巡り愛鬼神譚

meguriai kishintan

巡り愛鬼神譚
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×21
  • 萌3
  • 中立2
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
2
得点
20
評価数
10
平均
2.5 / 5
神率
10%
著者
高塔望生 

作家さんの新作発表
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イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784815532239

あらすじ

古美術店を経営する杳宮渚はある日、競り市で青銅製の水盤を目にした瞬間、
どうしても手に入れたいという思いに駆られ法外な価格で競り落としてしまった。
購入したものの売り先に苦慮するそんな渚の前に現れたのは、謎に満ちた資産家、鬼燈だった。
鬼燈の正体は鬼神――咎により天界を追われて八百年、彼は天界と人界の狭間に住み、
流失した宝物や脱走者の捜索にあたっていたのだが、渚の水盤こそが長年探し求めていた宝水鑑で…。

表題作巡り愛鬼神譚

資産家で天界から追放された鬼神
古美術商経営,25

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数2

一つの宝物を巡る、壮大なドラマです

悲恋の果てに引き裂かれた恋人たちー。
再び巡り会ってと言う、壮大で感動的なお話になります。
プラス、天界の宝物をめぐる、ハラハラドキドキのバトルもの。

初読み作家さんになりますが、どストライクの設定の為、購入です。

ザックリした内容です。
古美術商を営む渚。
競り市で見つけた青銅製の水盤に強く惹かれ、法外な金額で競り落としてしまいます。
すると、その水盤を買い取りたいと現れたのが、謎の資産家・鬼燈。
実は鬼燈ですが、800年も前に天界を追放された鬼神で、天界から流出した宝物や脱走者を追う役割を負っていたんですね。
渚の競り落とした水盤ー。
それが、鬼燈の探し求めていた「龍の宝水鑑」でー・・・と言うものです。

まずこちら、天界で宮城の警護にあたる鬼燈と、覡・梛祇との、身分違いの恋からスタート。
偶然出会った二人は惹かれ合い、将来を約束するんですね。
しかし、二人の仲が露見すると梛祇は裏切り、聖なる存在である覡を汚した罰で鬼燈は天界を追放される。

そして800年後ー。
赦される日を待ち続けながら、天界から持ち出された宝物・龍の宝水鑑の行方を追う鬼燈。
その宝水鑑を所有する古美術商・渚と出会い・・・と言う流れ。

果たして、宝水鑑を取り戻し、鬼燈が天界に帰れる日がくるのか。
また、幼い頃から、何故か故郷から無理矢理引き離されたような、孤独と絶望を感じてきた渚。
鬼燈に強く惹かれる、その理由はー?
と言った所が見処でしょうか。

これ、ファンタジー好きなら思わず手にとっちゃう、とても魅力的な作品だと思うんですよね。
実際に、とても面白いのです。
続きが気になって、先に先にとページをめくらせてくれちゃう。
えーと、世界観がしっかり作り込まれてて面白い上に、天界から人間界から冥界まで。
壮大なスケールで語られる、一つの宝物を巡るドラマがハラハラドキドキさせてくれて。

あと、二人の恋愛部分。
先に悲恋ものと書きましたが、これがちょっと切ないんですね。
鬼燈を裏切ったとされる、梛祇の本当の望みー。

天界から追放され、自由を制限された状態で贖罪を続ける鬼燈も切ないですが、梛祇のその後の運命も切ない・・・(´;ω;`)
800年の時を経て、二人は再び愛し合う事が出来るのか。
って感じで。

う~ん。
孤独に生きてきた渚がですね、鬼燈との出会いにより、初めて寂しさを感じるんですね。
これまで、寂しいと言う事自体を知らなかった彼の孤独を思うと、なんだかとても切なくて。
それと、裏切られた事が心の傷となっている鬼燈。
真実が分かる瞬間には、胸が熱くなってしまう。
いや、梛祇も気の毒すぎたから。

と、素敵なお話なのです。
お話なのですが、微妙に引っ掛かると言うか、惜しい部分もありまして。
えーと、何だろう。
主役二人とも、感情の変化が急と言いますか。
彼の強引な態度に腹が立つと言ってたかと思うと、いつの間にかキスされて胸をトキメかせてる。
早い!
早いからー!!

また、ファンタジーと言うと、作者さんの好きに設定を作れるワケですが。
これが終盤の非常に重要な所で、ドラえもんの道具並みに都合の良いアイテム(機能?)が突然出てくる。
すごく素敵で感動的なシーンなのに、この飛び道具のせいで、妙に冷静になってしまう。
これ、伏線を張っといてー!

