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yokuou no shinai
天上界を舞台とした、有翼人の王と生まれ代わりの神子による、壮大な愛の物語になります。
二人の純愛に泣きましたよ!
最後の一行に、涙腺が崩壊しましたよ!!
これ、ストーリーとしてもめちゃくちゃ面白くて、終盤でのどんでん返しに歓喜しちゃう方が多いんじゃないでしょうかね。
いやね、頭から信じきっていたと言うか、疑問にも思わなかったので、まさかこう来たかって感じで。
序盤からエンジン全開で切ない為、どうしようかと思いましたが、最後はそれを上回る感動と喜びを覚える事が出来ました。
ちなみに、萌え処としては攻めの溺愛ぶり。
彼の一途さと健気さにも泣きましたよ。
内容ですが、有翼人の王・トリティ×生け贄に選ばれた神子の青年・シスによる、生まれ変わりもので天界を舞台とした壮大なファンタジーになります。
珍しい金色の髪と空色の瞳を持つ事から、神子として育てられた孤児の青年・シス。
18才になる直前、天上界への供物となる事が決まるんですね。
彼は、実は有翼人の王・イシュカだったと言う前世の記憶を持っていますが、想い人だった次代の王・トリティに保護され、愛妾として過ごす事に。
今世でもどうしようもなくトリティに惹かれますが、彼には既に伴侶が居てー・・・と言うものです。
まずこちら、序盤ですが、即位して間もない有翼人の王・イシュカが、地上人の生け贄の儀式を撤廃しようとしている所からスタート。
元々は生け贄として天上界にやってきた母親と、王である父親との間に生まれた彼は、地上人との混血である為、重臣達から侮られているんですね。
そんな中、内心の震えを押し隠し、毅然とした態度で残酷で意味の無い儀式を撤廃しようとするのが格好いいのです。
そう、とても聡明で思いやりのある、優しい青年なんですね。
で、そんな彼を慕うのが、次代の王とされるまだ幼い従弟・トリティ。
イシュカですが、母親からの血により、天上では珍しい白い翼の持ち主になるんですね。
忌み嫌われるその翼を、美しいと誉め、真っ直ぐな思慕を見せるトリティ。
こう、周りは敵ばかりと言う冷たい王城の中で、唯一心安らぐあたたかい関係と言いますか。
そして五年後ー。
何故か妖魔が次々現れ、王として人々を守る為に戦い続けながら、衰弱して行くイシュカ。
実は地上人との混血である彼は、成人後は一気に老いて行く運命なんですね。
翼の力に身体が耐えられず。
自身が王となる事で、そんな彼を退位させ、少しでも命を長引かせようとするトリティ。
もうこれ、すっごく切ないんですよ。
王墓に正しく葬られれば、死後の世界で神の末席に迎えられ、楽園で永遠を過ごせる。
ただし、王墓に葬られなければ、百年を死後の世界で過ごした後、再びこの世に生まれ変わるー。
こう、楽園で再会する事を約束する二人。
必ず、あなたの傍に行く。寂しい思いは絶対させない。
また、胸を張って出迎える為に、残された時間を王として、精一杯生きたい・・・。
これぞ純愛だよー!と泣けちゃうんですよ。
二人の残された時間が、少しでも優しいものにと願っちゃうんですよ。
で、ここから急転直下。
何者かに襲われたイシュカが翼をもぎ取られ、雲海に落ちたまま行方不明になるんですね。
そして18年後ー。
未だイシュカを探し続けるトリティ。
そこに、イシュカの記憶を持つ青年・シスが、生け贄として再び天界へー。
と言う流れ。
撤廃したハズの生け贄が、何故再び要求されたのか。
そして、生け贄となったシスの運命はー?
と言ったのが見処でしょうか。
一応これ、色々複雑な事情はありますが、ちゃんとトリティは生け贄を撤廃しようと頑張ってます。
で、とりあえず、生け贄と言う立場であるシスを守る為、自分の愛妾(のふり)にするトリティ。
何故かイシュカそっくりな上に、共に過ごすと安らぎを覚えるシスに惹かれてゆくんですね。
またイシュカはイシュカで、トリティに想いを募らせてゆくものの、既に伴侶が居るらしい彼に、前世の事は語れず・・・と続きます。
う~ん・・・。
トリティですが、とにかくイシュカが大好きなんですよ。
まぁ、なので、イシュカとシスがシンクロしては、ドギマギしたり、逆に罪悪感に苛まれちゃう。
また、しつこいですが大好きな為、ささいなシスの言動から、彼はイシュカの生まれ変わりなのではと目敏く気付くー。
こう、読者としては、シスが前世の事を隠してるのが、もどかしくてもどかしくて仕方ないんですよね。
そんなワケで、シスがイシュカだとトリティにバレる瞬間が、もうめちゃくちゃ滾る!
