異世界で騎士団長に見初められ聖獣乗りになりました

isekai de kishidancho ni misomerare seijunori ni narimashita

異世界で騎士団長に見初められ聖獣乗りになりました
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×20
  • 萌1
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
1
得点
6
評価数
5
平均
2 / 5
神率
0%
著者
一文字鈴 

作家さんの新作発表
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イラスト
上條ロロ 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
価格
¥700(税抜)  
ISBN
9784815532284

あらすじ

水族館のドルフィントレーナー・晴斗は、ショーのさなか時空の渦に飲み込まれ異世界へと飛ばされてしまった。 不思議な声に導かれるまま川で幼い少年の命を救った晴斗は、
その父である騎士団長デュークの信頼を得て彼の屋敷に住まわせてもらうことに。この国には聖獣と呼ばれる巨大な生物が人々と共存しており、
それぞれに絆で結ばれた乗り手がいる。泳ぎの腕と勇敢さを買われ、晴斗は水獣バールの乗り手を目指すことに…。

表題作異世界で騎士団長に見初められ聖獣乗りになりました

黄金の疾風の通り名を持つ騎士団長
22歳,水族館勤務のドルフィントレーナー

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数1

萌えより、違和感やズレが上回る・・・

周囲と馴染めず孤独に生きてきた主人公。
タイトルそのまま、彼が異世界で本当の愛を手に入れ、ついでに聖獣乗りになっちゃって活躍すると言う、夢と希望に溢れたファンタジーです。

こちら、設定や大筋としては、めちゃくちゃ好みなのです。
そもそも一文字先生ですが、ピンポイントで私の好みを突いてくる、やたら萌えツボを刺激される作家さんでして。
何と言うか、題材選びがとても上手い。
ただその反面、ちょい詰めが甘いと言いますか、感覚のズレなんかも感じる事が多いんですよね。
で、今回、そのズレなんかが特に大きくて、萌えより違和感の方が上回っちゃったと言う。
残念なんですけど。

で、ザックリした内容です。
水族館でドルフィントレーナーとして働く晴斗。
彼が、ショーでコンビを組むイルカのユアンから、「助けて」とメッセージを受け取った所から、お話はスタート。
気がつくと異世界へ飛ばされ、そこで川を流されてきた幼い少年を救うんですね。
で、行く当てのない晴斗は、その少年の父親で騎士団長・デュークの屋敷に招かれー・・・と言った感じになります。

しつこいですが、大筋としてはめちゃくちゃ好みなのです。
人から誤解されやすくて、孤独に生きてきた主人公。
彼が、異世界で戸惑いつつも、初めて自分を受け入れてくれる相手(デュークです)に出会うと言うのが萌えるなら、聖獣の乗り手となるのもワクワクする。
えーと、この聖獣ですが、特別な絆を築いた人間にのみ、パートナーとして従うのです。
いや、こう言うネタ、個人的に大好きなのです。
ファンタジー好きのツボを、これでもかと突いてくるんですよ。

が、ちょこちょこ引っ掛かる部分ー。
そもそも、作者さんとなんか感覚のズレがあると思うんですよね。
まずですね、イルカが突然頭の中に話しかけてきたら、普通はかなり混乱すると思うのです。
が、「まさか・・・ユアンの声なの? 喋れるの?」と最初に驚いただけで、その後はアッサリ受け入れる主人公。
普通に会話を始めちゃうんですよ。
で、異世界に飛ばされて「ハルトは今、異世界に居る(ユアンのセリフです)」と言われれば、これまたアッサリ納得する。
もうちょっと、「そんな事あり得ない・・・!」的に驚いて!

ここから、男前で美形な騎士団長・デュークと出会うワケですが、デュークもデュークで、晴斗の「異世界から来ました」をアッサリ受け入れる。
いや、デュークだけじゃなく、皆さんもれなく「異世界から来た」を簡単に信じるんですよ。
「そうか、君は異世界から来たのか」的に。
これ、元々こちらの世界へは、異世界人が定期的に流されてくる的な設定があれば納得も行くんですけど、「異世界? そんな世界が存在するのか」とデュークも言ってるしね。
もうちょっと読者の側に立って、一般的な感覚に合わせて書いてもらわないと、まずここで引っ掛かっちゃう。

あとですね、二人は共に過ごすうち、晴斗はデュークの優しさやあたたかさに、デュークは晴斗の頑張り屋で一生懸命な所に、それぞれ惹かれて行きます。
が、誤解から互いに恋人が居ると思い込んでいて、それぞれ自分の気持ちを封印しようとする。
こういうスレ違いのジレジレは、とても良い。

ただ、晴斗が水獣バールにパートナーとして認められると、喜びのあまり「今、ここで君を抱きたい」と、晴斗を抱いてしまうデューク。
え!? 何で??
いや、嫉妬で暴走してとか、互いの気持ちが通じあって喜びの中抱き合うなら分かるけど、「すごく嬉しくて気持ちが昂った」からでは、何か違和感がある。

この後ですね、「晴斗がバールに乗れた事が嬉しくて、興奮して抱いてしまった。愚かな事をしたと後悔してる」と告げるデューク。
で、傷つく晴斗。
一体何がいけなかったのか。初めてだったとは言え、デュークを後悔させるほど自分は下手だったのかー、的に。
いや、違うだろ!
ここは、「一体何がいけなかったのか。ロレンツ(当て馬で晴斗とも仲が良い)を二人で裏切ってしまった・・・!」だろ!!
下手とか、そんな次元の低いレベルで悩むなよ!
根本的な部分で、違うだろ!と。

ここから、互いの誤解が解け、想いを告げあって結ばれる二人。
ここはとても素敵。
が、この後のデュークのセリフでまたまた混乱。
「晴斗がこの世界へ来て一年が経ったら、プロポーズしようと思ってる。そのつもりでいて欲しい・・・」
え!? 何で一年後なの? 今、プロポーズしないの??
いや、文脈から言いたい事は分かるけど、ここはズバッと「一年後に結婚して欲しい」でしょ!
一年経ったらプロポーズしますじゃ、気持ちが固まってないみたいで盛り下がるんだよ!!
せっかくいい所なのにーーー!!!

あとですね、あれもこれもと申し訳ないんですけど、色々詰めが甘い。
最初に出てきたイルカのユアンですが、どうなった?
実はですね、彼は元々こちらの世界の聖獣で、現代日本へ流されてきたらしいんですよね。
で、トミー(デュークの子供)の危機に、晴斗へ助けを求めたー。
ただ、晴斗を異世界へと飛ばせる力があるなら、自分が帰ってトミーを救えばよい。
とか思うんだけど。
えーと、こういう感じの、微妙な矛盾点がちょくちょくあるんですよね。
これ、編集さんが気付いて、修正すべき所だと思う。

まぁそんな感じで、設定や大筋としては面白いんですけど、ズレや違和感を覚える部分も多い。
こういう所が無くなると、もっと人気が出る作家さんじゃないかと思って、すっごく残念なんですよ。
あと、編集さん、もっとしっかりして。

12

ぴれーね

ありがとうございます!
まさにえぇぇ?の連続でした。
作者さんと明らかに感覚のズレがあるんですけど、それだと話に入り込むのが難しくなっちゃうんですよね・・・。

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