あらすじ
大正七年、スペイン風邪が世界的に流行し、草薙正造子爵の若き妻、桜子が夭逝した。欧州大戦も終戦を迎えた翌年の大正八年二月──
妻の死から立ち直れない正造が、久しぶりに訪れた汐留のカフェーで、不思議な美青年、各務賢治と出会う。さらにその夜、汐留停車場で奇妙な幽霊の噂を聞く。幽霊は外国人で、しかも横浜に双子の兄弟がいるという。興味を持った正造は調べる気になったのだが……?
※草薙正造子爵は「厄介な連中」シリーズのオンボロ洋館を建てた人物ですが、洋館を建てる前の物語ですし、「厄介」のキャラは一人も登場しないので、独立した物語のつもりです。大正ロマンを目指してみました。