ニライカナイ~永劫の寵姫~

niraikanai eigou no chouki

ニライカナイ~永劫の寵姫~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神9
  • 萌×26
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
5
得点
82
評価数
20
平均
4.2 / 5
神率
45%
著者
高岡ミズミ 

作家さんの新作発表
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イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
ニライカナイ~永遠の道連れ~
発売日
価格
¥630(税抜)  
ISBN
9784344846500

あらすじ

人間・池端颯介としての生を終え、冥府へ戻った那笏。かつてこの閻魔の庁で、主たる閻羅王に伺候していた那笏だったが、過去世からの因縁に搦め捕られ取り返しのつかない過ちを犯し、主の温情で以て人間界へと転生していたのだ。冥府の年月にして七千年越しの再会――主への変わらぬ崇敬と思慕に震える那笏を、閻羅王は峻厳かつ甘美に迎え……?

表題作ニライカナイ~永劫の寵姫~

冥府の王
閻羅王の五部衆の一人

同時収録作品ニライカナイ~永劫の寵姫~

那笏の弟

その他の収録作品

  • 誓いは甘き褥にて
  • 閻羅王の深遠なる溺愛

レビュー投稿数5

「ニライカナイ」シリーズの前日譚。

「ニライカナイ~永遠の道連れ~」→「ニライカナイ~此岸の徒花~」に続く3作目。「ニライカナイ」シリーズはめっちゃ好きなシリーズなので発売を楽しみに待っていました。

前2作は班目さんが挿絵を担当されていたこと(今作品は笠井さんが挿絵を描かれています)、さらに前作から数年経っていることからもしかしたら前作とはあまりつながりのない作品なのかと思いつつ手に取りましたが、がっつりスピンオフ作品でした。スピンオフ、というよりも前日譚、と言った方が良いかも。時系列でいうと一番初めの部分にあたります。

「ニライカナイ~永遠の道連れ~」は骨董屋を営む伊織が主人公。
「ニライカナイ~此岸の徒花~」は伊織の母方の叔父である清貴のお話。
そして今作品である「ニライカナイ~永劫の寵姫~」は伊織の祖父であり、清貴の父である颯介のお話です。





伊織はモノにとりついた邪念を払う能力を、清貴は生者の心の声が聞こえる能力を持っていましたが、彼らの祖父であり父である颯介は死者を視る力があった。

その力ゆえに他人と慣れあわず家族すら遠ざけて生きてきた颯介だが、実は彼は冥界で閻羅王の側近中の側近・五部衆として働く「那笏」。そんな彼はとある過去から、閻羅王の元を離れ人間として転生して生きてきたが―。

というお話。

物語は、颯介が生を全うし亡くなるシーンからスタートします。

自身の能力を持て余し、そしてその能力が息子に、そして孫に遺伝してしまったことを後悔している颯介。現世に執着はなく、早く冥界に行きたいと願っている颯介は、その望みが叶い現世に別れを告げる。

これでやっとしがらみから解放される―。

そんな願いとは裏腹に、三途の川を渡ろうとしている颯介のもとに、閻羅王の側近である五部衆の面々がやってくる。再び五部衆の一員としてともに閻羅王のもとで働こうと声をかけてくる五部衆の面々だが、颯介は五部衆に戻る気も、閻羅王のもとに戻る気もない。そんな颯介に閻羅王が会いに来て―。

颯介は過去の「出来事」ゆえに人間に転生し、そして五部衆からも離脱したいと願っている。閻羅王に顔向けできないと思っている。

その「出来事」とは一体何なのか。

その謎解きを軸に進むストーリーです。

「生と死」、「現世とあの世」。
そんな壮大なバックボーンがある作品で、しかも舞台は地獄なので痛いシーンはてんこ盛り。このシリーズの中で最も痛い描写があるのは1作目である「ニライカナイ~永遠の道連れ~」ですが、今作品もまあまあ痛い描写があります。流血とか、暴力とか、そういったものが苦手な方は注意が必要な描写も多いです。

