この口唇で、もう一度

konokuchibru de mouichido

この口唇で、もう一度
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×210
  • 萌6
  • 中立2
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
7
得点
85
評価数
25
平均
3.6 / 5
神率
20%
著者
うえだ真由 

作家さんの新作発表
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イラスト
やしきゆかり 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥552(税抜)  
ISBN
9784344807419

あらすじ

大手広告代理店勤務の椎名圭祐は、女性からも人気な、“独身貴族”。
そんな圭祐の家に、家族全員を火事で失った17歳の瑞が居候することに。
最初は迷惑に思っていた圭祐も明るく堅実な瑞との生活を楽しみ始め、やがて惹かれ合う。
しかし瑞は圭祐の告白を拒絶。
その瞳は圭祐への想いに溢れているのになぜ…!?切なく甘い恋の行方は―。

表題作この口唇で、もう一度

気楽なバツイチ独身貴族
薄倖の少年,17歳

その他の収録作品

  • あとがき(&後日談SS)

レビュー投稿数7

究極の不幸受。

瑞(受)の背負うものが、あまりにも悲惨で、『健気』という言葉だけでは括れないほどでした。でも好きなんです。

うえださんは、可哀想な受を書かせたら天下一品だと思うんですよ。『可哀想な受が好き』と自ら言われるだけのことはありますね。しかも、ただ『可哀想』『悲惨な目に遭う』というのなら珍しくもないですが、読む側に必要以上に嫌悪感を抱かせないあたりがすごいと思うんです。

私は『痛い話(私の思うところの、ですよ)』は絶対ダメで、いわゆる『痛い系』と評される作家さんにはそもそも手を出せないでいます。私がBLを読む上で、絶対に外せない条件は『ハッピーエンド』です。言い換えれば、『ハッピーエンド』でさえあればそこに至る過程での多少の痛さ(多少!多少ですよ、あくまでも)・切なさ(こっちはてんこ盛りでもOKです)は、ストーリーを彩るスパイスとして美味しくいただけます。だからって、余りにも『痛すぎる』『酷すぎる』シーンや描写は勘弁してほしいんですけど。

最初はあからさまに迷惑がっていた圭祐(攻)が、次第に瑞に惹かれて行くと同時に、生き方そのものまで変化していく様子がベタと思いつつも引き込まれました。

よかったです。

6

薄幸健気受

健気受スキーに加えて、薄幸という萌え設定まで付いてきたのでこれはもう萌えポイントつかれまくりです。

妹と両親との四人家族、けれど火事で瑞〔受〕を残して家族全員が亡くなってしまい残ったのは借金だけ。
親戚筋にも借金をしたまま亡くなってしまった為に、誰も瑞を引き取らず、遠縁で比較的裕福な椎名家へと身を寄せる事になります。
しかし椎名家にはもうすぐ結婚して家を出る年頃の娘が居るという事で、家から独立して一人暮らしをしている圭祐〔攻〕の元に、妹が結婚するまでという期間限定で瑞を預かる事になります。
火事の後遺症で松葉杖も手放せず、不幸な目にあったというのにそれを感じさせないいい子なんですが、元々他人を同居させるのを好まない圭祐は渋々ながら彼の同居を引き受けます。
けれど一緒に暮らしていく内に、次第に圭祐は瑞の頑張りと、健気さと、そして自分への好意を感じ取り、告白をするのですが瑞は自分だけが幸せになる事は出来ないとそれを拒否するのですね。
健気や……どこまでも健気ないい子やー!!
最後は目出度く一緒に暮らす様になるのですが、沢山沢山幸せになれよーと思っちゃいました。

4

可哀想萌え

読みはじめからわくわくしっぱなしでした。
かわいそうなよい子ってこんなにいいものだったんだ、と改めて分からせてくれたお話でした。
私はいつもはあまり攻に感情移入することはなくて、どちらかといえば受の立場にたってかっこいい攻や気持ちよさげなエロ場面にドキドキするのですが、今回ばかりは攻の圭祐くんが可哀想子の魅力に気付く途中からすっかり攻に感情移入して、一刻も早くいじらしい瑞くんを抱きしめたくてたまりませんでした。

自分の萌ポイントにも気付かせてくれた素敵な一冊です。

4

せつなくて痛いのに幸せなゴールに向かっている感じ

がっつりと王道のお話でした。
加えてうえだ真由さんの文章には癖がなく読みやすいのでひっかかりなく、これぞTHE王道、て感じで楽しめると思います。

29歳と17歳の歳の差カップルで、火事で家族を亡くし1人ぼっちになった遠縁の瑞を、バツイチの主人公・圭祐がしばらく預かるという痛々しい設定です。
これで圭祐がとても気遣いに長けた大人な男性なら結構重たい話になりそうですが、圭祐は突然転がり込む事になった瑞を面倒だと思っていて、言いたいこともはっきり言う、自分のことは自分で、という良くも悪くも他人に興味が薄いタイプなのでそれがよかったかなあと。
仕事はしっかり、そこそこ遊ぶという、歳の差カップルといいながらも圭祐が年齢よりも大分若く見えました。

