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keiji wa dance ga odorenai
舞台はアメリカ・ロサンゼルスです。
20代初めに婚約者を亡くし、それ以降は深いつきあいを避けてきたジャック(攻)は、学生の殺人事件が起きた大学へ聞き込みに訪れて、助教授の亮司(受)と出会います。
そして、もの静かでクールな美貌、落ち着いた物腰に柔らかい微笑み、ジャックの挑発も軽く受け流す冷静さ…と亮司の「東洋の魔術」に釘付けに。
アメリカ人のジャックにはどことなく掴みきれない亮司が気になり、彼も容疑者だという建前でもって、亮司の元を度々訪れます。
そして亮司に惹かれていくわけですね。
ジャックの相棒、フランクとのコンビがいい感じで、コンビもののアメリカ刑事ドラマを思い出させました。
殺人事件を軸に展開し、地道に聞き込みをしたり証拠を集めたりと、ちゃんと捜査していて、刑事物っぽい。
その段階で亮司に不利な証言が出てきてジャックがショックと怒りで暴走してしまったりと、犯人探しと恋愛面が同時に楽しめて面白かったです。
亮司の穏やかだけれど、とても芯の強い、「大和撫子(?)」な感じもとてもいい。ホントに強いし、年上らしくラブシーンでも結構積極的で、そういう大人なところもいい感じです。
強面の刑事がこういうタイプにメロメロになっていくのはなかなか萌えですね。とても冷静で有能な刑事なのに亮司が絡むと感情的になってしまって。
恋愛面も楽しめたし、派手に煽らず、地道な捜査を繰り返すちゃんと地に足のついた刑事さんというのが良かったです。
もちろん本格的な刑事物と比べることは無理がありますが、そういう雰囲気もそれなりに楽しめたし、私はかなり好きでした、このお話。
中編2作品が収録されています。
表題作「刑事はダンスが踊れない」では容疑者として知り合った亮司(受)に惹かれて恋人同士になり、続編「刑事は奇跡を信じない」では被害者にならないよう脅迫状をもらった亮司を守ろうとします。
どちらもジャック(攻)が主人公ですが、相棒のフランクの視点も入っています。
騙されたと勘違いして亮司に手をあげてしまったり、嫉妬してカッとなってしまったりするジャックですが、フランクが犯人を射殺しようとするのを冷静に止めたりする場面もあって、有能なんだなと分かりました。そういうのがなかったら、「おいおいもうちょっと落ち着いてよ」と宥めたいくらい血の気が多い印象でした。
亮司を殴ってしまうのは評価が分かれるところだとは思うのですが、フランクからも今までは仕事第一だったのに亮司に夢中という部分もありますので、仕事人間が初恋で戸惑っていると思えば、微笑ましかったです。事件発生から犯人逮捕までありますので、軽い事件モノがお好きな方はお勧めだと思います。