みざき
public school
前作で大好きなキャラクターだったメンベラーズ。
卒業してしまい、本編に登場はするもののリーストンに居ないのがなんだか寂しかったので、彼視点のお話が読めるのがとても嬉しい。
まるっとメンベラーズ視点ですので、彼がお好きな方にはぜひ入手して頂きたい…
舞台は本編終了後、イースター休暇を迎えたメンベラーズが桂人を誘ってデートをするお話。
スタンがメニューイン国際コンクールに出場する事になり、会場や音楽院・ヴァイオリン教師の家にも近いからと、それまでの間を高級ホテルの最上階にあるペントハウスを借り切って連泊するという物凄いお金の使い方をする双子に驚きつつ、そこに桂人を誘い独占している事にちょっぴり嫉妬が見られるメンベラーズの姿が新鮮でした。
ホテルの近くにある公園で待ち合わせをして、緑の中をのんびりと歩きながら、持ち寄ったコーヒーとサンドイッチでピクニックをしようと笑い合う2人が微笑ましいのです。
この2人の間に流れる穏やかな空気が本当に好き。
読んでいてとても相性の良い2人ですよね。
時には裏で手回しをしたりしながらも、いつも遠くから双子と桂人の行く末を見守っている印象があるメンベラーズ。
なんだかんだ言いつつ、双子にとっては歳の近い良いお兄さんなのですよね。
けれど、桂人とメンベラーズの関係性は少し違っているような気がして。
彼にとって、この世界で一番美しくて、一番可愛がりたい男の子・桂人。
どちらかというと親愛や慈愛に近い感情を持っているだけなのかと思っていたのですが、このショートストーリーを読むと、もしかしたらそうじゃなかったのかもなんて。
「僕は本当にきみのそばにいたいんだよ」
「桂人には自分のような、もっといつもそばにいて甘やかしてくれる普通の男のほうがいいんじゃないか」
この、叶えるつもりのない淡い恋心のような心の声が切ない…
本編のスタンの一件で、桂人とスタンが別れてしまっていたのを知っていたのに、相談にも乗らず、手助けすらしなかった事について謝りたくて呼び出したと言うメンベラーズに「謝らなくても良いけれど、もしお詫びをしたいと言うなら、そろそろケイトと名前で読んで欲しい」と、可愛いお願いをする桂人が本当に可愛い。
これはそばにいて甘やかしたくなっちゃいますよね。
それなら自分の事もと、「ケイト」「ニール」と笑いながら互いを呼び合うのが甘くて微笑ましいです。
「僕は一生きみを大事にするよ、ケイト」
「スタンがそばにいられないとき、きみを甘やかしてあげる」
と、誰にも教えない秘密を心の中でそっと誓うメンベラーズなのでした。
彼は本当にどんな時でも桂人の味方で居てくれる、そんな気がします。
その想いもきっと愛なのでしょう。
ちょっぴりほろ苦く、切なくも甘く優しいお話でした。
メンベラーズで1冊読みたい…と思ったのは私だけではないはず。
なんとメンベラーズ視点のSSでした!本編では攻めも受けもちょっとイラっとしてしまったのですが、このSSでは桂人の奥ゆかしい思慮深いところ、可愛いところが分かりやすくて、「うーんメンベラーズにしとけば良かったんじゃないの?」と萌え萌えしました。
以下好きだったところ
メンベラーズの「桂人可愛がりたい病」がモノローグ形式で語られているのが良いです!「この世界で一番可愛がりたい相手」やら「スタンがいられないとき、そばにいて、甘やかしてあげる」だの、あー甘いっ甘いよっメンベラーズ。
とは言えそんな心境がスタンにばれたら、スタン怒るだろうし、心の中にしまっておくのが、これまたメンベラーズらしい。前作より、良い人風情が増しているように思い、今度はメンベラーズのお話を読みたいわ!と思うSSでした。
読もうかと思っている方は、これが付いているうちにご購入なさった方が良いと思います!
