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ookami heika wa aisaika
作家インタビューで様々なご意見が寄せられた本作、いきなりあとがきから引用させていただきます。
『何が一番勉強になったって、結局どんなプロットでもいつも言いたいことや守りたいものは同じだし、あんまりテイストも変わらないんだなということです』
「ホントにそうだな」と思ったの。
いや、ばきさんのファンになって良かった。
明日も早くて寝なくちゃいけないけど、読む手が止まらなかった興奮が冷めぬ間に感想を書いちゃいたい。
とりあえず、大声で叫ばせてください。
これからもずーっと書いてくださいねー!もっともっと、ばきさんのお話が読みたいです!
今回のお話は『花嫁もの』です。
でも相変わらず、自分を探す旅で。
ばきさんの物語は、主人公が人から愛されて始まります。
でも主人公たちは自分がどうして愛されるのかが解らないのです。
なので彼らは愛してくれる人を好きになった後に『その人の側にいるためにはどうしたら良いのか』を真剣に考えるのです。そして精いっぱい努力します。
『自分が確立した』と自分が思わないうちは、どんなに愛されていても恋愛の成就は訪れないんです。
だから彼らは自分が持っている力を発見して、そして愛を『勝ち取る』んです。
ああ、なんて気持ちがいいんでしょう。このカタルシス!
今回の主人公のエウドキアが生まれた国には男性がほとんどいません。
女性同士でも子どもを成すことが出来るんですね。そうすると生まれるのは必ず女の子。ただし、異種族と交わればその種族の男子を必ず生むので『花嫁の名産地』と呼ばれています。
エウドキアは女王の長子として生まれたのですが、男の子なんです。
これ、悲しいエピソードがありますが、書かないでおきます。実際に読んで知ってください(エウドキアには理不尽な理由なんだけれど、でも解るのよ、女王の気持ちも)。
なのでエウドキアは忌み子として隠され、誰からも愛情を注がれずに育ちます。
ここでこうやって意味もなく生き、死んでいくのだろうと思っていたエウドキアを見初め「嫁に欲しい」と言ってきたのは人狼の王、ザハール。
「何故、子を産めない自分が?」と疑念を抱きつつ嫁入りをしたエウドキアですが、ザハールは本当にエウドキアを望んでいたことを知ります。
愛されたことのないエウドキアは天にも昇る心地。
ところが、様々な思惑と手違いの所為で残酷な初夜を迎えてしまい、舞い上がったエウドキアの心は地に落ちます……「さて、この後2人はどうなるのでしょうか?」というお話なんですけれどもね。
今まで読んだ『花嫁もの』だと思って読んではいけません。
何たって『ホスト遊び』を『オタクが押しを崇拝する様』になぞらえてまるでスポコンの様に書いてみせた作者です。『運命に抗うオメガ』を『攻め』にしちゃった作者です。一筋縄ではいかないに決まっているじゃないですか。
最初は儚げな見た目だったエウドキアは、物語の後半には筋肉がつきます。ごつごつ(ちょっとだけどね)もしてきます。
その分、LOVEが際立つんですよ!
愛はどこから生まれて来るのか?
どういう風に育つのか?
