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renai kyoufushou
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
何かにつけて消極的な小説家の受け・静紀は、雑誌の対談がきっかけで<霊能力者>としてTVで有名になった攻めの一心を紹介されることとなる。
静紀は一心の事を胡散臭いと疑っていながらも簡単に会話のリードを取られて、成り行き上で彼が新たに監修するホラーハウスの原案を依頼される。
大雑把に言うと、俺様攻め×ヘタレ受けのカップルになるのかな…。
ホラーハウスのプロデュースも出来て結構マルチな才能を持っていそうな一心と、ホラー小説家としては売れっ子なのに、実は怖がりな性格を隠している静紀。
恋愛のほうは、口の上手い一心の思惑通りに話が進んでいくのが面白味に欠けていまいちもの足りない。
奥手な静紀が一心に振り回される様子とか、静紀を巡っての一心と大御所ベテラン作家とのいがみ合いももう少し楽しみたかったってのはある。
ただ、恋愛描写外の別の面でなるほどと感じた不思議な部分がいくつかあったかな。
静紀みたいに安易に人の言う事を信じすぎる人って怖い話も真に受けやすいんじゃないか? 実際はどうなんだろうね…とか。
一心のほうも<霊能力者>って肩書きの前に"なんちゃって" って言葉が付くのだが、彼の言う事は妙に説得力があるせいか、実力ある男のはったりは有限実行になっていくんだろうか?とも感じてしまったりと、ね。
話全体は上手くまとまっていて読みやすく、中でも静紀が作家として閃いてホラーハウスの原案を書き上げていく場面は興味深かった。
彼の書くホラー小説の裏設定にはハッピーエンドも用意されているらしいから、そういった安心があるならば読んでみたいかも(笑)。
静紀(26)は暗闇も幽霊も作り物のホラーハウスなんかも怖い、怖がり屋なのですが、自分がホラー小説家で男であることから、周囲には隠して過ごしています。
そんななか、新刊の宣伝を兼ねて、霊媒師の一心と対談をすることに。静紀のファンだという一心は、それを機に静紀を丸め込んで、ホラーハウスの原案を書かせることを了承させます。
そして身体への快楽と、己への安心感で、静紀の暗闇などの怖がりを克服させたのでした。
静紀の怖がりの理由が、本人はトラウマと言っていますが、要は子供の頃に夜一人で留守番させられていたというもので、重くシリアスな理由があるわけではありません。
静紀が本当に怖がっていたのは、「傍から人がいなくなる」ということ。最初からいない方がましだと怖がりなのに一人暮らしをしているんですね。
楽しく読める作品です。
ところで、一心が先読みできるのは何故だったのかな?(理由未載)
攻めが霊媒師ですが、霊を祓ったりお化けやホラーが出てくる話ではないです。
霊媒師・郷田一心(35)×売れっ子ホラー作家・市井静紀(25)
怖がりなのに、売れっ子のホラー作家。
その意外性が気になって読んでみたのですが、ホラーを創作する工夫に感心しました。
確かに、そうすれば怖くなくなるなと、一番そのことが読後に残っています。
霊媒師という職業だけあって、攻めの郷田は、かなり胡散臭いです。
言葉で煙に巻くぐらい口は立つし、市井を獲物と定めた時からの行動もはやいし、手も早い。
天然でガードが弱い市井が、郷田に振りまわされている姿が可愛かったです。