つがいは目隠し竜に堕ちる

tsugai wa mekakushiryu ni ochiru

つがいは目隠し竜に堕ちる
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神13
  • 萌×215
  • 萌10
  • 中立5
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
8
得点
160
評価数
49
平均
3.5 / 5
神率
26.5%
著者
宮緒葵 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
電子発売日
価格
¥690(税抜)  
ISBN
9784778129354

あらすじ

不幸続きの人生のため〈疫病神〉と呼ばれ忌み嫌われていた高校生の光希は、ある朝電車に撥ねられ、気づくと緋と藍の瞳の美しい男に犯されていた。光希を「我がつがい」と愛しげに呼ぶ男はラゴルト王国の大魔術師にして竜人のラヴィアダリス。彼のつがいでありながら違う世界に生まれたことが光希の不幸の原因だった。竜人はつがいなしでは生きられない。冷たくしても罵ってもラヴィアダリスは嬉しげに纏わりついてきて、あまつさえ光希が恐れた双眸を抉り差し出すが――。

表題作つがいは目隠し竜に堕ちる

光希をつがいと呼ぶ竜人の大魔術師
周りを不幸にすると言われる高校2年生

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数8

続編が出たら嬉しい

みずかねりょう さんの表紙が凄く綺麗。
電子版にないので、紙本の帯文をチェック、
「そなたに愛されたい ほんの少しでいい 竜人はつがい無しでは生きられない
----それでも愛は与えない」

前半の光希は、イケズの塊。
目隠し竜・・とは、イケズな光希の魔力暴走を止める為に攻の竜人が両目の瞳をくりぬくから。

あとがきに 
>この作品は、以前にブログに公開していたSSをきちんと仕上げたもの、
>当時のブログ版では攻めが受に虐げられまくって、救いようないくらい。でも攻めはそれでも幸せ。
・・とあって、削除済みの今頃読んで知ったので残念。
この作品は、光希が途中で自分が一番つらいわけではなかった事に気づいて、改心
そして相愛激甘のカップルになって、闇の無い結末に収まってます。

電子版のSS「ある王女の結末」は、グリム童話風の怖い結末。
横恋慕するから、意趣返しされて墓穴を掘った王女。

光希の修行が終わって、ひょっとしたら子供を産むような未来の話も出ていたので、
続編がもし出たら、わたしは絶対に読む。

2

超絶不運な男が異世界召喚される


天涯孤独な青年が異世界召喚され溺愛される話。


「やっと死ねる」
迫りくる列車に、常に不運に見舞われ生きる気力をなくしていた光希(受け)が安堵したその時、「やっと見つけた」と声がして、気が付いたときには豪奢なベッドの上で人間離れした美貌の男に組み敷かれていました。
黄金竜の子孫だという竜人ラヴィアダリス(攻め)は光希が自分のつがいであり、今までずっと不幸に見舞われてきたのは光希のいた世界が本来光希がいる世界ではなかったからだというのです。
いきなり異世界に召喚されたことや強姦されたこと、今までの不幸な理由が召喚が誕生と共にできなかったことが原因だったなどたくさんの情報に混乱した光希はラヴィアダリスを受け入れることができません。
どんなにつれなくしてもそばを離れようとしないラヴィアダリスにうんざりしていると、ラヴィアダリスの仲間の竜人たちとそのつがいが訪ねてきて、その価値観の違いに愕然とするのです。


光希は生まれてすぐ両親と事故にあい自分だけが生き残ります。
その後叔父一家、祖父母と光希を引き取った人は光希を残して死んでしまいます。
施設に入った後も毎日のように事故や事件に巻き込まれ疫病神として忌み嫌われていました。
自分が生きている意味を見出せず死にたいとおもうようになっていた光希は巻き込まれた事故を喜ぶのでした。
だから、死ぬ寸前ラヴィアダリスに助けられても全くうれしくなく、やっと楽になれると思ったのにと反感を覚えてしまうのです。