きっかけは何であれ、最終的には「互いの本質を理解し、敬意を持って触れ合うこと」に辿り着きたい。
このお話にはそのことが書いてあると思うんですね。
綿密な下調べによる、きっちり作りこまれた世界観も素晴らしい。
ああ、本当に良いものを読みました。
逞しいよ、この愛は。
初っ端から別作品の話で恐縮なのですが、私、くもは先生の『ナンバーコール……』が大好きなんです。
定期的に読み返しています。
で、こちらの作品。
その大好きな既読作でハードル上げちゃったかな、と思いましたが、それは杞憂でした。
面白かったし、楽しかったー。
『ナンバーコール……』は、攻めの愛が金額というわかりやすい数字でしたが、こちらの作品の攻めの愛も物量という、まぁわかりやすく目で測れるもの。
なんとも不器用で、切ない愛でした。
自国では軟禁状態で孤独だったエウドキアは、人狼の王ザハール・カガンに見初められ、文化や因習の異なる草原の国へと嫁ぎます。
初夜に乱暴を受けてしまい、夫への信用は一気にガタ落ち。
ソッポ向く妻にせっせと見当違いの謝罪を重ねる王が、いじらしいんです。
あまりのいじらしさに、エウドキアに対しては、そんなに依怙地にならなくても〜とは思いますが、世間知らずの無垢な子だから、そりゃあショックだったでしょう。
このエウドキアが、自分の運命にしなやかに対応できる、とてもステキなキャラでした。
最初はひ弱な女性っぽい(苦手な)キャラかと思っていました。
ところが、新しい土地での出会いや文化を柔軟に受け入れる強さが、彼にはありました。
不条理に立ち向かう強さも。
こんなに魅力的なら王だって、溺愛しちゃうよね、と。
その王の溺愛ですが…………いい(うっとり)。
すっごく…いい、です。
もうね、一貫してるんです。
最初からずーっと愛を伝えてくれています。
「愛しい」
「美しい」
「幸せにする」と。
気持ちいいぐらいブレない溺愛っぷりを、ホント読んでほしい。
この二人の微笑ましいイチャイチャなら、胸やけせずに、もっとずっと読めそうな気がします。
あーこの作品も定期的に読み返すことになりそう。幸せ。
中央アジア風の国を舞台とした、人狼の王×妖精族の妃による、溺愛ファンタジーになります。
実は最初、新刊のタイトルやあらすじを見て、かなり戸惑ったんですよね。
これまでと明らかに作風が違う・・・!
えーと、担当さんからの「BL小説で多く書かれている設定を調べて、その題材を書いてください」と言う指示のもと、今作を書かれたそうです。
個人的には、この指示が不思議で不思議で。
だって、作者さんの一番の魅力って、作者さんにしか書けない独特の世界観ですよ。
そんな強みを殺してまで、何故「多く書かれている題材」をわざわざ書く必要があるのか。
新境地開拓の為か、新しい読者層獲得の為か、それともただ単に、作家の良さを殺しちゃう残念な編集なだけか。
ド素人の私には分かりませんでしたが、とりあえず面白かったですよ。
作者さんご本人もおっしゃられてますが、結局どんなプロットでどんな設定だろうと、くもはばき作品はくもはばき作品でして。
作者さんは「王道の溺愛シンデレラストーリー」とおっしゃってますが、王道からはちょっぴり斜め上にズレてるんじゃないかと!
でもそこが、すごく作者さんらしくていい味を出してると思います。
なかなか一筋縄では行かない新婚カップルが、紆余曲折を経て本当の夫婦になるまでー。
溺愛と共に夫婦漫才なんかも楽しみながら、面白く読ませていただきました。
ザックリした内容です。
妖精族なのに男として生まれと、忌み子であるエウドキア。
人狼の王に見初められ、結婚する事になるんですね。
嫁いだエウドキアを待っていたのは、精悍で愛情深い王・カガン。
彼からの優しくあたたかい態度に、孤独だったエウドキアは愛される喜びを初めて知るんですね。
