決も面白いw 透里は本人が気付いていないだけで周囲から沢山愛されている子で、物語の冒頭が悲しかっただけにホッとしました。
知らなかった親の真実が明らかになったり、ストーカー騒動など色々紆余曲折を辿りながら、添い寝からのただの溺愛で終わらないカタルシスが素敵なお話で良かったです(﹡´◡`﹡ )
今回は父の会社を継いだ実業家と
添い寝という特殊なアルバイトをする大学生のお話です。
受様がバイト先の客として出会った攻様によって
家族や友人との関りを変え、新たな人間関係を築くまでと
その後を描いた短編を収録。
受様は病弱な母が健康を害してまで出産したため
社長業で忙しい父親からは疎まれて育ちます。
父を煩わせない様にと
自己主張をしなくなった受様は笑わない子供となり、
受様に進んで関わる人々は少なくなっていきます。
受様は昨年、両親を事故で亡くしていた事から
会社を継いだ叔父の家族と同居していましたが
今はマンション暮しをしながら大学生活を送っています。
この春からは人材業者の紹介で
少し変わったアルバイトを始める事となりますが
その客として出会う実業家が攻様となります♪
攻様は父親の事業を継承して社長業をしており
少し不眠ぎみとなっていたところで
人材行を営む知人に"添い寝"を紹介されます。
半信半疑で向かったところ
そこは受様の住むマンションで
受様に入眠のおまじないを唱えられた攻様は
朝までぐっすりと深い眠りに落ちる事となります。
受様の"添い寝"とは人材業者が紹介する
身元が確かな客に一夜の深い眠りを提供し
受様は客が眠りの中で浮かべる幸せな記憶の欠片を
見守りながら一夜を過ごすというものです。
攻様も不思議なおまじないで眠りに落ちますが
その時に攻様が見せた夢は
可愛い子パンダが安らかに眠る姿だったのですが
はっきりと見えたのは初めてでした。
受様は攻様の見せたパンダを再び見たいと思いますが
攻様もまた浮世離れした受様に興味を持つのです。
そうして攻様はたびたび受様の客となり、
2人は親しくなっていくのですが
受様の大学の同級生で
何かと受様の世話を焼きたがる幼馴染には
受様のアルバイトを売春ではないかと疑っていて!?
肉親の愛情に恵まれず人と距離を撮っていた受様が
バイトの客として出会った攻様によって
世界を変えていく恋物語なります♪
タイトルとあらすじから
スパダリ系攻様がひょんなことから知り合った
薄幸な受様に惹かれて手取り足取り♪なパターンか
と思ったのですけど
今城先生のお話らしくキャラの背景や設定、
展開に捻りが効いていて、
攻様によって世界を広げていく受様が
笑顔を取り戻しながら心を許せる人を増やしていき、
攻様への想いを育てていく過程にワクワクしながら
楽しく読ませて頂きました (^-^)v
実は余裕のある大人に見えた攻様にも
作中では軽くスルーされていますが
不眠を抱えるに至る原因があって
2人の出会いが受様の視野を変えるだけではなく
攻様が抱えて続けていたやるせない思いも
解き放たれていく事となる展開も
すごく良かったと思います。
今城先生の過去作で好きなものがあったので購入。妖精ちゃん受けも、襲わないように耐えてる攻めも好きでしたが、王道だなと思ったので萌2より萌にしました。タイトルは、今作の中で一番笑ったシーン。とっても大切にしてもらえるのが分かってすごく笑えると同時に幸せになったシーンです。情緒未発達だった受けが恋を覚えていく様と攻めのゆったりした雰囲気にきゅうきゅうした本編280P超+後日談20P超+あとがき。
自分の家で、不特定多数の男女に添い寝するバイトをしている透里(とうり)。セジュンという人物から紹介された身元の確かな方のみを相手とし、性的な事は一切なし、深ーい眠りのみを提供しています。ある日やって来たのは知り合いから紹介されたという30代男性。上質なスーツをまとい余裕のある社会的地位の高そうな方で、眠りに深刻な悩みを抱えていなさそうなのですが・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
セジュン(添い寝客を紹介する謎人物)、濱田・酒井、その他女子(受けの友人)、叔父夫婦・その娘ぐらいかな。
++攻め受けについて
「浮世離れしている」という表現が記載されていましたが、受けさんは本当にそういう感じです。両親からの愛情を十分受けられなかったため、自分は存在しなくてよいと何もかも諦めているようなご様子。悲しみも超越していて、儚く消えてしまいそうな印象でした。それが原因なのか不明ですが、3つの異能持ち。
1.なんとある言葉をつぶやくと囁かれた方が秒で眠りにつくという!!!!わーおなんて便利な。1回だけ、困った状況の時に、攻めさんにその言葉を囁いて強制入眠させてました、もう可笑しいの、ここ。絶対攻めさん、「勘弁してーーー・・・・zzz」だったと思うんです。
2.残留思念を感じ取ることが出来る模様。自在に制御できていませんが、ふとした拍子に発動していました。伝えられなかった、残された思いを拾い上げ、言葉として伝えられて、事態をより良い方向に向かわせる、良い使い方が出来ていて、良かったなあと安堵しました。
3.眠った人物の楽しい記憶に紐付いている何かが見えるという力。攻めさんは昔見たパンダがそのアイテムのようで、そのため、受けさんはずっと攻めさんのことを「パンダさん」と呼んでいます。可愛い・・
言葉も表情も少ない方でしたが、攻めさんに少しずつ恋心を教えてもらって、きっとすごい美人さんになるんだろうなあと思います。その頃の、傍で色々ハラハラする攻めさんを読んでみたかったかな。
受けさんばっかり書いちゃいましたが、攻めさんは穏やか寄りで、受けさんのことを本当に大切に思っている良い方で、好きなタイプでした。受けさんに無邪気に色々物申されて「うっ」と盛り上がるものの、ぐぐっと我慢しないといけないからと、ぶつぶつ独り言を言うところが、これまた良し。
俄然、甥への愛情に目覚めた受け叔父との対決シーン(爆笑三者面談)もなかなか面白かったです。
受けさんは清らかですが「けっ」という感じにはならず、悲惨すぎる状況でもなくちょうどよい塩梅でした。攻めさんも善人で、お話のトーン全体として「清らか」と感じた一冊でした。バイト紹介しているセジュンが何だか面白そうなキャラだったので、この方でのお話、出てこないかなあ。