耳を塞いで、あなたの声を聴く

mimi wo fusaide anata no koe wo kiku

耳を塞いで、あなたの声を聴く
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神10
  • 萌×25
  • 萌0
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
72
評価数
17
平均
4.4 / 5
神率
58.8%
著者
野原耳子 

作家さんの新作発表
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イラスト
枡目の助 
媒体
小説
サークル
雑談屋<サークル>
ジャンル
オリジナル
電子発売日
価格
ISBN

あらすじ

目が青い貿易商の次男坊(19歳)×顔に傷のある遊郭の下男(18歳)

志津夫(しづお)は、8歳の時に姉とともに遊郭・朱屋へと売られた。いつか自由になる日を信じて、遊郭で下働き兼用心棒として働く日々。
ある日、酔っ払いの介抱のため座敷へと入った志津夫は、突然、貿易商・世良商舩の若様である糸夜(いとや)に一晩の相手として選ばれる。閨の作法も知らぬと志津夫は怯えるが、実際には抱かれることもなく、ただ互いの耳を塞いだまま眠るだけだった。
交流を深めていくうちに、人前では凍り付いたように無表情な糸夜が、次第に志津夫の前では和らいだ表情を見せるようになる。
不器用で、だが途方もなく優しい糸夜へと志津夫は惹かれていくが、朱屋の楼主である親父様は、志津夫が自由になることを決して許そうとはしなかった。

遊郭を舞台とした、身分違いながらどうしようもなく惹かれていく二人のお話。

※暴力描写がありますのでご注意下さい。

表題作耳を塞いで、あなたの声を聴く

19才,貿易商,次男
18才,朱屋,雑夫

レビュー投稿数2

時代背景の重みは苦しいけど、その先にある光をぜひ最後まで見届けて欲しい

時代背景はおそらく明治後期か大正あたりかと。
遊郭で働く下男を見初めた貿易商の若旦那との、苦しくて切ない…涙・涙の恋のお話でございます。

いやーーーーー……この時代のリアルがめちゃしんどい…
BLどうこうより、時代背景がまずキッッッッッツイです((((;゚Д゚)))))))
最後は見事にハッピーエンドではありますが、そこに至るあれやこれや…また、下男の志津夫の生きてきた背景がグサグサ刺さります。貧しい家の子は器量良しだと遊郭にスカウトされちゃうのは知識としてありましたが、遊郭内のブラックな事情がこと細やかに描写されている物語の重さがズッシリと響きました。

野原耳子先生の物語のアプローチがすんごくて、つい最近西洋系のお話を読んだなと思っていたら、その次は異世界転生もので、その次は西アジア系のお話、そしてこの日本と…多岐に渡るストーリーの幅の広さがえげつない。そしてどのお話も深いから尚更すごい。
この作品も人物描写や背景描写が見どころとなっていて、物語に深入りさせてしまう引き込み方は一級品です。志津夫と姉が、ここ遊郭にきた理由も涙だけど、遊郭で過ごす日々にもまた涙……。明日の食べるものにも困る生活を強いられていた田舎での暮らしから遊郭へと2人でやってきた姉と弟の絆の深さにもまた涙でした。

そう。このお話はですね、BLがもちろん一番の見どころではありますが、遊郭に身を置く姐さんたちとの人情話とか志津夫と姉の姉弟愛とか、そういう部分でもストーリーを魅せてくれるんです。時代背景は苦しいけど、遊郭で共に働く者たちのと関わりは温かかったりするので、嫌なことばかりじゃないことが読み進める上での拠り所でした。
最も最悪で嫌な奴は遊郭を仕切る親父殿で、コイツは志津夫の目に深い傷を作った張本人。この狸親父は志津夫に異常な執着を見せます。とはいっても恋愛的にはではなく、過去の自分と志津夫を重ねて見ていて、志津夫が幸せになるのを許せない…といった意味での執着です。
この親父の志津夫への執着がこの物語のキーとなっており、志津夫が自由を手に入れるかどうか、糸夜との愛を貫けるかどうかにかに注目しながら、志津夫が最愛の人と結ばれてゆく激動の恋愛模様をぜひ最後まで見届けて欲しいと思います。

志津夫と姉が幸せになりゆく最後の最後は、感激で何も言えない素晴らしいエンディングでした。なので、途中しんどくても諦めずに読み切って欲しいです!!!
糸夜がこれまた素敵な男で、この男になら志津夫を任せられると誰もが思うはず。最高の余韻に浸って下さいね♪

0

時代物らしさ

初の野原作品。人気作はあれど、日常系や日本を舞台にしたものの方が親しみやすい読者なので、初めての作品は時代物の本作をピックアップしました。

遊廓もの。うーん、遊廓もの好きなので期待してたんですが、どうもメインカプに入り込めず苦戦しました。時代物を読んでみて作者の個性も見えたような気がします。

貧農出の姉弟、清子と志津夫。器量の良い姉は遊女として、弟はいつか姉の鎖となることを予言されながら共に遊廓「朱屋」へ自ら売られていく。二人の深い姉弟愛を土台に遊廓で雑夫兼用心棒として働く志津夫と、世良商舩の庶子で阿蘭陀人の血を引く糸夜との身分差愛が描かれています。

時代や歴史背景、遊郭に売られる子供たちが題材ということもあり、姉弟の境遇は艱難辛苦の極みです。覚悟して読んでいますので物語の背景はさておき、まず、なぜか受け攻めのヴィジュアルが全然イメージできなかったんですよね…。もちろん容貌の描写はあります。けれど人物の内面とリンクせずキャラが掴めない。セリフがしっくりこなかったのかな…。読んでいても絵が浮かばなくて、もっと苦しく切なくなりそうなシーンに違いないのに、胸に迫る感触がなくて…。エロはエロかったですが(そこかい)。

振り返ると、キャラの心の動きが身体的なリアクションと顔の表情ばかりで綴られているような気がするのです。目元の動き。口元の動き。ふにゃりと唇を緩ませるとか、唇をはくはくと上下させる、ぺたり、ぽつり、ニタニタなどなど擬音がたくさん出てきます。キャラの内面に入っていけないのはそのせいなのか。表情が豊かなのは素晴らしくても、顔芸だけでは限界があります。作者の現代ものは似つかわしい文章でとても自然でしたので、時代物には時代物に相応しい文体にガラッと変えられたらめっちゃ食いついたと思う。

糸夜が、学が無くまっすぐで無垢な志津夫を愛しいと思う気持ちもわかりますし、糸夜の兄も悪者じゃなくて本当によかったと心から思いました。春音姉さんの一件と絡めて迎える結末も涙を誘います。三人称ではなく受けか攻め一人称で読めたら、どちらかの生々しい心情に触れられたのかな?

お話はとてもよかったけれど、萌えとはちょっと距離があったかも。糸夜と志津夫がキャラとしても男性としても、生身の人間としての魅力がダイレクトに伝わりづらかったのが残念でした。

1

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