色々な誤解が解けて、二人がようやく結ばれるワケですが、もう泣けましたもん。
良かった!
二人とも、本当に良かったねぇ!!てなもんで。
あとですね、ここから更に、どんでん返しがございます。
いや、こう来るかー!とビックリ。
読み返してみるとちゃんと伏線は張ってあるんですけど、でもそれがすごく巧みなんですよね。
いや、この真実には歓喜しちゃったけど。
あと、最後の一行がとにかく印象的で、思わず泣けちゃいましたよ。
ああ、やっと、二人はたどり着いたんだねと。
とりあえず、すっごく素敵なお話だと思います。
攻めがとにかく一途で、彼の愛が最初から最後まで揺るぎないと言うのも、個人的ツボでした。
2019年刊。
久々に純度の高いファンタジーを満喫できた。
おまけに高星さんの挿絵と相まってキラキラ感が半端ない。
一冊読み終えるまでに一体どれだけ”たはー(*´Д`)☆ミ”となった事やら…
読む前は前世ものにある、既に現世を生きている当人を目の当たりにして、何故生まれ変わる前の人格に拘るんじゃい!?と引っ掛かりが出るのを懸念していたが、実際は何の違和感もなく読めた。
それもそのはずで、生まれ変わったシスは、かつて翼王として天上人の為に身も心も捧げてきたイシュカの記憶を完全に引き継いでいたから。
生まれ変わる前のイシュカと現世のシスを切り離しようがない。
実は、この部分に物語最大の仕掛けがある。
過去に地上人の生贄を要求しての儀式に反対していたイシュカだが、皮肉にも神子として育ったシスが次の翼王の生贄にと差し出されてしまう流れと繋がって、クライマックスで驚きと喜びに興奮するのだ。
シスはイシュカの記憶を通して、慕ってくれていた次翼王・トリティに恋焦がれているのだが、トリティのほうも同じくイシュカに対して熱い想いを持っている。
トリティも、幼い頃に出逢ったイシュカに一瞬で一目惚れしている訳だからね。
イシュカへの敬愛から強い愛情へ変わっていく様子に胸打たれるだけでなく、その愛情が駄々洩れで悶えまくってしまったのだった。
シスとは際どいところまで身体を重ねていても、最後の一線を越えようとしなかったトリティの忍耐強さもイシュカ一筋でいる証の表れだし「イシュカ様は亡くなっていない!!」と信じ続けた粘り強さにもぐっときた。
いかに彼の胸中がイシュカで占められているのかって感じ入っているところに、終いには「私のイシュカ様が」と出てくる(笑)
ちなみに、作中では『翼の根本に触る行為を許すのは特別な相手だけ』って意味合いが出ていて、有翼人らしい求愛表現がある。
イシュカってば昔からよくトリティの翼を撫でていた描写があるのだが、そんな一目ぼれした可憐な人からの無防備さには、いくらお互いが当時幼かったとはいえトリティには堪らなかったのじゃないかな?( *´艸`)
こちらの作品はあらすじで損をしてると思いました。
冒頭を読みながら?ってなったのであらすじを読まないで読むことをお勧めします。
シスの前世の記憶からトリティーの一途な思いや、シスの誤解は何となく読者は気がつくのですが、それでも切なくて途中に何度も泣きました。
悪魔の存在や黒幕の正体など、後半になるにしたがってハラハラどきどきしてとても面白かったです。
全翼王の護衛官のケルなどの存在がとても物語に深みを与えていたように思いました。
シスが人間でこれからどうなるのだろうって言う心配も、最後のどんでん返しでホッとしました。
ハッピーエンドが好きな人に向いていると思います。
愛を貫く姿に感動しました。
とてもよかったのです。もうすでにたくさんのあらすじと感想が書かれていて、書くことがないので感想を少しだけ。
翼王のイシュカ(シス)が天上人と地上人との混血ということと珍しい白い翼のせいで他の天上人から畏れられ蔑まれる中で、翼王という役割を誠実にこなしていったことが認められて、知らないうちに味方が増えていっていたこと、そしてそのことに最後に気が付けて、本当に良かったです。
そして、なんといってもトリティの愛には脱帽です。
行方不明になったとき、イシュカに心を捧げると決めたという言葉には感動しました。
楽園とは愛する人がいる場所なんですね。
最後の一文がとても素敵でした。
とはいえ、後日談として、最後に地上に一度戻って説明をするところも読んでみたかったです。
シスが殺されていなかったことや翼が生えていることに喜び驚くティカはじめ神子たちの姿や、側妃にしようと思いながらも供物にしなければならなかった皇帝の腰を抜かす姿が見たかったです。
地上で再成長したことによりイシュカは地上人のことも天上人のことも思いやれる翼王になることでしょう。
そんな姿も読んでみたかったです。
とにかく、トリティの愛に感動する話でした。
面白かった!
