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逃げなかったじゃないですか。
館上(26歳)×大澤敬(28歳)。システムエンジニア同士の恋です。
丸ごと1冊表題作です。大澤の目線で進みます。
大澤(受け)は自分を痴漢に間違った館山(攻め)とチームを組んで働くことになる。スリに遭って家に入れない館山を家に泊めてから、妙に懐かれてしまう。ある夜、酔った館山に迫られてしまい…という話です。
読後すぐは、館山の行動になんだかもやもやとした印象が残りました。大澤を抱くまでの冒頭から3分1までは、年下ワンコっぽかったのに、半ばで豹変して襲う酷い男になったのが落ち着きませんでした。
でも設定破壊や書き足りないという気はせず…なんだろうなと戸惑っていたところ、作者様のあとがきで「いつもと少し雰囲気が違う」という評をいただいたとあり、今度は館山目線に変換して読んでみました。
すると、館山の変化が受け入れられるようになりました。
初めて抱いた翌朝、キスを受け入れてくれ、幸せに浸っていたところ、その後から避けられる。自分の友人・長瀬とは普通に話すのに、自分には冷たくてイラついてしまう。
ちょっと自分勝手で強引な部分はあるにしろ、「年下男」が初めての恋に感情が振り回され、戸惑っているんだと気がつくと、館山が可愛らしかったです。想いが通じた翌朝、またワンコに戻っているのも萌えでした。
大澤を気遣って以前のように話しかける館山の行動が、逆に大澤には抱いた夜のことは館山にとっては大したことないんだなと思わせてしまうという、すれ違いから亀裂が徐々に大きくなっていくのが自然で良かったです。
大澤は、可愛い容姿なのに、言葉遣いがぶっきらぼうで男っぽくて、そのギャップがイラスト効果もあり絶大でした。過剰なネガティブ思考も誤解への誘引もなく、小森(会社の後輩)にも優しくて好感が持てました。惹かれる理由も、長瀬が言うアンバランスさの魅力も腑に落ちたものです。
シリアスっぽいですが、重く暗くはありません。二人とも仕事もしているのですが、全体的な印象では恋愛模様のほうが強い作品です。男前年下攻め、男口調の年上受けが好きな方は読んでみて欲しいです。攻めのワンコ→豹変→ワンコを楽しめればお勧めな作品です。
朝から通勤電車で痴漢と間違われた敬。
出勤した会社で新しい部下として紹介されたのは、敬を痴漢扱いした張本人、館上だった。
最悪の出会いにもかかわらず、仕事では館上はとても使える男だった。
人嫌いの敬も館上の友好的な態度に少しずつ態度を軟化させていくが、ある日酔った勢いでゲイだという館上と寝てしまい……
プログラマー同士で、部下×上司。
人当たりと外面はパーフェクトな攻の内面はてんでお子様で、無理矢理襲ってみたり、妬かせるために他の女といちゃついてみたりとか色々無茶をやらかしてくれます。
そんな攻に惹かれていく受の気持ちはちょっと唐突だったかも。
このあたりの心境の変化についていけずちょっともやもや感が残りました。
まっすぐで不器用だけどなよなよしたところのない、どっか「男の子」っぽさを感じる受の性格は好みだったんだけどなあ。
椎崎夕さん作品は丁寧で分かりやすいストーリーの組み立て方や持って行き方が読みやすい事に加えて、攻も受もどっちも好きというのがあるんですがこの攻は自分的にはちょっと……。
性格的にブレがあるというかなんかねー言動が一貫してないんですよ、攻がともかくブレまくり。
しょっぱなから館上は大澤を痴漢扱いしちゃうんですが、その理由は初対面の女の子に頼まれたから、しかも痴漢現場を確認もせずにですよ?!オイオイ!!それってどうなのよ、考えが単純で浅すぎやしないか、アホ攻なのか?こいつは!!
証拠もなく自分を痴漢呼ばわりした男が出社してみたら何と部下とな!!そりゃ気にくわないのが当然。
さらに帰宅してみたら廊下に疫病神館上が蹲ってます、うわー。
何と隣人、理由聞いてみると鍵と財布を忘れて部屋に入れない!!!1日でどんだけマヌケなんだこいつはって感じのお間抜け君です。
大澤は仕方なしに一泊止めてやるんですが、見てる内に妹が飼ってる犬のぽちに館上が似てるように思えてきて、なし崩しで許しちゃいます。
ワンコ年下攻かーーーって展開が暫く続くんですが急遽、大澤を無理矢理強姦。ワンコの癖にーーーってオイ、お前はワンコじゃなかったのか!!
しかも男女問わず来る者拒まずで仕事用と私事の携帯を2つ持ってて使い分けてる始末、あのーーー随分キャラ違わね?
これが実は大澤の前でだけ猫被ってたとかならまだ性格的に分かるんですが、そうじゃないからわけワカメ。
攻の性格がつかめないままなんだかんだで2人くっついて終了~~。
館上の友人の当て馬、長瀬もその設定はイマイチ生かせずです(ひょっとしたら長瀬メインで別作品書く予定あんのかな?って気がしてたりしなかったり)
少々小柄だけど短期で口も結構悪い受は良かったし萌えましたが、上で散々書いた様に攻の人格のブレっぷりには付いていけず攻はわけわからんかったです。
それ考えると中立かなーーと思うんですが反対にそれを除けば及第点なんですけどね。んでも好き作家さんなので期待もこめて辛目で中立にしとくです。
上司と部下が酔った勢いで寝てしまい、微妙な関係へ。
酒の勢い、一夜の過ちとして水に流したい上司・敬。
忘れさせまいとする部下・館上。
当初は「のほほんへタレワンコな年下攻」っぽく登場した館上が、
割とはっちゃけた倫理観の持ち主で、敬との関係を終らせないために結構、
酷いことをやっています。
その辺りを「それだけ相手のことが好きなのね!」と萌える人と、
「なんだこの男は!」と思う人とで、評価が分かれそうな気がします。
後者の人なら共感できなくて、面白くないかも(苦笑)
私も館上の良さはあまり判りませんでした。
嫌な奴ならもっと鬼畜でもよかったかもと思います。
しかし土壇場で詰めが甘いというか、微妙に優しいのにモヤモヤ。
受の敬はきっぱりとしていて、男らしいです。が、鈍すぎて。
誤解や擦れ違いの繰り返しで悪循環。
この悪循環しまくりのグルグルカップルは椎崎節だな!と思えて好きなのですが、
ラストが急展開しすぎて少し残念でした。当て馬キャラの使い方も、勿体無かった!
そして私はここでの評価を「中立」か「萌」かで悩みましたが。
読後感は微妙なのですが、萌えた部分も多々あったので。
悩んだ末に「萌」評価にしました。