イラスト入り
akumanapapanooyomeninaritai
電子ってあまり手に取ることはないのですが、周防さんの美麗表紙につられて購入。彩寧さんてエロエロ~なイメージがありますが、今作品もそのイメージを損なうことの無いエロ満載の作品でした。
主人公はDKの結斗。
彼は「おとうさん」と暮らしているが、「おとうさん」とは血の繋がりがない。
おとうさんは養護施設にいた結斗を引き取って育ててくれた。が、高校生になった今、結斗は毎日おとうさんに抱かれていて―。
というお話。
結斗は子どもの時に実母に虐待され、大けがを負ってしまう。それがもとで母親から引き離され養護施設に行くことになるわけですが、庇護してくれる大人がいない結人はいつも独りぼっち。
そんな孤独に過ごす結斗のもとに、ある日サマエルという名の悪魔がやってくる。彼は結斗の魂と引き換えに、結人の望むものを与えてくれるという。
家族が欲しい。
そう願った結斗は、サマエルと「大人になるまで」という契約のもと、彼の息子となり、以来大切に育てられてきた。
綺麗で、優しくて、結人が望むものは何でも与えてくれる優しいお父さんを、結人も大好きなのです。結人が高校生になった時に、「おとうさん」は結人を抱くようになるわけですが。
孤独だった子どもを、悪魔が言いくるめ、魂を使って契約し、挙句の果てに身体まで奪う。
そんなドシリアスなバックボーンでありながら、今作品の根底に流れるのは二人の深い愛情です。何しろ結人がおとうさんを深く慕っていて、おとうさんに抱かれたい、いつまでも一緒にいたい、と願っているから。
序盤、おとうさんが結人と契約を結び、彼を手に入れた理由がわからないため、読者も結斗と共におとうさんの真意を測りかねるのですが、とある人物の登場によりおとうさんの気持ちが見えてきます。
ページ数こそ少ない作品ですが、おとうさんと結人の間に流れる愛情とか、想いとか、そういったものがこれでもかと描かれていて、終始甘い空気が漂っていました。
そして、彩寧さんならではと言っていいでしょう。
とにかく、エロいです。
濡れ場がてんこ盛りです。
毎日、何なら朝も夜もおとうさんに抱かれる結人、の構図が成り立っています。それには理由がきちんとあるのですが、もうちょっとお腹いっぱい、というくらい濡れ場が続きます。さらに貞操帯、尿道プレイ、軽い緊縛、とこれでもかとエロい描写が続きます。
で。
タイトルにもありますが、お嫁さんになりたいわけです。結人は。
そして、おとうさんのほうも、結人を嫁にしたいわけです。
ということで、おっぱいだの、孕むだの、子種を注ぐだの、女性器を思わせる言葉だの、若干男性向けのエロ本のような淫猥な言葉が出てくるので、苦手な方は注意が必要かもです。
ドシリアスに見せかけて、実は甘々、そしてエロエロなので、痛いのは苦手、でもエロ甘な作品が読みたいという時にはぴったりな作品かと思います。
あと、特筆すべきは周防さんの挿絵。
周防さんの挿絵が非常に綺麗で、この作品のイメージにぴったりでした。
周防さんの挿絵で、確実に萌え度はアップしました。