内容は先が読めるというよりは予想を裏切らないという感じです。
良くいえば安心して萌えられる、悪くいうならどっかで読んだことあるかな?というような。
それでも高く評価したいのは、こういう話が書きたい!という作者さんのテーマがハッキリ最初から読み手に伝わっていて、それが最後までぶれないからです。

容姿も収入も良くて離婚暦はあるけれど人生を楽しむ余裕があり、自分のような要領も頭もいい人間だけを周りに置き、弱者と関わりを持って来なかった圭祐。
それが、圭祐が避けてきた、「何も持たない非力な弱者」である子供と出会って人生の価値観を変えていく。こういうお話、型にはまってるといえばそうなのですが、完成度が高くて素晴らしいと思いました。

同居して、圭祐は最初は面倒だと思った瑞が可愛くなっていき、しだいに距離をつめ他人に無関心だった自分の会社での態度も変わっていきます。
瑞もまた、圭祐と触れ合ってぎこちなさを払拭していき、少しずつ遠慮のない関係になっていきます。
相手に影響されて自分が変わる、という関係がとても好きです。

服を買ってもらってもプレゼントをもらったこともなく自分のだとわからない、火傷の跡を必死で隠している瑞がいじらし過ぎてかわいいを通り越してせつな過ぎました。
可愛いくて可哀想な子供との触れ合いでお話はすすんでいくので、ヒューマンドラマぽいのにホントにいきなり急に恋ってなるのは唐突かな?とそこだけちょっと腑に落ちないかなあと思ったのですが^^;

あと、幸せに臆病な瑞に対して圭祐がちょっとがヘタレ過ぎる気もしました。
瑞の境遇が不憫すぎるので、その分瑞が幸せになるためなら、圭祐はもっと強引でもいいのになあと途中からじれったかったです。

でもこの安定した王道感、うえださんの今まで読んだ中では一番好きだと思えました。

3

頭撫でてあげたくなる不幸な健気受け…

無慈悲BLで紹介されていたので読んでみました。

受け瑞の過去、背負ったものは壮絶です。
お金を工面するため高校を中退しバイト三昧。そんな中謎の火事で家族は死亡。自分一人だけが生き残ってしまったが絶望に負けず親の気持ちを継いで借金返済のため身を粉にしてひた向きに頑張る…。

本人の意識しないところで漂う微量な痛々しさはあれども、悲壮感や不幸さを感じさせないんですよね。
そんなアクのない健気なさまを見事にえがいてくれていて…心痛いけど瑞くんめっちゃいい子!可愛い!!可愛い!!と悶えてしまいました。
前半の松葉杖オプションは特に良かった…。

攻めは攻めでしっかりキャラ立ちしていて…もう自分のえがいた生き方してるんですよね。
最初はそれを貫いていたのに瑞の存在が彼の思考や行動を変えていった…一緒にいたのが瑞だからこその変化を十二分に感じられたのは良かったと思います。

でもこれ…BL小説買っておいて本末転倒なこと言いますけど…
男同士の恋愛じゃなくても良かったな、なんて思ってしまったんです。
それこそ親愛のような関係止まりでも良かった気がします。

そもそも圭祐が同性でありまだ少年と呼べる年下の瑞に対して肉体的な関係まで求めるくらい惚れてしまったことが私の中では繋がりませんでした。
大事にしたい、そばにいてほしい、それを相手に伝える方法は様々だと思いますが惚れてキスしてセックスして…のお決まりの流れをこの二人の愛の形にしなくてもな…なんて私の我が儘ですかね。

表紙の二人がまるで本当の兄弟のように見えますよね。

0

可哀想な受け

「可哀想な受けが好き」と仰るうえださんが、
力いっぱい可哀想な設定で描いた瑞。
気の毒な身の上でありながらも明るく振舞う姿は、健気で涙が出ます。

そんな瑞を預かる事になった、はとこの圭祐。
まだ遊びたい盛りの17歳のはずが、自己主張を一切せず、
控えめな瑞の態度を暗く重く感じ、彼と距離を置こうとしますが。
瑞と暮らすことによって、圭祐に変化が訪れます。

人に対する思いやりがやや欠けていた圭祐ですが。
瑞に惹かれて彼を大事にしたいと思い始めると、瑞以外の人間に対しても、
知らず知らずのうちに優しくなっていくのです。
この辺りは何だか教育的というか、道徳的(BLですが)。
うえださんのこの手の作品は、古き良き時代の家庭小説や児童文学を思わせます。

健気な少年が苦難の末に、優しい理解者を得て幸せになれる。
優しくてほっこりしたい方にはオススメの作品かと思います。
あと大人の余裕な圭祐が恋に落ちた途端、
瑞の同級生にまで嫉妬する姿が可愛かったです(笑)

7

受けが悲惨

なんちゃってBLであっても、あまりにも悲惨な受けの過去に、マジ泣きに。
本気でかわいそうで、健気というレベルを超えていた。

0

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