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意地を張るな。俺の前では素直に甘えろ。
unmei no mofumofu
朝香先生と言うと、受けを全身全霊で大好きな攻めと言うのがとても多いのですが、今回もまさにそのタイプ。
いや、これでもかととどまる所を知らない熱すぎる愛情表現に、終始ニヤニヤさせて貰いましたよ。
ザックリした内容です。
仕事に疲れきっていた、サラ金会社社長の静奈。
突然の胸の痛みに気を失い、目を覚ますと、虎の耳と尻尾を持つ人々が暮らす異世界へと来ていたんですね。
そこでは国王・ラドの窮地を救った英雄として、強引に国王の伴侶にされてしまい・・・と言うものです。
まずこちら、設定だったり世界観だったりが、ちょっと複雑でして。
この世界では竜血樹に雷が落ちると竜が出現し、王族にしかその竜が倒せないんですね。
また、王族が危機に陥った時に発動する「転送魔法」だったり、かけた相手の心が空虚になった時に発動する「虚無の帰還法」だったりが存在しまして。
で、実は過去に、転送魔法により現代日本に飛ばされた仔虎姿のラドと静奈は出会っていて、その時に虚無の帰還法の魔法痕を静奈は付けられた。
その為、静奈が疲れきって心が虚ろになったタイミングで、この世界に転移したー。
と言う流れ。
これ、ラドですが、日本に飛ばされた時に助けてくれて、愛情を注いでくれた静奈に対して、恋したんですね。
で、日本で元気に生きてるなら、それでいい。
たとえ二度と会えなくても、幸せを願い続けよう。
しかし、心が虚無になる程辛い思いをしているなら、自分が目一杯愛して幸せにしよう。
だから、虚無の帰還法を静奈に施したー。
と、このへんの設定は、なかなか心を打たれて素敵です。
が、他はちょい詰め込み過ぎに感じるんですよね。
いや、何だろう・・・。
ファンタジーと言うと、作者さんが好きに作り込めるワケですが、ちょっと都合が良く感じちゃう設定が多いと言うか。
その為、微妙に引っ掛かっちゃうと言うか。
と、若干引っ掛かる部分はあるんですけど、この作品の一番の魅力は溺愛描写!
そう、朝香先生お得意の、受け大好きな愛情爆発攻めになるんですね。
で、この溺愛描写が甘い甘い!
再会時には「うおおおおお!」と雄叫びを上げて、静奈が窒息せんばかりに抱き締めて大歓迎。
で「約束を信じ、待っていて良かった!」と、早々に伴侶となるための儀式。
この約束ですが、虎では無く猫だと勘違いしていた静奈が、「ずっと一緒だよ」的に言ったヤツになるんですけど。
そして、伴侶の儀式と言うのが、要はエッチなんですけど。
これ、静奈が若干気の毒な気はするんですけど、ラドがこれでもかと大好きオーラを出して大切に抱く為、印象としては甘々なんですよね。
この後も、お風呂から着替えから食事からと、それこそ手取り足取り世話を焼いてと、もうひたすら甘いんですよね。
いや、いそいそと嬉しげに静奈の面倒を見るラドが、あまりに幸せそうで、こっちも幸せ気分だよ!と。
またこれ、異世界トリップものなので、常識のズレみたいのも面白くてですね。
虎である攻めが受けの肩を踏みしだけば、「そ、そんな! 陛下がまさか人前で、ふむふみをなされるとは・・・!」みたいな描写に吹き出してしまう。
基本、ラド達はモフの特性を持ってる為、お腹を見せて「さあ、思う存分腹を撫でてくれ!」みたいのにもニヤニヤしちゃうと言うか。
いや、モフ好きにはたまらんがな!
