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migawari no ai no toriko
1冊丸ごと表題作です。松田(受け)目線で話は進みます。
演奏会でお互い一目惚れ。清嗣の身代わりとして行く二泊三日の京都旅行で、松田はリチャード(攻め)に抱かれてメロメロになります。リチャードの帰国を前に、最後に抱き合いたいとホテルへの移動中、人違いで誘拐されて…という話です。
元凶の清嗣も含めて良い人ばかりです。神龍社長や向山秘書が強引にことを進めるものも、松田にとっては良い方向にしか流れません。リチャードは最初から松田を特別扱いしていますし、いちゃいちゃラブラブが微笑ましいです。最初から実は両想い、受けのピンチに攻めが助けに来る、という王道ストーリーです。
あっという間に読み終えてしまいます。
男同士なのに…という迷いや葛藤のないBLの世界をさくっと楽しみたい時にオススメです。
これは…もはや絶滅危惧種に近い(?)大和撫子な大学生と、
金髪碧眼王子様のような大企業CEOの…
「恥を恐れない」ハーレクインロマンスな恋物語です(笑)
行き違いから…資産家御曹司の身代わりで、米国企業要人の接待をする由春君ですが…。
当の要人・リチャードと、身代わりのまま恋に落ちてしまいました。
出逢った次の日にはベッドインという、超特急展開で!
既に恋に落ちてしまった身で、ヤることヤッてしまった後で、
正体を告げるべきか否か? さあ、悩める恋の始まりです。
それにしても…義春君! 君は本当に、普通の男子大学生?
…というほどの乙女ぶり、いや大和撫子ぶりであります(笑)
加えて…強く頼まれると、断りきれない日本人ぶりといい!
(↑この性格が、そもそも行き違いの原因でした。)
引き受けたからには、責任を果たそうとする古風な面も有りでして…。
(↑これがまた、リチャードに付け込まれる隙を作っちゃったのよね。)
そして何といっても、恥を恐れる日本人気質!
(↑リチャードとの関係を説明するためにゃ、
ゲイをカミングアウトしないといけないんです。こりゃ大変だぁ~)
この性格でカミングアウトは、至難の業です。
当然、タイミングを逃しに逃して…
話がどんどんややこしくなってきました(まあ、気の毒~)
別に悪いコトしてるわけじゃないのにねぇ、さっさと言っちゃえば?
読者の皆様、ジリジリしながらそう思うのですがwww
いかんせん彼の中身は大和撫子ですから、そんなの無理です。
だから...最っ悪の形でバレてしまいました。
よくある話です、日本人気質には本当によくある…
だから読む側も、ちょっと同情して、心配までしてあげたくなったり☆
その点、リチャードのほうは典型的な欧米人気質で、
もう堂々と(少しは遠慮しろよ…)好意を隠そうとしません。
恋することは恥じゃない! と言わんばかりの正論(?)で、
愛しているといって憚りません。
ついでに…この王子様なセレブ氏は、恋人に決して恥をかかせません☆
(↑あぁ、こういうトコロが本物のセレブ体質なのね。)
かくして、私好みのハーレクインBLは大団円となりました。
さてベッドインした場面ですが…
セレブ氏は恥をかかせないと言いましたけど、ベッドだけは別でした。
言葉攻めで、思いっきり羞恥プレイです、この人達。
神龍清嗣の代理で出掛けたコンサートで、若きCEOリチャードに出会った由春。
リチャードは由春を「セイジ」だと思い、気に入って日本滞在中共に在ることを望む。
由春は神龍の家から「セイジ」として付き合ってくれるよう頼まれ、そうするのだが…。
とにかくリチャードが外人らしく熱烈にラブアピール。
というか、一緒に出掛けた夜にはもうコトに及んでいる始末。
しかも、この人、ジェントルマンかと思いきやなかなかの人ですよ。
ベッドでの指示はまるで言葉責めだし、ベッドの外でもスーツなのに下着付けるなとか。
ちょっとしたセクハラプレイのようでした(笑)
一方の由春。
リチャードの押されまくりで流されたのかどうなのか。
きっと惹かれる部分があったからだろうとは思うんだけども、こちらもかなりの早い段階でメロメロ。
ベッドの中では少し恥じらいながらもリチャードの指示に従っちゃうし。
けれど、自分が「セイジ」ではないことを黙っていることに罪悪感を覚えたり。
言わなきゃ言わなきゃ。
だけど言えなくて。
リチャードとの仲についても清嗣になかなか言えなかったりで(ゲイだとカミングアウトすることになるので)
結果的に、リチャードが無理矢理!っていうような誤解をさせてしまいオオゴトになっていくのですが。
そういう感じから言っても「日本男児!」という感じはなく、控えめな「大和撫子」って感じなんでしょうか。
私がこういう感じの本を今まで読んでなかったからかもしれませんが、受がベッドで「やん…」とか女子みたいなこと言ってるのも初めてだったかもー!
5万という値段に釣られて、大企業の社長息子である友人・神龍清嗣の代わりに行ったクラシック・コンサート会場で、隣に座った米国大企業の若きCEO・リチャード・カールソンに「セイジ」と勘違いされてしまった松田由春。
どうやらこのクラシックコンサートに清嗣は、仕事で遅れて来れない父親の代わりに、リチャードをもてなす為に来ることになっていたようだった。
どうにかその場を取り繕うために、「セイジ」と紹介されてしまった松田由春は、そのまま彼との神龍社長の会食の場に連れ出され、あれよあれよという間に、「セイジ」としてリチャードの京都観光に同行することになってしまう。
旧財閥お御曹司「セイジ(=由春)」の可憐な美しさと控えめな態度に心を奪われてしまったリチャードは、由春を側からかたときも話さず、京都に着いた夜に、ついに体を繋げてしまう。
もちろん、由春だって嫌ならば抵抗しただろうが、不思議とまったく「いや」という気持ちが湧かず、そのまま二人は、昼も夜も体を繋げる関係になる。
由春は情事に溺れ、リチャードへの想いが強まるほど、自分の正体を言い出せなくなってしまい……
という感じで。
ごくごく普通の大学生と企業トップのシンデレラ・ストーリーと書いてありますが……。
間違ってはないかなー……。
由春は、本当は自分はセイジじゃない、という秘密がありつつも。
それ以外は、いきなり体を繋がれた事に大しても嫌がる事は無いし。
「下着を付けるな」というリチャードの命令もそんなに嫌がる事なく、あっさり受け入れちゃうし。
なんていうか、「秘密」のことさえなければ、本当にただただラブラブいちゃいちゃ……。
そんでもって、秘密を知ったリチャードも「本当は知ってたよ」って……。
ほとんど何の波乱もなく、結局、ラブラブいちゃいちゃ。
たかだか三週間会えないだけで、最後の一旦の別れで由春はこの世の別れみたいにしくしく……。
あー……この二人本当にラブラブなんやなー……と。
おまけに、途中で由春が清嗣に身体中のキスマークを見られ、リチャードとの関係が知られたことがわかると。
清嗣は本気で由春のことを心配してくれて、「もう会わなくていい」とまで言ってくれちゃって。
神龍社長も慌ててすっ飛んで来るし。
本当の意味で、悪い人がいなくて、読んでてよかったです。
よくこういうパターンで、よく悪役になってしまう人がいる場合があるんですが、そうじゃないとこんなに読後感爽やかなんだなー……と。
まぁ、もうちょっと男にやられたんだよ! ショック受けなよ! とか由春には思わない事もないんですが……。
好きなんだからしょうがないよね……うん……。
嫌みのない話でとってもよかったです。