つがいと常に一緒にいたい愛したい、見つめられるだけ声をかけられるだけで幸せなラヴィアダリスについていけない光希でしたが、自分と同じ立場のつがいたちもラヴィアダリスと同じ考えで、相いれないと孤独に感じていたある日、光希の召喚が遅れた理由となった王子と対面する機会が訪れます。
王宮での謁見の間で見たのは、強力な力を持つ大魔術師たちの機嫌を取り光希の留飲を下げるため、原因となった王子を罵り如何に残酷に殺すかという話しかしない醜い王以下貴族たちでした。復讐など望んでいないのに要求され、王子に石を投げる貴族たちの胸糞悪い状況に光希はまたしても自分さえ生まれなければと自身の死を望むのでした。

ラヴィアダリスたち竜人は王国を他国から守護する代わりに異世界に生まれたつがいを召喚することを盟約としていました。
今回それが死に瀕した王子のために破られます。
その原因となった王子は蔑まれ、いずれラヴィアダリスと光希の気が済むように罰するために生かされてきました。
王子の受けている仕打ちはまさに以前の光希と同じであり、この世界にきてから初めて共感できる相手を見つけるのです。


常にウエルカムなラヴィアダリスに対し、光希がなかなか自分の状況を受け入れられず逃げようとするため二人はなかなかつがいとして縁を結べません。
光希は自分を憐れむばかりで自分の意見を言わないし、他の大魔術師たちやつがいたちはつがいがいない間のラヴィアダリスの嘆きの激しさを知っているためラヴィアダリスのことしか考えていない、王国は大魔術師たちのご機嫌取りのために自身の子供たちを犠牲にするのを躊躇しないし、と自分たちのことばかりなためなかなかかみ合いません。
自分と状況の似ている王子や王子第一の王子の騎士の奇譚ない意見によりやっとラヴィアダリスのことも思いやれるようになるのです。

初めは他のつがいたちに対しても敵意をあらわにし、ラヴィアダリスに育てられなくてよかったとのたまっていた光希が最終的にはラヴィアダリスに育てられていたらどんなだっただろうと言い出すのですからわからないものです。


光希がラヴィアダリスを受け入れ、前向きになったところで終わっていたのですが、大魔術師たちに依存し堕落してしまった王国のこれからが気になります。
衰退するであろう王国や狙われ続けるであろう光希とそれを守るラヴィアダリス以下大魔術師たちの攻防や二人の子供などもっと読んでみたいと思いました。

どちらかというと二人がいいならそれでいいけどハッピーエンドって言っていいのかという終わり方が多いお話を書かれる方ですが、今作はとても珍しい明るいちゃんとハッピーエンドだと思える話でした。
これからもきっと楽しく幸せに生きていくだろうと楽しみな終わり方は読了後も気持ちよかったです。

1

執着は序盤で通り越した


同著者の「泥舟」が好きな方はめちゃくちゃ好きだと思います。
もう執着通り越してヤンデレ。

現世から竜人の住む異世界へ召喚された受け。
「つがい」とありますが、バース性はありません。
なので発情期もありません。
”対になるもの”、”唯一の存在”という解釈で大丈夫です。
オメガバースに飽きた私には、ちょうど良かったです。

最初から受けがめっっちゃ攻めのこと嫌いで、攻めは受け至上主義。
現世でとても酷い扱いを受けてきて、初めてワガママを言えるようになった受け。
絶賛、反抗期です。
ただ、のちに反抗できるのはそれでも好きでいてくれる人がいるからなのだとちゃんと気づけます。

攻めといえば最強なのに女王様のようなワガママを嬉しそうに聞きながら、受け以外は興味一切なし!
罵られてもシカトされてもニコニコ。
視界に入るだけでも幸せを感じる…。
甘い!甘すぎる!けれどそれがいい!!

また、口を開けば狂ったように「我がつがい我がつがい」と連呼。
他の人の目に触れさせたくないと独占欲全開!!
何の躊躇いもなくアレを差し出すし、受けが望むのなら同胞の竜たちをも殺すと平気で言ってのけます。

この世界が嫌になって逃げ出すところも最高〜!

やっと受け入れられて触ることが許され、触れた時の「はわわわ〜!」となる攻めが毎日
可愛すぎて可愛いすぎて…。

最後はもう目も当てられないくらい甘々(笑)
受けの性格が180℃変わってしまうので、もしかしたら戸惑う方もいるかもしれません…。

とはいえ、さすが宮緒先生。
フルスロットルの気持ち悪い攻め、執着大爆発で他の作品の引けを取らない最高の一冊でした。

1

激甘注意の異世界トリップファンタジー

甘い甘い♡極甘な異世界トリップファンタジーです。
攻めの溺愛振りが史上最高だと思います。
これほどまでに無償の愛を感じる攻めを見たことがない!!


