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nankoufuraku na kunshusama
斗貴は、SPの上、SDになるための養成学校に通うため、現在地も不明な島に連れてこられた。
全寮制のその学校は、SD……セキュリティドッグになるための、日本で唯一の学校だった。
セキュリティドッグは、SPよりも圧倒的に数が少なく、自分が盾になってでも要人を守らなければならない仕事であった。
そんな仕事であるがゆえに、当然、入学も厳しく、また卒業するのも難しく、毎年多くの生徒が途中の試験で振るい落とされていく。
そこに、割と余裕で入学した斗貴は、島に来るまでは男でも女でもヤりたい放題。
一夜限りの関係を楽しんでいた。ただし、男相手の場合でも斗貴はヤる側専門。ヤられるなんてもっての他!のはずだった。
ところが、島にいる魅力的な男は皆、斗貴に対して「ヤりたい」側の人種ばかり。
そこそこ力もある斗貴に手を出してくる人間こそいないものの、斗貴が口説いても危なく押し倒されかけること数回……。
そんな中、斗貴のクラスの担任である藤村に、試験監督にやってきた島の外の女に手を出した件で呼び出された斗貴。
藤村はまだ若い、謎の多い男で、十分に端正な顔をしているのだが、何分、「鬼教官」と恐れられている。
そんな藤村に、「だったら欲求不満を解消させろ!」と迫る斗貴だったが、逆に押し倒されてしまう。
それっきち藤村を押し倒すつもりで、藤村と度々関係を持つが、返り討ちに合うばかりで……
という話でした。
意地っ張りな斗貴と食えない教官のカップル。
意地っ張りだけど、実は斗貴にはそうなってしまうだけの過去があって、なかなか素直になれない。
そんなところまで含めて、茶化しているようでそれなりに真面目に包んでいる藤村教官の大人なところがまたいい雰囲気を作っています。
斗貴のノリは軽いままだし、教官は相変わらず食えないし、で甘々とは程遠いんですが、そういう二人して素直じゃないところまでも面白かったと思います。
どちらかというとケンカップル好きの方にオススメします。
SD(セキュリティ・ドッグ)シリーズの1作目ですね。
最初はあらすじで、絶海の孤島の全寮制養成所に鬼教官って、どんな無茶でキチクな展開が?と思っていたんですが、意外に真面目(?)であっさりした感じでした。
SD養成所の教官・藤村(攻)×訓練生・斗貴(受)。斗貴はバイで、男相手の場合は元攻です。私はこういう『攻同士』は苦手なんですが、それほど気になりませんでした。斗貴が『いかにも攻』じゃなかったからでしょうか。というよりも、キャラクターのイメージだけなら絶対受だろ、っていう感じでしたからね。強気・やんちゃな受は結構好きですし。
なんというか、設定やキャラクターそのものは、本来の私の好みとは少し違うものの、決して悪くはなかったんです。
藤村が、確かに傲慢な俺様なんですが(傲慢・俺様攻キライなんです)、それだけじゃないんですね。力技ではなく(まったくないとは言えませんが)、表には出さない・出せない(立場上?)思いがきちんとあって。
特に、余裕綽々に見えた藤村が、遭難した斗貴を思わずといった感じで抱きしめるシーンはもう・・・!
それぞれに過去を抱えた2人の心情や、惹かれ合って行く様子が自然でしたね。
しかし、養成所の医務室の医師・石原の弟(故人)と藤村の過去はともかく、石原がホントに藤村を、っていうのが私はちょっと意外でした(いえ、すごくありがちではあるんですが、だからこそ)。単に斗貴の勘違いで笑って流すところかと思ってたんですよ。
まあ、それがスピンオフへの布石だったのかもしれませんが(シリーズ次巻は、訓練生・名塚と石原のスピンオフです)。
設定のわりに、結構甘いストーリーです。