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人情味あふれる気持ちのいいお話でした。
過去から現代まできちんと練りこまれたストーリーでした。
主人公は小さな料理屋を営む世捨て人(受)です。過去のトラウマで人生に疲れてる。なにをするのも面倒くさい。
その料理屋に通うようになったのがホスト(攻)と、小学生。
ホストに「あんたの息子や」と、小学生を紹介される。
そこから、ご近所を巻き込んでの騒動が起きる。
無気力だった主人公も、無気力ではいられなくなり、いつしかそのホストと小学生のことが、生き甲斐のようになっていく。
ところどころ「んー…」と思う場面はありました。とくにセックスシーンが好きじゃなかった。攻めが過剰に喋るセックスってあまり好きじゃないもんで。
けどそれを凌駕するほどに、ストーリーが良かった!生き生きと動くキャラが良かった!
出会いによって変わってゆく主人公にホロリとした。
ちなみにこの小説は、後半でいろんな謎がとける仕組みになってるので、どっかでネタバレを目撃しちゃわないように気をつけてください。
疲れた男と、必死に生きて苛立ちを隠せない少年の初々しい恋物語……というやつかな?
一時期は小説家として一世を風靡して、栄光と挫折を一度に味わった誠は生きる気力もなく、ただ惰性で生きていた。
そんな誠の前に現れたひなびた小料理屋に不似合いな、容貌の整った青年と小学生くらいの少年の二人連れ。
しばらく二人は店に通ってきていたが、ある日突然、その少年を「あんたの息子や」と紹介される。
本当かどうかはわからないけれど、誠にはそれを問い詰めるような気力もなくて、そして、三人での少し変わった生活が始まる……
というような話でした。
なんというか、誠は本当に疲れ切ってはいたのだけれど、一途に自分を慕ってきてくれる小学生の新と、乱暴だけど優しい陸生に惹かれていって、徐々に生きる気力――というと、オーバーだけど、そういうものを取り戻していく……という話でした。
言葉の一つ一つが優しくて。
でも、与えられた現実は重たくて。
それでも、誰もそれを否定しない優しい小説だったように思いました。
本当にうれしい言葉って、実はシンプルな言葉なんですよね。
このお話はホストの攻と、小料理屋さんを営む受なんですが…。
お店、やってけてんでしょうか?
おにぎりしか出さないお店。魅力ではありますが、変なトコリアルに考えてしまう。
閑話休題。
無気力に生きている受に、いきなり高校時代の先輩との子どもとその叔父が現れる。
これもまた、ベタなお話なんだけど関西弁がふんわりしてていい感じでした。
静か(怠惰)だった生活に差し込んだ光みたいな感じで読み進み。
Hシーンは最後にドカーンって感じであって。
きちんとうまく丸く治めたわねって感じで。
お話として面白く読めました。
Hシーンはそんなに期待していなかったのですが、思ったより満足できて以外。
セリフで好きなのが「この形にしか、なったらあかんで?」です。
うわ~、こんな事言われたらうつ伏せになって足が空中パタパタです。
ショートはその後の二人。エスとエムで仲良きかな。
受にはもっと張りのある生活をして欲しかったので、また書き始めるかも…と含みをいれてくれて安心しました。