「疫病神」と呼ばれ忌み嫌われている光希は、ある日事故に巻き込まれ電車に撥ねられます。
そして、光希が目を覚ますと、緋と藍の瞳をもつ美しい男に犯されていてーー…!

光希が飛ばされたのは、竜人が国を庇護するラゴルト王国。
五百年前、当時の国王は竜神たちの庇護を受けるのと引き換えに、彼らのつがいを異世界より召喚すると約束した。
しかし、十七年前、〝魔無し〟として早晩死ぬ運命だった第一王子・フロリアンを救うため、王妃は召喚の儀に欠かせない宝玉の魔力を使い果たしてしまいました。
そのせいで召喚されなかった〝つがい〟が光希で、その相手は大魔術師にして竜神のラヴィアダリスです。
時が経ち、ようやくラヴィアダリスは光希をみつけ、ラゴルト王国に連れてきた……というわけです。

「我がつがい」と言い、光希を溺愛するラヴィアダリスを受け入れられない光希は、反発を繰り返します。
〝許しがない限り絶対触れない、近付かない、視界に入らない〟という光希の言いつけを守るラヴィアダリスは、自分の双眸を抉って光希に差し出すのです!(怖い)

ラヴィアダリスが本当に本当に本っっ当に一途で、まさに狂気を感じるほど……
光希をめちゃくちゃに愛しまくり、見えないとなれば国を破壊する勢いで探し回ります。
もう、とにかく凄いんですよ、愛が深すぎる。
あまりの大きな愛の前に、ひれ伏したくなりました^^;

そして、反発していた光希がラヴィアダリスの過去を知り、思いを知り、愛を知り、受け入れていく過程が丁寧に描かれている所がとても良いんです。
光希が簡単に愛を甘受せず反発し、ゼロから育んでいく愛だったからこそ意味があったと思います。
 
後半、光希と仲良くなったフロリアンが誘拐されたり、その影に意外な人物の裏切りがあったり……と、飽きさせないストーリー運びが秀逸でした。
ラストは、初めからは信じられないほどのラブラブぶりに、こっちまで赤面です(//∇//)
この二人、出会ったことでお互いを成長させ、共通の運命を持つソウルメイトだったんだろうなと思います。

ここまでの愛を見せつけられたら、もう受け入れるしかない!
多少引っかかるところがあろうとも、力技で納得させられた砂糖より甘い作品でした♡

10

ただ1人のために生きる

今回は白の大魔術師である竜人と不幸に見舞われ続ける高校生のお話です。

突然異世界に召喚された受様が攻様との絆を受け入れてつがいとなるまで。

受様は児童養護施設で暮らす高校2年生です。産まれてすぐに両親と乗っ
た車が事故にあい両親は即死、その後受様を引き取った叔父一家は火事に
見舞われ、重度の火傷を負った受様以外は全員が死去、次に引き取った
祖父母は強盗に入られて殺されてしまいます。

その後は誰も受様を引き取る者がおらず施設に入りますが、受様は毎日の
ようにクシデントや事故や事件に巻き込まれ続け、小柄な体は生傷が堪え
ません。

あと1年半ほどで施設を出る事になりますが、受様は果たして自分が生き
ていられるかもわからず、進学か就職かも考えられません。どこにも居場
所がない受様はいっそ一思いに死んでしまえたらとさえ思います。

鬱々と最寄り駅に着いた受様でしたが、乗り入れ路線で新々事故があり、
いつも以上にホームは混んでいました。そんな中で会社員に噛みついてい
た茶髪の若者が殴り掛かったあおりで受様は線路に投げ出されたのです!!