が。

このシリーズを通して最も甘いのも、今作品。
何しろ閻羅王が颯介に甘いのなんのって。

前2作ではおどろおどろしい存在として閻羅王は描かれていましたが、今作品では颯介に恋する男子。です。

いや、前2作同様、畏怖の対象ではあるんです。
何しろ冥界をつかさどるトップだからして。

が、とにかくスパダリ。
颯介のためなら何でもしてしまう。
颯介を愛し、だからこそ彼の嫌がることはしたくない、颯介の意思を尊重したい。
あの手この手で颯介を守ろうとする姿はあっぱれです。

閻羅王×颯介の恋のお話でありながら、前2作の登場人物たち(たま×伊織、鉈弦×清貴)のストーリーもきちんと回収していく。さすが高岡先生というべき素晴らしいストーリー展開です。

しいて言うと、あれだけ頑なだった颯介が後半急に閻羅王になびき、そして過去を清算してしまうシーンが急展開過ぎたのが残念。特に彼のトラウマの原因である史央との関係は、もう少し丁寧に描いてほしかった。

特筆すべきは笠井さんの挿絵。
前2作は班目さんが描かれていて、班目さんのイラストが今作品の持つダークでシリアスな雰囲気にぴったりだったこともあってレーターさんが変わったことを若干危惧していました。

が、ですよ。

さすが笠井さん。
素晴らしい。
とにかく美しい!
閻羅王のスパダリ感も、颯介の可愛らしさと美しさも、きっちり描き切っています。序盤颯介が童子の姿でいますが、このちびちゃんの絵がさ…、

最高か!
めっちゃ可愛くって悶絶しました。

レーターさんが違うと、作品のイメージも変わるよなあ…、とレーターさんの力というものも改めて感じた1冊でした。

今作品の世界観が非常にツボで、ぜひともスピンオフを描いてほしいと切望しています。個人的には史央救済のスピンオフが読んでみたい。

痛い描写が多い今シリーズで、それ故に読み手を選びそうな作品ではありますが、とにかく相手を想う愛情もたっぷり詰まった今シリーズ。

今作品も文句なく素晴らしい神作品でした。

8

閻魔様なのに神じゃん!スパダリじゃん!

何も考えずに新刊を買って、巣篭もりのお供にする生活を続けております。
そのため、シリーズものとは知らずに購入してしまったのですが、結果的に問題ありませんでした。
しかも、素晴らしい作品でした^^

シリーズとしては3作目ですが、ビギニング的位置にある本作。
時系列的には1作目に当たります。


簡単に言っちゃうと、閻魔様と側近の恋。
側近の那笏が転生からの出戻りなので、その間、那笏を好きな閻羅王(閻魔様的な)は7千年も待ってたんだって……
一途の極みだわ。

閻羅王がめっちゃ一途だし、ものすごい精神力と忍耐力の人。
無知で無自覚焦らし系の那笏に手を出さず、待ち続けます。
それでいて独占欲は人一倍だから、めちゃめちゃ萌える♡

那笏は清廉で潔癖。
ポーカーフェイスのツンデフォ。
だからこそ、両想いになってからのデレが最高にパンチある!
ラブだけでなく、那笏の家族への思いには胸打たれたし、
実は誰よりも思慮深い男なんだなって思いました。

作中には地獄の恐ろしい拷問が多々描かれており、目を覆いたくなるくらい描写がリアル。
そこにしっかり意味を持たせており、地獄設定を無駄にしないストーリー展開も素晴らしいと感じました。

恐ろしい場面もありつつ、閻羅王と那笏のちょっとしたすれ違いはとても可愛かった^^
ベッドに誘いたいのに、遠回しにし過ぎて気付かれない閻羅王と、誘われない事に悩む那笏(笑)
こういったエピソードにクスッと笑い、存分に萌えさせていただきました♡

閻羅王スパダリだったよ!
あからさまな特別扱いも、デロデロに甘やかすところも最高‼︎
溺愛攻め好きには堪らない作品です。
笠井先生のイラストも美しくて見惚れてしまいました。


4

閻羅王と那笏

「閻羅王 x 那笏」のあの世シリーズ、

①ニライカナイ~永遠の道連れ~ 2014年1月21日 イラスト:斑目ヒロ
水虎:たま(春雷)
池端伊織: 28歳 骨董店の店主

⓶ニライカナイ~此岸の徒花~ 2015年10月20日 イラスト:斑目ヒロ
鉈弦:人形に変化できる大鉈,閻羅王の側近
池端清貴:骨董屋の元店主,一流企業の課長,40歳 (清貴の姉が伊織の母)