あと、これは完全に個人的な好みの問題なんですけど、終盤での主人公の変化がなんか微妙で。
渚は渚のままで、鬼燈と愛し合って欲しいなぁと。
同一人物だと分かっちゃいるけど、なんか件の人物に代わっちゃったみたいで悲しいと言うか。
何だろう。渚がどこかに行っちゃったみたいに感じちゃうんですよ。
彼に完全に感情移入してたため、気持ちの持ってきどころが無くて寂しいと言うか。
いや、こっちの方が萌える読者は多いと思うけど。
私がド神経質なだけだと思うけど。

まぁそんな感じで、とっても面白いんですけど、微妙に引っ掛かる部分もあるんですよね。
評価が難しいですが、一応「萌」で。

あと、すみません。
このレビューですが、梛祇の「祇」の字が間違ってます。
漢字が全然出て来なかった。
主要人物の漢字が違うって、作者さんにも作品に対しても、本当に申し訳ない。

11

最後の方の展開や真相にガッカリ

イラストが素敵でした。
でも鬼はすごくカッコよかったけど、人間の姿は普通でした。

人外もの好きだし、溺愛、甘々とか好きそうな要素だなとレビューを読んでから読みましたが・・・うーん、あんまり心動かされる事なく読み終わりました。

引き離された恋人同士が、運命のように人間界で出会い、片方は記憶がないけど、また惹かれ合うっていうシチュエーションはすごくよかったんですけど・・。

攻めの最初の強引さを払拭して、受けが攻めに心を許してきたかなーぐらいのところで、受けの前世の記憶が戻っちゃうので、出会ってから二人が愛を育む過程が、あんまりちゃんと描かれないのがイマイチ。

前世というか天上界での記憶を取り戻すと、もう急に人格が入れ替わっちゃった感じで、天上界にいた時の感じで受けが攻めと話し始めるので、なんかこれまでの二人の歩みはどこ行った?って感じがしてしまう。

せめて思い出した時は、元のその体での人格の渚が、天上界の記憶を思い出したっていう感じの話し方にしてほしかった。
急にスパッと切り替わっちゃうので、別人になったかのよう。
僕は天上界の者だったんだとか、あなたはシスイだったんだとか、そういうセリフを言わせて、渚にナギの記憶が戻って混じったんだ感を出してほしかった。

そしてシスイとナギを引き裂いた黒幕のナギの父の動機が自分の保身のためっていうのが、人間界の貴族社会っぽい感じで、「えー?神様とかの世界じゃないの?」って思いました。

人間的な感情もあって間違いも犯す神様達?の話なんだとしても、保身っていうのはなんかあまりに天上人っぽくない理由だなぁという気がしてしまって。

夜叉のヒヨウがお役目で人間界でずっと宝物を守っていたのに忘れ去られて消滅しそうになって恨んだっていうのは、自分で悪意を持って何かしたわけじゃなくて、自分に非はなかったのに相手に酷いことされてっていう、つまり誰かにされた事が発端でそれに対する反応ってことなので、わかります。

でも、ナギの父は、最初に自分が邪な心を持ってるのが発端で、しかも他の人を騙して罪をなすりつけて隠蔽してるなんて。
自分の保身のためって器小さいな、それで神様なの?って思ってしまう。

あんまりに低俗な理由でがっかりしました。

神様とは違うのかもしれないけど、地上に降りてたら神として奉られるような存在だから神様みたいな存在なんだろうし。

ナギの兄の場合は、ナギへの嫉妬で殺そうとまでするってだいぶ悪人だなと思う。
カンナギって清らかじゃないとダメだから、ナギ達は手を繋ぐのさえしてなかったっていうのに、体の清らかさだけで、心はいいの?って思う。
心の方が重要だよね?
あの珠を持ってたらカンナギは隠し事できないんじゃないの?
なのにナギの兄はだいぶ隠し事して、暗躍してたみたいなんだけど?

この世界の天界ってとこもそれほど詳しい説明がないから、よくわかんないとこが多くて、神官長って一体何するんだろうってのもわかんないんですけど、カンナギのナギがいずれ父の後をついで神官長にって事なら、清らかさが重視されるカンナギより更に上の清らかさを求められるんじゃないのかって思うのに、騙して誤魔化しても800年も露見しないってどうなの?

ナギが20歳になればカンナギとしての役目を終えることができると言ってた一方で、ナギの禊は千年だったり、夜叉は頭領が代替わりしてるけど、神官長はそのままだったり、この人達の時間の尺はどうなってんのかとか。
ナギの先読みは自分の事は読めないなら、シスイの事を読めばわかったんじゃないのかとか。

なんかこの天界の設定のツッコミどころは考え始めるといろいろあるなーと思いました。

渚からナギに別人に成り代わったかのような変わり方なので、やっと二人は一緒になれたんだねっていう盛り上がりを感じられませんでした。

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