ついでに、ラドの亡き兄王の忘れ形見であるちびモフ達も出てくるんですけど、この子達も可愛いすぎるよ!と。
と、ここから、竜に襲われた事をキッカケに転移魔法が発動し、日本へと戻ってしまった静奈。
ラド達と離れた事で、自分にとって本当に大切なものが何かと気付いて・・・と言う流れ。
これな~。
実は、静奈の育った家庭環境と言うのは結構かわいそうなもので、自分の存在価値は親から受け継いだ会社を守る事だけだと思い込んでいたんですね。
そんな彼が、ラドからの深い愛情により、気持ちを解き放って行くのが素敵なのです。
そう、愛する人に必要とされている。
それ以上の存在理由がいるでしょうか?
と、笑いあり萌えありモフあり感動ありと、とても魅力的な作品でした。
ところで、ラド達王族は代々竜と戦い続けと、ここが痛々しいんですよね。
兄王も、竜に殺されてますし。
この部分になんらかの解決が見られると、個人的には嬉しかったですね。
竜の発生を阻止するメカニズムを発見するとか。
だって、今のままなら、ちびモフ達も将来は戦わなきゃいけないんだよなぁ。
心配ですよ。
今回は竜を撃退する力を持つ白虎の国王と
異世界トリップした日本人のサラ金会社社長のお話です。
救国の英雄にして攻様の伴侶となった受様が幸せをつかむまで。
受様の養父は町金融を一代で大手金融会社に成長させた男です。受様は
母の連れ子で、再婚後に弟が生まれますが、母は受様にいずれお前が
会社を継いで守るのだ、そのために養育してもらえているのだと厳しく
育てられます。
受様は法令や経営を学ばされて会社を継ぎますが、母の洗脳に近い呪縛
で両親の死後も会社第一で生きてきます。片や弟は自由に我儘に育ち、
兄の存在を煙たく思っていて、最近では何かと張り合うようになります。
受様はこのところの業績赤字対策に頭を痛めていましたが、弟は幹部3人
を懐柔し、受様を追い落としにかかってきます。連日続く会議は受様の
身も心も蝕みます。
疲れた身体で帰宅した受様は何のために生まれてきたのか、会社が無く
なったら恋人も要人もいない自分に何が残るのかと虚しくなります。
すると受様の胸を激しい痛みが襲い、意識を失ってしまいます。
キヒィーーイイ、という奇妙な甲高い音に目を覚ました受様の視界に映っ
たのは緑の茂みでした。その不快な大音響は爬虫類に似た巨大生物が発し
ている様で、木々の間から見えたそれは"竜"に似ていました。
受様は変な夢だと訝しみますが、絶叫の合間にか細い助けを求める声が
聞こえます。竜は足元の何かと戦ってでもいるかのようで、声の方へと
進むと竜の巣らしきものの中で蔓草でぐるぐる巻きにされた子供2人を
発見します。
救い出した子供達には丸い耳と縞模様の尻尾がありました。彼らは竜は
危険だから王家が成敗するのだと言いますが、受様達の行動に気付いた
かのように竜が近づき、そこへ金属製の剣が飛んできます。
受様は竜の前足がつかむ男が必死に剣を求めている様に気付き、その大剣
を男に投げつけると男は見事に竜を切り倒します。この剣士こそ今回の
攻様になります♪
攻様は水と森の豊かなこの国を治める勇猛果敢な白虎の王で、受様が助け
た子供達は、攻様の兄である前王の遺児でした。
攻様は自分達と同じ耳も尻尾も持たない受様に驚いたようですが、受様
の名前を聞くと咆哮を上げて抱き締めてきます。しかもやっと再会でき
た、もう離さないと言われても受様には意味不明です。
攻様は勝利を喜ぶ人々に受様を王と王子の危機を救った救国の英雄だと
紹介し、受様を城に迎え入れます。受様は状況がわからないままに攻様
と永遠の契りを結ばされ、攻様の花嫁とされてしまうのです!!
果たして救国の英雄にして王妃となった受様の運命はいかに!?