しかし、婚礼を済ませた初夜の場で、月光を浴びたカガンは理性を失ってしまいー・・・と言うものです。
この内容だけ読むと、王道シンデレラストーリーじゃんと思われるかもしれませんが。
こちら、しつこいですが、斜め上にズレてる気がします。
そもそも序盤の二人ですが、かなりのスレ違い展開なんですよね。
人に初めてあたたかく接してもらい、喜びを覚えるエウドキア。
しかし、人狼であるカガンは、月光を浴びる事で理性を飛ばし、エウドキアを欲望のままに手酷く抱いてしまうんですね。
信じ始めていただけに、エウドキアは道具のように扱われて強いショックを受ける・・・。
この序盤ですが、実はエウドキアに若干イラつきまして。
こう、何も知らない無垢な主人公がですね、手酷く抱かれて心身共に強いダメージを受けるのは分かるのです。
何てったって、初エッチで獣姦はあまりにハードルが高い。
ただ、カガンは理性が残ってるうちになんとか逃がそうとしてたし、エウドキアを愛しく思ってる故の暴走なのです。
なのに、必死で許しを乞うカガンに対して、冷たすぎる態度。
いやもう、エウドキアの一挙一動に、しょぼくれたり傷ついたりしてるカガンが可哀想で。
すっごく不器用なんですよ。
故郷を離れて寂しいだろうと、西域の品をたくさん送り、故郷の料理を食卓に出す。
が、西域の置物はエウドキアが信仰してる始祖神では無く、料理は間違ったレシピのクソまずい代物。
で、余計に怒りを買う。
カガン、一生懸命なのに可哀想。
一生懸命なのに、めっちゃ可哀想。
が、ここから萌え展開。
怒りでキレて本音をぶつけた事で、カガンに対する遠慮や恐怖が薄まるエウドキア。
自分らしく、王妃としての仕事を始めるんですね。
いやこの、不遇な主人公が、置かれた場所で自分の居場所を作っていくと言うのが気持ち良くて。
また、すっかり気を許したエウドキアが、自分の感情を素直にぶつけるんですよね。
で、そんなエウドキアを、嬉しげに見守るカガン。
カガンの愛情なんですけど、最初から最後まで揺るがないのです。
その溺愛ぶりたるや、もう恥ずかしいほど。
また、二人のやりとりが、なんか夫婦漫才みたいで笑えちゃって。
いや、めちゃくちゃ楽しいよ!
あとここに、ちょっとした事件なんかも絡んで、エウドキアが覚悟を決めるのが素敵です。
えーと、最初に散々冷たい態度で拒んでしまった為、いざ抱き合いたくなっても上手く伝えられないのです。
ジタバタするエウドキアが可愛いすぎー!
そして、やっとお許しが出て、鼻息を荒くしてるカガンが笑える。
本当、良かったねえ。二人共!
と、なんだか幸せな気分になる、すごく作者さんらしい作品でした。
いきなり余談ですが
タイトルも表紙もくもはばきさんっぽくなくて
著者名を2度見したぐらいビックリしました。
インタビュー記事にも書いてあるのですが
「2018年に出版された作品を調べ尽くして出来上がった」という過程が面白い。
出来上がった作品に萌えがあればそれでよし。
読者はそのくらいのスタンスで良いのかなーと(ばきさんのツイート見てそう思いました)
内容は姐様方が書いて下さってるので、
ただただ萌え吐きのみの感想を書きます。
めっっっっちゃ萌えた!!!!
最初、私は"忌み子"という言葉に惹かれたのですね。
個人的に生い立ちが不憫な受けが攻めと出逢って幸せになるお話が大ッ好きなのですよ。
あらすじを読んでキタコレ╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !
不憫な部分はあまり色濃く描かれていなかったかな?
悲壮感を煽ることなく淡々と、そして少々の救いもあった。
きっとエウドキアが気付いてないだけで
結婚の条件はエウドキアの為に最後にしてやれる優しさにも感じました。
物語は早々に輿入れへと展開していきます。
個人的にこの本の最大の萌えは【すれ違い】です…!
