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koto no ajisai
「古都の紅」の続編。
続編のこちらは、前作の耽美性は薄れ、より現実の人間の狂気が起こす犯罪、という色合いが濃いように思えます。
そしてそこに幽霊が見える京介の特殊能力が加わって、という感じです。
また、京介と博雪の関係もますます深まっています。エロシーンはしっとりと、信頼は深く、冗談を言って笑い合うような明るさも。
ただ、今回の連続殺人事件の真相、動機などは幽霊と絡めすぎて?ちょっと整合性が…と感じました。実際今回は相棒先輩刑事の小橋さんが、年の功で培った聞き込みのテクニックで真相に迫るのです。小橋さんは今回もチクチク京介に嫌味?を言いつつ、でも博雪との事を応援してくれる感じになりましたね。
京介の博雪を守ってみせる、という男らしさと同時に嫉妬心や恐怖心も描かれとても人間らしく、一方博雪の方は凛として美しく肝の座った面と、京介に甘える可愛らしい面、同時に京介を包み込んで安心させる包容力が同居して、この2人の結びつきは抜群。
もっと続編があってもいいなぁ。
「古都の紅」の続編です。とはいえ、前作で大活躍?した紅丸と白丸は、鍵をかけた倉庫におり、大門の夢で少し登場するくらいです。
1冊丸ごと表題作です。前作同様、大門の目線がメインで進んでいきます。
短刀で殺される事件を捜査することになった大門。最初の現場で紫陽花の木の間にいるのを見つけた、女の幽霊をその次の現場でも見つけます。そんな中、博雪は物産展で長髪の少女と知り合います。女が苦手な博雪にしては珍しく親しげな様子に、大門は嫉妬をしてしまいます。そして次の被害者の現場には博雪の守り刀が落ちてあり、更に被害者に最後に会ったのが博雪であったことから疑いがかかり…。
大門は霊感がありますが、普段は見えるだけで話すことはないので捜査に目立って役立つ事はありません。しかし、博雪が逮捕されたことから、助けて欲しいと訴えたところ、紫陽花の女幽霊が犯人の家へと導いてくれます。ご都合主義かと思いきや、大門とコンビであるベテラン刑事の小橋が既にその事実を掴んでいて…と、霊感というオカルトに頼りすぎないのが良かったです。
前作の妖刀は鳴りを潜めておりますが、事件の捜査に、大門の霊感と、大門と博雪や小橋との関係が絡んでおり、読み応えのある作品です。
博雪が男前でカッコイイです。
大門が博雪の仕事場で身体を求めたとき、嫉妬をしたとき、それぞれの対応が大人だなぁと感心しました。ちょっと落ち着きがありすぎじゃないかとも思うのですが、読んでいて安心しました。
恋愛だけじゃない、どっしり安定した大人のカップルの話が読みたい方にお勧めです。
霊感体質の刑事の攻と、謎がある刀鍛冶の受というカプがナイス。なんとなく、割れ鍋に綴じ蓋という感じで、ベストパートナーになってるのがすてきかな。もっと、この二人の話を読みたかったな。レーベルが亡くなってしまうと、難しいんでしょうか。