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とても良かった。表紙からドロドロ系かと思ったら、淡々とした日常系でたまにコミカル。日々の生活と仕事がリアルに感じられ、だからこそそこに加わる恋愛描写が効いてくる。1組のカップルをじっくり追える作品。
メインカプは離婚直後の整形外科医・西紀と、ゲイの内科医・籐見。3本立てで、1作目は二人がカップルになるまで。2作目は問題児な研修医が絡んでドタバタ。3作目は二人の家に籐見の甥が転がり込んでくる話。
1作目は離婚で心身ともに参っている西紀を、入院と称して籐見の自宅に住まわせるところから始まる。籐見は生活力のない西紀の世話をしながら家事を教え込み、自立を支援する。共に生活するうちに、ノンケだった西紀の中に変化が?という感じ。
実直で天然気味な西紀と、少々魔性の気がある籐見。他者との将来を考えられず、さっぱりした付き合いを好んできた籐見は、重い気持ちをぶつけてくる西紀と、重くなる自身の気持ちに戸惑う。
が、一度決断すれば一直線。振り回される西紀がちょっと不憫ではあるけれど、それもまた楽しんでいけそうな二人で良かった。
2作目は研修医奥田が台風のように引っ掻き回していく話。医師や看護師をキレさせ病院内が大荒れな中、指導についた籐見に横恋慕まで。
このお話は、籐見の魅力が満載。西紀に甘えられるようになり、支え合う二人が見られるのも良い。最後のオチは、籐見に見捨てられた奥田の運命やいかに?という笑い含みな展開。面白かった。
3作目は籐見の甥で医大生の聖が、二人の住む家で夏休みを過ごす話。西紀に短期留学の話が持ち上がり、渡米前に二人で過ごせず悶々とする西紀と、聖の気持ちに気付いてさりげなくきっぱり振る籐見。
最後に犬を連れた二人と一匹のデートがとても素敵だった。
籐見に失恋した聖のその後の話は、「コンタクト・ゲージ」で読める。続けて読むとさらに楽しめた。月夜堂さんの作風がとても好き。