初夜にちょっとした事故が起こり、
種族違いで理解が足りなかったばかりに誤解を生むのですね。
これが泣けるほど萌えた(;////;)
エウドキアは女同士で子供が産める妖精族で、暮らしていた故郷には男があまりいない。
そのうえエウドキア自身はずっと隔離された生活で他人との関わり方すらも知らないわけです。
初めてエウドキアに触れて、抱き上げ、優しい愛情を与えてくれたのが夫となるザハール。
幸せこの上ない絶頂だったけれど、初夜のベッドの上で激しく犯されてしまう。
その上最初は人型だったのに気付けば狼に犯されているのですから。。。
天国から地獄に落ちた状況に激しいショックとザハールへの拒否感が増すわけです。
ザハールとしても天国から地獄です。
やっと愛しい人を腕の中に抱き留めたスタートの日にエウドキアに激しく嫌われてしまう。
しょぼんと落ち込む様が可哀想で可哀想でめっっっっちゃ萌える(;///;)
ザハールの種族の習性として仕方なかったとしか言えないのですよ…。
なのに一切言い訳をしないところがカッコイイです。
言い訳はしないけど見当違いな不器用な謝罪がまた愛おしくてですねー。
はーーーー切なかわいぃぃぃぃぃぃ(;////;)
(しょぼんとなる攻めが萌えツボの方、是非読んで…)
このすれ違いはどっちが悪いという話じゃないのが悲しいですね。
エウドキアがショックを受けるのは当然だし(というほどの豹変ぶりだった)
ザハールとしては自衛してたつもりなのに悪意の罠にはまってしまった。
エウドキアは愛されて育った土台がなさが顕著に現われ、自分の存在意義を見失い。
"自分を捨ててくれ"というような言葉を投げつけるのですが、
その時のザハールの悲しげな表情がとても印象的でした。
愛する人からそんなことを言われては、ザハールの心も折れそうだったと思います。
また、ザハールはザハールで、エウドキアから今後愛してもらえる自信がなかった。
それだけのことをしたと自責の念を持っています。
なので"愛されることは望まないから、せめて愛すのを許して欲しい"と請うわけです。
も~~~涙腺崩壊しますね。
出逢ったばかりの時はあんなに幸せだったのになんでこんな拗れちゃうの!?
優しさも愛しさも端々に感じるからもどかしくてしかたない。
マイナスからのスタートになってしまったけど
2人がすこしずつ歩み寄っていく姿に何度も涙腺が緩みます。
正直なところ中盤あたりまではTLと変わらないなーというのは否めませんでした。
けれどちゃんとBLです…!BLに昇華していくのです…!
美少年から美青年へ。
愛でられる花が隣で支える頼もしいパートナーへ。
エウドキアがどんどん成長するのも見所かと思います。
挿絵も繊細で美しいです。(設定が設定なので前半の女の子っぽさは仕方ない;)
あくまで私感ですが、エッチしてるところは可愛い男の子って感じでした。
今までのばき先生とは毛色の違う作品。
ざっくりと話を説明すると、受は異国の王に見初められて嫁いだのだけれど、初夜が最悪で攻の評価が転落。しかしなから周りの人たちのアドバイスや仲良くなれる出来事があって最後はハッピーエンドの新婚夫婦でありそうな問題解決本
という感じです。
ばき先生の本は、最初に世界観を理解するのに少し時間はかかりますが、その後は一気に読めてしまいます。
今回の話はファンタジーものだったので、まずどんな世界なのかを理解するのに時間がかかりましたが、やっぱりギューンと一気に読めてしまいました。
受は箱入り息子なのですが(これには理由があるの仕方がない)、前半嫁ぐまではめっちゃおしとやか。
めっちゃ可愛い素直な器量のいい子です。
攻は国を守るために戦ったり、国の発展のために伝統を壊したりと、男!っていう感じの人です。でもすごく優しいです。
初夜でやらかしてしまって受が心身ともに傷つき、攻に心を閉ざしてしまいます。
それまでは夢見る乙女だったし、攻のことを信頼していたので、裏切られてしまったので仕方がありません。
というかこの不幸を招いたのは受にも問題があったと思うのですが、箱入り夢見る乙女はそんなことはこの時点では考えられません。
受は攻にすごく辛辣にあたりますし、最初のおしとやかさは中盤からは消え去ります!!!!
人が変わったかと思うくらいに強くなりますが、私は素直な人の方が好きなので、中盤以降の方が好きです。
どうにかして受の機嫌を取りたくて、攻はとんちんかんな贈り物を沢山受に贈ります。
この贈り物のチョイスが実に男性らしくていいと思います。
よかれと思って選んでいるのに、逆に逆鱗に触れるというあるある。
それからいろいろあって、だんだんと信頼関係も復活し仲良くなっていきます。
受は箱入り時代は肉体労働をあまりやってこなかったので、嫁いたときは華奢な体でしたが、
嫁いだ異国は家畜もいるし、庭の手入れもしなきゃだし、馬に乗らねばならないのでどんどん筋肉質になってしまいます。
身長も伸びるし、どんどん可愛くなくなることを気にします。
↑これがリアルで好き!