入ってくる電車の運転手の顔や若い男や会社員の姿が不思議なほどはっき
りと見え、「やっと死ねる」と深い闇に飲み込まかけた受様でしたが、
不思議な甘い声に引き留められ、長くたくましい腕に包み込まれます。

ここはそなたのいるべき場所ではない。
・・・ともに行こう。私達だけの世界へ。

押し寄せる眠気に勝てず受様は腕の中で瞼を閉じますが、目覚めると人間
離れした美貌の男に組み敷かれていたのです。豪華な金髪と褐色の肌、緋
色と藍色の色違いの相貌を持つこの男こそが今回攻様になります♪

攻様は全ての傷を癒した、もう誰にも傷つけさせたりしないと言います。
確かに常に痛みを抱えていた身体のどこにも痛みを感じませんが、自分が
どこにいるのかもわかりません。

その上、攻様は受様の零れ落ちた涙を舐めとったばかりか、大きな掌を
受様の股間に這わせ、区たりと力が抜けた瞬間に脚の開いた間に入りこみ
受様を追い立て、受様を蹂躙し始めたのです。

そして受様を「私だけのつがい」と呼び、「愛している」と囁きながら、
受様自身さえ知らない最奥までも汚しながら名を問いかけてきます。甘い
攻め苦に苛まれながらも攻様を拒み続けます。

目覚めた受様はここは受様が生まれそだった世界ではなく、攻様達竜人が
守護する王国で、受様は大魔術師である攻様の唯一無二のつがいだと言う
のです。

果たして受様は本当に攻様の"つがい"なのか!?
そして異世界トリップした受様の未来とは!?

生れた時から数々の不幸に見舞われてきた受様が、攻様の番として異世界
に召喚される事で始まる異世界トリップファンタジーで、宮緒先生のお得
意の受様に愛情過多な執着攻と、異常な執着を見せる攻様を嫌がりながら
も絆されてしまう健気受の恋物語になります♪

宮緒さんのお話はけっこうな高確率で受様が辛い目に合います。本作も初
っ端から攻様に手籠めにされていたので、けっこうドキドキで読み始めま
した。

受様は元々攻様のつがいとして、攻様の世界に召喚されるべき人物だった
のですが、召喚の儀式に必要な魔力を王妃に奪われて儀式が行われず、
受様は生まれた世界から異分子とされたために、命の危険にさらされ続け
ていたのです。

それを知らされた受様は攻様の"つがい"である事を認めようとせず、攻様
はまた受様が失われる事を恐れて、受様に拒絶されても尽くし倒しすので
すが、受様は頑なに攻様を拒み続けるのです。

受様が攻様と出会う前までが既に不幸のオンパレードなのですが、攻様に
囲われてからは(攻様にガツガツ貪られるのは別腹として)どこに行くにも
何をするにも攻様の加護と保護で穏やかで平和な日々となっていき、甘々
展開に雪崩れそうかと思いきやまさかの暗転で、ハラハラしながら楽しく
読ませて頂きました (^・^)/

攻様と同じ竜人である赤と緑と黒の大魔導士達、彼らのつがい達、そして
受様の召還を邪魔する事となった王妃が産んだ魔力のない王子とその近衛、
竜人とつがいの関係、王国と龍人との契約、竜人の守護国と他国との力
関係等、ドキドキポイントが盛り沢山です。

今回の攻様は人でないために感覚がズレてはいますが、一応"待て"ができ
て変態度は低いので見た目と合わせてかなりなスパダリさんなのですが、
受様の迷惑を顧みずに構い倒してる様は正に主人に尽くし倒すワンコ!!
いかにも宮緒先生らしいワンコ攻という意味でも萌えさせて頂きました。

4

美しい狂気

宮緒先生だしみずかね先生なのでマストバイ。安定の執着攻めですが、変態属性は感じず、狂気入ってるかも?と思う甘めなお話です。受けは今一つ?でしたが攻めが健気と思ったので萌にしました。美しい攻めがひたすら美しい受けに恋焦がれていると感じたお話、本編250P弱+あとがき。

生まれたばかりの時に交通事故で両親を亡くして以来、ありとあらゆる災難に見舞われながらなんとか生き延びてきた光希(ただし周囲の人間は命をおとしたり怪我したり)。不吉と忌み嫌われ児童養護施設から高校へ通っていましたが、ある朝、ホームでアクシデントにより電車の前に落っこちます。死んだと思ったのに気付いたら、凄艶な美貌の金髪ロン毛に抱かれていて・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
フロレアン(魔無しのラゴルト国王子)、パトリック(フロレアンの従者)、大魔術師3名(黒の、赤の、緑の)+その各つがい、マンフレート(ラゴルト国王)、バルトロメオ(隣国大公)ぐらいかな。黒の大魔術師が色々収拾してて苦労人・・・