③「ニライカナイ~永劫の寵姫~」 2020年4月16日 イラスト:笠井あゆみ
閻羅王:冥府の王
池端颯介:(那笏),閻羅王の五部衆の一人

④ニライカナイ ~走狗の初戀~ 2022年3月17日 イラスト:笠井あゆみ
ウメ:犬?に変化する青年
琳 :病弱

那笏の転生が、池端颯介 颯介の息子が池端清貴、孫が伊織
池端颯介は、寿命が尽きて大往生。そして閻羅王が待つ場所へ、天冠が案内する。

最新刊の「ニライカナイ ~走狗の初戀~」は、電子版がまだなので、この巻を再読。
前半に今までの説明が載っているので、過去作を読まなくても理解できる
---
閻羅王=閻魔王 奈良時代に習合、地蔵菩薩と習合
閻羅は閻魔羅闍(えんまらじや)Yama‐râjaの略 閻魔

「ニライカナイ」とは海の向こうにある理想郷。ニルヤカナヤともいう。
沖縄の理想郷伝説、死者が行く幽界とは違う。

0

閻魔様頑張る

ニライカナイのシリーズ3作目。タイトルでそうだろうなと思っていましたが、他社さんで出ていたニライカナイの続きでした。1作目で怖くて2作目を読んでいませんが、3作目が一番好きだと思います。溺愛だし。1作目2作目のキャラが出てくるので、読んでいる方がより楽しめると思うお話、本編200P弱+後日談32P+後日談15P+あとがき。

人間としての寿命を終え、三途の川を渡った颯介。歳を取るにつれ、冥府での前世の自分の役割などを思い出していましたが、あくまで人間として裁かれたいと考え列に並んでいたところ、昔の仲間に「何やってんだ」と閻羅王の前に連れ出され・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
春雷・伊織(1作目のカプ、伊織は颯介の孫)、清貴(2作目のカプ、颯介の息子)、閻羅王に仕える仲間(天樹・玻琉・遙帳・鉈弦)、史央(那笏の前世の弟)ぐらいかな。

++内容に関する感想

臆病な那笏がアクシデントにより、人間界に転生。ようやく冥府に帰ってきたのをなんとか認めさせて思いを遂げる閻羅王!!!という感じのお話なのですが。

那笏の心の動きになかなかシンクロさせにくくって。
臆病すぎるものどうかと思うタチなので、ちょっとイラっとしたのかもしれません。

それを上回ってとにかく良かったのが!
1.笠井先生の手になる衣装!被り物!よく閻魔さんの被り物として描かれているタイプのものを身に付けているのですが、あー被り物フェチだったのか私・・と今回気づきました。あのこわーい赤い顔の閻魔さんなんですよ、一般的には。でもその被り物、衣装含めて超絶カッコいい!!!!!!全挿絵、カラーで見たい。

2.で、閻羅王がですね、溺愛している訳ですよ、那笏を。それがまた良い。冥府の長だから、そんなバカみたいな感じではなく、凛々しいんです。「聞けぬな」「ならぬ」「今日は逃がさぬ」といったやや上からの物言いにも弱いと改めて認識。7000年も忍耐強く待ってるんですもん、健気だろ、閻羅王・・・

受けの心情はちょっとシンクロしにくかったですが、攻めがまっすぐ受け一直線だったから良かったかな。前作のカプエピソードが時系列的に重なってきますので、やっぱり前2作は読むと面白さ増し増しだと思います。それと笠井先生の挿絵!最高です。

2

なんと!

な、な、なんと人間くさい地獄!

閻羅王はじめ皆さんどいつもこいつも、人間くさいっていうか。
まるで人間界な感じです。

株式会社地獄って感じのちょっとしたお仕事BLと思って読めば面白いかも。

でも、まぁ弟だ、息子だ、孫だという観念というか記憶を那笏は手離せないのは仕方ないとして、まぁ向いてない仕事というか?仕事には向いているけど、割り切れないのが問題なんでしょうねー。

閉じこもって仕事できたらいいねーって思った。

こじれちゃったのは、閻羅王が紳士すぎちゃったからじゃね?って思っちまったよ。


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