いくら美しく可愛い男の子だって運動すれば体格がよくなってしまうということを書いてしまうところが、好きなところです。
物語なんだから、いくら運動しようが肉を食べようがずっと華奢なままでもいいのに、
いや、そんなことしてたらマッチョになるでしょ。
と、読者が読みなからうっすら気づくんだけど見て見ぬふりをするようなツッコミどころを作家自身が潰してくれるのが好きです。
挿し絵は最後まで可愛いままなので安心してください。
話の内容は他の本に比べると纏まってしまった感がありますが、重たさはあまり感じなかったので良いのかな?
次回作も楽しみにしています。
今回は蛮族と言われる人狼国の王と忌み子の男の妖精族のお話です。
孤独な受様が攻様との出会いで今までとは違う生き方を見出すまで。
受様の故郷に伝わる神話には男神が存在しません。というも島の多
くの民は女だけで生殖をおこなう事の出来る妖精族「ニュンペ」な
のです。
島の女達の多くはニュンペ同士で恋をして愛を育み命を紡ぎます。
ニュンペ同士の間に生まれるのは必ずニュンペの娘であるため、島
にはそもそも男がほとんどいないのです。
ニュンペの娘達は男とちぎれば必ず相手と同じ種族の男児を産むと
いう稀有な特徴もあり、古来から「花嫁の名産地」として知られ、
伴侶を求めて訪れる他種族が後を絶ちません。
受様は女王の長子として生まれますが、女王がまた未婚の王女時代
に王宮で秘密裏に産み落とされた男児です。受様はその容姿も能力
も父親だろう妖精族から受け継ぎますが、その出生故に離宮に隔離
されて育ちます。
受様は母の訪れを願って離宮の庭木を世話しますが、女王が離宮を
訪れたのは受様に人狼族の王との縁談を伝える為でした。人狼族の
王こそが今回の攻様になります♪
女王は攻様を蛮族と揶揄しながらも、敵対するには厄介な国だから
と縁談を拒むならは受様には死を選べと言います。受様はなぜ自分
が見初められたのかを疑問に思いつつも、縁談を承知するしか選択
肢はありませんでした。
人狼種は大陸の中央部に連邦共和国を築き、多くの国民が遊牧生活
を送っています。しかしながら攻様は他国を次々に吸収して力を蓄
え、侵略した他種族のオアシス都市を拠点とした異端の王でした。
建前上は一夫一婦制ながら側室を複数囲うことが多いらしく、受様
は自分が異端の王の気まぐれで側室にと望まれたのだろうと思って
いましたが、かの国までの道中で人禽種の夜盗に襲われた受様一行
を助けに駆けつけてくれたのは攻様本人だったのです。
攻様は奇襲の不安を払拭できすみすぼらしい姿の受様を「愛しい妻」
と呼び、目を逸らさずに微笑んで抱き締めてくれます。そして辿り
着いた王宮では攻様が初婚であり、受様が唯一の王妃であると知ら
され、受様は攻様に大切に思われている事を嬉しく思います。
受様は攻様に期待外れだと思われないようにと、婚礼の儀式も披露
宴も緊張と憂慮を胸に挑みます。攻様に人生最高の日と言われ、
受様自身もこの結婚を一番幸福な出来事と思うのでしたが、その夜、
月の光を浴びた攻様は理性を失って受様を組み伏せ、受様は攻様へ
の信頼を失ってしまいます。
新婚早々すれ違う国王夫妻の行く末とは!?