++ より内容に触れる感想

受けのこれまでの人生はかなり悲惨。異物を排除しようという世界の動きと、なんとか守ろうと働く力の拮抗だったんですかね・・巻き込まれてお亡くなりになった方々には本当に言葉もないです。そんなことを経験してきたもんだから、いきなり異世界に戻って、ほれつがいだ、ほれ守られてぬくぬくしてろと言われてもねえ・・・と、反発しまくる受けには本当に同情しかなかったです。つんつん強烈塩対応でいいと思う。

召喚しそこねて17年、狂気一歩手前でなんとか踏みとどまり、必死に待ち続けた攻めについては「なんてこいつ健気なんだ!」という気持ちと「実は狂ってるんじゃね?」という気持ちが半々。もっと神性高いのかと思ってたら、単に力があるだけで、つがいがいないとまともに生きていけないんじゃん・・・という方でした。

だから後半、受けが全てを受け止めて攻めに直接触れ、自ら口づけをし・・というところでの攻めの狂喜乱舞の様子。目に浮かぶような喜びよう。変態属性をあまり感じないので、涙を誘う健気さだと思いました。

私の思う萌えポイントは・・・「攻めの狂気迫る健気さ」かな。ちょっとだけスプラッタ的箇所もあるので、血が全くだめという方はご注意くださいませ。

3

竜人はM

実に宮緒先生らしい攻めだと思って読みました。
それにしても大魔術師にして竜人のラヴィアダリスって情報量が多くて凄かったです。白の大魔術師とか白のとか呼び名があって光希でなくても混乱してしまうかもと思ってしまいました。www

光希はとても不幸で理不尽な目に遭って来た可哀想な子なんです。
でも番として召喚された事に納得していなかったとはいえ、終盤までラヴィアダリスの事をお前って呼んだりしてとにかく態度も悪いんです。だから読んでて全然共感出来なくて、最悪な印象しか有りませんでした。
こんな受けのどこが良いのだと何度思ったことか!
でもラヴィアダリスは光希にどんな態度を取られても、許して自分が悪いと謝り続けるのでM過ぎて変態が入ってると思うほどでした。

光希は自分の不幸ばかりで周りの声に耳を貸さないで考える事をしませんでした。
光希が変わり始めたのは、魔(力)なしであると蔑まれていた王子のフロリアンと出会ってからです。

フロリアンと自分を重ねて光希は自分が何をしたいのか?するべきなのか?を深く考えるようになります。

そしてフロリアンと一緒に拐われた事によって、ラヴィアダリスを大切に思っている自分に気がつくのでした。

竜人が一貫しているのは、番が1番大事であって番以外には全くと言っていいほど興味がないんです。番以外はどうなってもいいし関係ないって徹底しています。その辺りが宮緒作品だと思いました。

途中から急激に番だと態度が変わった光希に違和感を感じてしまったのと、辛い思いをして来たはずなのに周りを慮る事無く攻撃して噛み付きまくってた態度が嫌いだったので神にはなりませんでした。

0

私の思う『恋』とちょっと違う

いや、そもそも宮尾さんの書く『恋』はタイトルみたいな感じなんですけれどもね。
普段はそれが面白くてガンガン読み進められるのですけれども、今回のお話はいつもの『グイグイ感』が来なくてですね、1冊読むのに一週間以上かかってしまいました。

「何でなのかなー?」と読みながらずーっと考えていたんです。
あらすじとかが面白くない訳じゃないんですよ。宮尾さんのストーリーテラーぶりは相変わらずご健全で、今回の『こことは違う世界』も破綻なく楽しめたんですよね。

物語の中での事件が解決して、大団円エッチ(BL物語のラストの方にあるアレです)の処を読んでいる時に「ひょっとして……」って思ったのは「この話、恋人同士って言うより親と子の関係に近いんじゃないか?」ということ。
光希がずっとラヴィアダリスを拒み続けるのも、保護された被虐待児が自分をどれだけ愛してくれるのかを測る『試し行動』みたいだし、ラヴィアダリスの光希をとことん守ろうとする姿勢も、変態というよりは幼子を抱える母みたいに感じちゃうんですよ。
その辺が私にはどうもしっくりこない理由なんじゃなかろうかと。

溺愛甘やかし攻め×ツンツンデレがお好きな方にはど真ん中だと思います。

6

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