義父から継いだ会社だけを生きがいにしていた受様が攻様と甥達と関わ
る事で自分自身の幸せを見つけるもふもふファンタジーになります♪
攻様の国の森と山を形成する樹々は竜血樹と呼ばれ、人々に様々な恩恵
をもたらしますが、竜血樹に雷が落ちると"竜"となり、竜は王族が魔力
のある宝玉をはめ込んだ宝剣でしか葬れません。そして死んだ竜が植物
へと生まれ変わる奇怪国こそ受様が住んでいた世界だったのです。
幼い頃攻様は竜の牙にかかりそうになって奇怪国に行き、そこで獣姿に
なった攻様はしばらくの間、受様、の飼い猫として過ごしていたのです。
当時の受様も幼く、庭に迷い込んだ攻様を猫だと思って可愛がっていま
した。
攻様は当時の受様が寂しそうに見え、心が虚無で満ちるほどに寂しくな
ると発動する"虚無の帰還法"を受様にかけました。奇怪国で幸せになれ
ないなら自分が幸せにすると施したものだったのです。
攻様の魔法が発動したのは、受様が心が空っぽになるほど辛い日々を
贈っていたからなのだから、これからは自分が幸せにしてやるからな
と攻様は受様を可愛がり溺愛し始めるのです。
しかし、受様は生きがいにしていた会社の事が気になって日本に帰る
事ばかり考えてしまいます。受様は自分の価値を会社社長としての
受様にしか見いだせないのですよ。
それでも攻様や子供達と過ごす事で徐々にこの世界で生きる事に、攻様
の隣で彼らに必要とされる事に徐々に馴染み始めていくのです。ところ
がそんな受様の存在を面白くないと思う貴族達の策略と不幸な偶然が
重なり、受様は再びトリップする事になり、ハラハラMAX!!
受様が攻様を必要とし、身体だけではなく心も攻様の妃となるまで
たいへん楽しく読ませて頂きました (^O^)/
攻様は王族の務めとして日々竜の脅威と戦っています。戦いに出れば
勇猛果敢な攻様がいそいそと受様の給仕したり、受様の身体を誰にも
見せたくないからと身体を洗う役目を女官からとりあげたり、受様の
両肩をふみふみしたりするシーンのギッャプも良かったです♪
また、カバーイラストのだるるんとした2匹の小虎達と、耳尻尾付の
人姿の攻様に抱きかかえられて迷惑だけど嫌と言えない感じな受様の
構図はすごく萌えツボでした。
今回は榛名悠さん『白虎さまと子守りいたします。』をおススメです。
こちらも異世界トリップなもふもふになります。
母親の呪いともいえる願いによって心が空っぽになってしまったサラ金会社の社長が愛するものを見つける話。
<あらすじ>
サラ金会社社長・邑上静奈(受け)は養父から受け継いだ会社のため身を粉にして働いていました。
が、業績は悪くなる一方で異父弟ともそのことで言い争いになるほど。
幼い頃から母親に義父のために会社を継ぐことを教養されてきた静奈にとって会社こそが生きる希望であり存在意義でした。
母親が亡くなってしまった今、自分が何のために生まれてきたのかとむなしく思うようになったその時、突然胸が苦しくなり気を失ってしまいます。
気が付いたとき、何故か巨大な竜が暴れており、男と戦っていたのです。
その男・ラド(攻め)は静奈を知っていたようで、大喜びで宮殿に連れていきます。
静奈は母の連れ子でその後異父弟が生まれたのですが、母親は血のつながらない息子を育ててもらうことへの罪悪感か、静奈を養父の役に立つ人間になるように育てました。
自分の人生に疑問を持ち生きる気力がなくなったとき、何故か知らない世界に転移していたのでした。
自分を知っているようなラドの態度を不思議に思っている間にあれよあれよと契りを結ばされ結婚式までしてしまい混乱するのですが、ラドからなれそめを聞かされこれでもかと溺愛され、今まで誰にも甘えることのできなかった静奈は会社のことが気になりながらも心穏やかに満たされた気持ちになるのでした。
ラドはグリンブリスティン国の国王です。
静奈がいた世界のことをラドたちは奇怪国と呼んでいて、ラドのいる世界と繋がっています。
この国にある竜血樹という樹に雷が落ちると竜が発現し、その竜は王族だけが屠ることができ、命果てた後は奇怪国で植物として転生するというのです。