くもはさんの新作は妖精や獣人の住む世界を舞台したファンタジーで
もふもふで王道な花嫁モノになります♪
毎度ちょっと変わった設定が楽しいくもはさんのお話ですが、今回は
狙っての王道路線という事で、どんなお話なのかとワクワクで読み始
めました。
ちるちるインタビューでくもはさんは昨今で一番好まれる傾向を研究
して書かれた言われておりましたが、諸設定は王道でもキャラの言動
や行動がかなりくもは流アレンジが効いているので、目指された王道
花嫁モノとしてはちょっとズレてるなと感じました。
受様が深く傷ついた事は確かであり、そんな受様に攻様が言い訳せず
に真摯に接することも確かなのですが、受様が他人との接触に慣れて
いない箱入りさんなので、なかなか2人の溝は埋まりません。
花嫁ものの溺愛ものって受様の資質を見抜いた攻様に受様が変えられ
ていくのが王道じゃないかなと思うのですけど、本作の受様は攻様を
知る事で自らの立ち位置を変えていく感じなのですよね。
王道設定を踏襲してもやっぱり最後は登場人物が何を考え、どう動く
のかに作家さんの想いが反映するのかな。
私はファンタジーももふもふも花嫁ものも大好きなのでそういうお話
も沢山読んでいても、望まれて嫁いだはずの受様に待ち受けていた
新婚が受様の思い描いていたモノと違ったが故のズレによる山谷から
紆余曲折の果てに辿り着くハピエンまで楽しく読ませて頂きました♪
北沢さんのイラストも超キュートですごく可愛くて良かったです。
特に受様が攻様のしっぽをもふるシーンのイラストはツボすぎです♡
次はどんな恋物語を読ませて頂けるのか楽しみにしています (^O^)/
今回は嫁請い繋がりで高将にぐんさん『鬼に嫁げば』を押してみます。
こちらも花嫁モノとしてはちょっと変わった設定です。
読んでいて途中までエウドキアの依怙地さに苛々して読むのをやめたい程でした。ザハールは忍耐の人でとても気の毒でした。世間知らずで聞く耳を持たないエウドキアのどこに魅力があって嫁として遥々離れた国から連れて来たのか分かりませんでした。
婚礼までの感謝して幸せだと思う気持ちが初夜の一夜であんなに変わるものだろうかと、しかもザハールには罪は無く必死でエウドキアを守ろうとしていました。不可抗力だったザハールにエウドキアが無知で甘い考えだっただけの不幸な出来事でした。
途中からずっとザハールが何をしても拒むエウドキアだったので読むのに疲れました。
最後には幸せになって良かったですが、他の登場人物に助けられて読み終えました。
「ナンバーコール・・」が印象深かったので購入。今回は素直じゃないキャラに萌えられず、申し訳ないです、中立。先生とは萌えポイントが違うのだろうか・・本編250P弱+あとがき。
ネレイデスの女王の長子として生をうけたエウドキアでしたが、父親が女王を捨てて別の女性と結婚したため、母からの愛情を受けたことがありません。離宮に隔離されたままだったのを、十何年ぶりかに訪ねてきたかと思えば「東の果てで人狼の王の花嫁になるか、死か」いずれかを選べとのこと。ここに留まる理由はないと思い、嫁ぐことを選択し・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
ウーラ(婆様、取り仕切っている感じの方)、エイベル(攻めの兄、医師)、カリム(親衛隊長)、ジャミーレ(攻め親族の妃)等々、ちょこちょこ多数。サブキャラとして頭一つ抜けた感じの方はいない気がします。
**好きなとこ、苦手なとこ
民族色めっちゃ豊かに書かれているように感じました。
中央アジア?西アジア?の遊牧民の生活という印象です。暑いし、熱風の砂嵐あるし、灌漑用水ひいてるし、食事は床の上に敷いた布の上に置くし、移動式住居あるし。中央アジア等の様子が好きな方でしたら、楽しいと思われると思います。
苦手だったのは、受けの性格。初夜に、攻めが満月の月光浴びちゃったもんだから、手酷く抱きつぶされちゃって、怒る怒る。その上「愛想が尽きたらさっさと捨ててくれ」等言うものだから、一目ぼれ→溺愛一直線だった攻めさん、ヘタレるヘタレる・・・
素直にならないし、いっつまでもケンカ状態だから、これどうなるんよ・・と思いました、ほんとに。
まあなんとか良い方向に向かって終わるのですが、ほんと可愛くないなあと思う時間が長く感じられました。攻めのスパダリ感も今一つ感じられず、どっちかっていうとヘタレわんこじゃんという印象。
攻め受けとも好みのタイプとは違っていて萌えられず、残念でした。