水樹さんの過去作を読んで、面白いものを書くだろうと思っていましたが、今作も当たりで嬉しい!
前世の記憶を持った主人公のシスが、とても健気なのに芯のある好感の持てるキャラなのです。
前世の出来事の書き方とかも分かりやすくて、攻めのトリティの気持ちを想像すると堪らなくなります。
シスの、ここで死んじゃうのかー!となってからの現世へ。
そしてトリティとの出会い。
トリティがまた良い奴で、約束をちゃんと守ってくれてたり、「ああ、前世のイシュカのことがこんなに好きだったのかあ」と思わせる描写が多々あって、本当に幸せになって‼と、読みながらずっと思ってました。
そして見どころはやはり、シスの前世がイシュカとトリティにバレるところです。
バレるにあたっての前振りの出来事がいくつかあるのあるのですが、もうそこから私は大好きで何度も読み返してしまっています。
でも終盤でも大きなヤマが待っていて、読み終えるのがとても惜しくなります。
後日談の話が読みたいです‼
二人がただただ幸せに暮らしている話が読みたいです!
個人的に、ただ挿絵が…。表紙はキレイですが、他がちょっとさっぱりしすぎてて残念でした。
羽が!このお話の大事な羽をもっと書き込んで‼
高星先生の挿絵目当てで購入。思っていた以上にお話が好きだったので萌と萌2の中間です。本編270Pほど+あとがき。空飛ぶものが好きな方にはおススメしたい。羽根ものスキー。
天上人の王(翼王)を父とし、地上人の母から産まれたイシュカ。
父王の後をついで翼王となりましたが、2000年の伝統を持つ生贄の儀式を行わないと大臣たちに宣言します。地上人の母の事を思い、地上人に対して生贄を要求したくなかったのです。純粋な天上人ではないイシュカに対して、周囲は協力的ではなく唯一賛成してくれたのは又従兄弟にあたるトリティで・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
<天上人>オリエラ(大臣)、ケル(イシュカの護衛官)、ファフ、チェナ(天上界にいるアルパカ)、ヤチカ(シスの世話係)
<地上人>ティカ(神子仲間)、ミクト(皇帝)ぐらいかな。
天上舞台の時間の方が長いです。
**好きだったところ
なんてったって空を飛ぶところ!!!気持ちのよい風を感じる記載がところどころにあって、飛ぶもの好き人間にとっては、うっとりです!それに翼の根本が感じちゃうところだなんて、やーん、読んでるこっちがなんだか背中がむずがゆくなるー照れるー(笑)。
攻めさんは誠実、一途で、性欲大魔神というものではなく、割合紳士的な態度なので好感度高し。押しが弱いと感じる人がいるかもですが、いざ!となったらしっかり押し倒してますので、ご安心ください。戦力的にも強いし、帝王!という風情ではないけれども王様としてちゃんと強いので安心です。
受けさんは清楚、凛々しく健気だけどメンタル的に強いから、よわっちいという印象は全くないです。きりっとしていてさすが翼王というところ。
王様×元王様で、もともと好き合っていた二人なので、穏やか、かつ、しっかりとした愛情があり、浮ついた感が無くてとても良かったでした。老後は楽園で二人仲良くゆっくりしてね・・・
ド派手な何かがあるかと言われると、空飛ぶところぐらいかなと思うのですが、私は空飛ぶものが大好きなのでかなり満足でした。高星先生の挿絵もお話の雰囲気にピッタリと感じます!羽根、大好き!