王族は竜の牙にかかるとき緊急避難方法として奇怪国へと転送されるらしく、その時ラドと静奈は出会ったのでした。
ラドは静奈の世話を焼きたがり、他人が静奈に触るのも気に入らないと言って侍女がする仕事も取り上げて甘やかしまくります。
たとえ、国王が自らするなど前代未聞だと言われても気にしません。
これからはこれが最初の前例だと静奈を溺愛するのです。
母親の呪縛から逃れられず、会社を守ることだけが自分の価値だという静奈に、
「会社は静奈を幸せにはしない、自分が静奈を幸せにしたいと思うことが静奈の価値だ」というラドに自分を大切にされることの喜びを感じるのです。
ここで共に生きていこうと決心する静奈でしたが、そのことをよく思わない者もおり・・・
自分の生きる価値を母親に勝手に決められ洗脳された静奈はとても気の毒でした。
そして、ラドは兄が急逝し国王を継いだ身でありながら、迷いなく王族としての務めを果たし、忘れ形見の二人の幼い兄弟を育てていてとても好感が持てました。
ラドの甥っ子二人は本当にかわいくて、静奈の癒しになっていたのがよくわかります。
そして小さくても王族としての誇りを持って恐ろしい竜と対峙しようとする心意気は立派だと思いました。
登場人物としては、静奈の異父弟とその取り巻き、ラドの侍従長・ハティ、その他大勢といった感じでした。
静奈に対するやっかみのようなものはあるけれど、王族がいないと成り立たないという国なので、これからもきっと静奈はまもられていくのでしょう。
でも、雷が鳴るたびに竜が発生しそれは王族しか対応できないとなると、王族が少ないのが気になります。
二人で力を合わせて幸せを掴みとってほしいと思いました。
ラドが溺愛する中で、笑ったのがふみふみです。
肩揉みのようなものだと思ったのですが、侍女たちが「陛下がふみふみを!」
「なんと高貴なふみふみであられることか!」などと驚いているシーンはちょっと笑えました。ふみふみという言葉になった途端すごく可愛いもののように感じてしまって。
静奈の呪縛はあってもそれ以外は基本溺愛ものなので、ストレスなく楽しかったです。
はじめましての先生でした。もふもふ溺愛記載がすっごく良かったですが、王道のお話かなと思ったので、萌にしました。本編230Pほど+あとがき。しま先生の挿絵すっごく良かったでした!褐色イケメンの丸耳めっちゃ可愛い!!!!
義父から継いだサラ金会社の社長の静奈。育ててもらった恩義や、母からの厳しいしつけ等により、会社命な働きっぷりだったのですが、父亡き後、弟の康博と少しずつ対立することが増えてきて、何のために働いているのか・・と虚しさを感じるようになったある日、胸の痛みで気を失い、目覚めるとそこは見たことのない美しい緑に囲まれたところで・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
フェオ、ウル(耳シッポ付きのちみっこ)、ハティ(侍従長)、弟(人間)ぐらいかな。
フェオとウルが可愛い部分を担当してくれています。
**良かったところ
攻めのラドがめっちゃ勇猛で王様らしい王様で、超カッコいいのに!静奈にべたぼれで、甘えまくりな様子がめちゃくちゃ面白かったです!最高だったのが、ふみふみ!肩もみするのですが、それを見て周囲の人間が「国王陛下がふみふみを!」などと驚愕するシーンが超面白かったです!
その他、受けがもともとモフモフ好きで、お子様二人の超愛らしい様子に悶絶するシーンや、静奈の世話をしたくて、「俺が洗う!」と体洗ったり歯磨きさせようとしたりして、強がっている受けを照れさせるところも良かったです!
ただ私自身が社畜気味なので、受けが会社の事を気にするあたりや、結局会社は自分がいなくても回るんだと思うあたりが、ちょっと寂しかったかな。会社もいいけど、モフモフに愛されて満たされた生活ってのは確かに素敵★なんですけどね。
王道ですが、とにかくモフモフ好きなんだ!!!!という方にはかなりおススメしたいお話でした。