本品は『パブリックスクール―ツバメと監督生たち―』のフェア書店
特典ペーパーです。
本編後、メンべラーズ視点での桂人とデートするお話になります。
リーストンのイースター休暇は長く3週間近くあります。しかしながら
メンベラーズのお気に入りの後輩・桂人は最終学年で、休み明けから
進路を決める為の自雄大な試験が始まるのでゆっくりしている暇は有り
ません。
その上、桂人の最愛の恋人であるスタンが4月から始まるメニューイン
国際コンクールに出場する事もあり、メンベラーズは休暇が始まって
すぐに、桂人のスケジュールを押さえてデートに誘いました。
街は店頭のデコレーションも品揃えもイースター一色です。それらを
横目にメンベラーズが待ち合わせをしたのはロンドン中心部の公園ハイ
ドパークの入り口です。
ゲート近くで待っていると約束の時間1分前に桂人は「ゴメンナサイ、
遅れました」と小走りでやってきて、メンベラーズは思わず微笑みます。
桂人はそう思っていなくてもメンベラーズにとっては2人きりで過ごす
デートなのですから。
桂人は今、ストーク家の双子に誘われてハイドパーク側の高級ホテルに
宿泊中です。最上階のペントハウスを借り切り、スタンはそこから近隣
の講師の元にレッスンに行き、アルバートは猛勉強中ですが、メンベラ
ーズにすれば双子は休暇の度に桂人を独占し拉致されていて面白くあり
ません。
晴れやがで天気の良いパークはピクニック日和で、桂人はホテルから
コーヒーを、メンベラーズはスーパーでサンドイッチを持参していて、
手頃な場所を探しながら歩き始め・・・
B5版片面(書店により型違い有)にて5段組というボリューミィな番外
編は本編裏事情を絡めた後日談になります♪
サーペンタイン・レイク近くのベンチに落ち着きます。メンベラーズ
が桂人を呼出したのはメンベラーズの画策によって桂人が恋人を失う
事になっても、助言も手助けもしなかった事を謝りたいと思ったから
でした。
アルバートからスタンにヴァイオリンを再開させたいと相談され、
オープンモーニングでスタンにヴァイオリンを弾かせましたが、メン
ベラーズは桂人ならうまくやれると思う反面、スタンがヴァイオリン
を再開したら2人が別れるとだろう、復縁は五分五分だろうとも思って
もいたのです。
しかし桂人はそんなメンベラーズの真意も察していて、スタンがいい
のだと笑って言うのです。そしてお詫びをしたいなら「そろそろケイ
トと呼んで欲しい」なんてことを言うのですよ♪
メンベラーズが眩暈を覚えながらも「僕のこともニールって呼んで」
と笑って返し、桂人を傷つけた代わりに一生大事にするよと胸に誓う
・・・というほのぼのとした小話でしたが、先が見えすぎるくらい見える
メンベラーズにとってはちょっと切ないお話でした。
桂人を見込んで双子の傍に置いたのはメンベラーズなのですが、策士
にも色々と思うところは有るようで面白く読ませて頂きました♪
小説誌「小説Chara vol.42」に掲載されているスタン視点の後日譚と
同時間軸展開なので、合わせて読まれると更に美味しいです。スタン
のモヤモヤをメンベラースが的確に突いてるのが見えてさらに萌え増し
ですよ♡ (^m^)
何を考えているかが分からないメンベラーズ視点のお話で新鮮でした。
彼が桂人の事をどう思っていたかもが知れて、とても興味深かったです。
本編では何も言っていませんでしたが、桂人の様子を見てスタンと別れた事を知っていたんですね。
でもスタンよりはもっと普通の相手が似合うだろうと、助けなかったようです。
例えば自分の様なと思っててびっくりしました。メンベラーズが普通?全くもって納得出来ません。メンベラーズは普通の訳ないです。
小説Chara42号の番外編も読んでいるので、スタンの方がよっぽど年相応で可愛いと思いました。w
でも桂人の味方でずっといてくれるのは頼もしいです。
メンベラーズとても好きなキャラです、BL的な萌えではないですが。他人の世話を焼きながらもそれぞれが悩んでるのを楽しんでる節がありますが桂人にだけは別です。今回はその桂人との公園デートなのでいつもの不穏さは控えめ、ひたすら後輩を可愛がる先輩に徹しています。
それでいてさりげなく自分の在籍校に進路変更を勧めたり、桂人とスタンの居るホテルの近くの公園を選んで押しかけるつもりだったりと抜かりないなと思う場面も。メインカップルが大変な状況の時を俯瞰で見るとこういう感じなのだなというのもわかり、本編を補完する内容です。