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massugu na meiro
めちゃくちゃ良かった!読み物として神。ただし地雷要素満載で、万人受けする作品ではない。誰にもオススメできないが、私は大好きな作品。
まず注意事項として、ネグレクトや児童性虐待が描かれる。行為も相手も吐き気をもよおすもので、はっきり言ってグロい。さらにはBLに関しても、性加害やペドが絡んでくる相手で、決して清廉潔白ではない。
だがこのグロさが庸の闇深な内面に重みを持たせており、誰も信じない・頼らない、他人に興味を持てない・自分のことすら分からない状態に説得力がある。庸の心理描写は読み応えがあり、目が離せなくなった。
個性的な登場人物たちも魅力的。大学の仲間をなかなか友達と思えない庸だったが、少しずつでも確実に影響は受けていて、人との関わり方を覚えていくのが良い。
物語は、途中から思わぬ方向に進んでいく。庸の不可解だった津久見への言動の意味が分かるにつれ、津久見の印象がガラっと変わる。
血の繋がらない母を特別視し、マザコンを自称しながら庸に惚れた津久見。未練の残る元妻を重ねて庸を犯した父親。この二人が庸の向こうに同じ女性を見ていたかもしれない恐ろしさにゾクっとする。
悲惨だった庸を救い出した弁護士の財前は、客として幼少期の庸を抱いた男でもある。体の関係は続いているが、財前はそのうち身を引くつもりだし、庸は恩を身体で返しているつもりで、表面上そこに愛や恋は介在しない。
体を抜きにして見た二人の関係性は、父子に近い気がしなくもない。が、始まりから歪んでいた二人で、損得抜きの関係を知らない庸が受け入れるには、こういう形しか無かったのかと思う。常に金を返すことばかり考える庸の心情が切ない。
庸に迫る男は他にも一人、主に三人出てくる。誰とくっつくかは最後まで分からない。商業BL小説と違い、全員とお別れエンドもあり得る、と思いながら読めるのも楽しいところ。個人的には納まるべきところに納まったと思う。
多くの人の心に触れ、ゆっくり変わっていく庸。まだまだ心配なところもあるけれど、読後感は良い。言葉にならない温かな余韻を感じられる作品。とても良かった。
不遇な生い立ちの主人公が、再生していく過程に感動しました。
サブキャラが立っていて、いい味を出しています。
ヘビーなストーリーですが、どんどん惹き込まれ読みました。
この作家さんの筆力、とても素晴らしいと思います。
医師白衣もの大好きです✩︎⡱
全作品を読みたいと思います!
オススメします!