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俺のことを好きになれ
toraou no himegoto
う〜ん、途中かなり切なかったです。
甘々が相殺されちゃうくらいジュダルが切なくて、それを引きずり読む方は回復できないまま終わっちゃった感じです。
天涯孤独のジュダルが王アンリに引き取られ、兵か使用人になるのか?と思いきや側室だと。
しかも後に男の本命を側室に迎えるので、その為の前例作りだと。動じなくて見た目が好みだったからと。
後宮の姫様達に王は龍人に想い人がいて…などと吹き込まれ、サラサラ直毛も白い肌もその人の身代わりか?と思うジュダル。
とうとう結ばれて愛しいと言われて。俺のことを何があっても信じてくれ、お前だけだからな。とは言ったものの…。
なのに!アンリは新しい男の側室を迎えて。
ジュダルは、あぁ彼の為の前例作りだったのか。
今夜もアンリは彼の元へ通って彼を抱いているのか?と切なくて切なくて。
そしてそんなことを思う自分をなんて傲慢なんだと落ち込んで。
こちらとしては、いや、きっとアンリはジュダルのことを一番だと思ってるはず!会えるときはハッスルしてるし。だけど新しい側室って誰なの?とジュダルの思いにこちらも引きずられて…。
シーハン様の言う通りですよ!
何も教えないからジュダルを不安にさせて悲しませて。
シーハン様の何もかもお見通しなのも、人間姿が麗しいのも素敵です!
ジュダルに誤解されて苦しんだアンリの気持ちもわかるけど…。でもなあ。
ジュダルに初めての恋心を教えたけど、恋の苦しさも散々味あわせて。
ファリド二世があのキャラで良かったです。
龍の妻恋いのスピンオフとのこと。前作未読で読めましたが、前作読んでた方が楽しかったんじゃないかなという気が少しします。攻め受けともめちゃくちゃ萌え上がるというものが無かったので萌にしました。本編260P超+あとがき。王道お話と思います。
天虎界の首都、豪商の店で働く天涯孤独のジュダル。華奢な体つきで、血筋からか小さい白猫みたいな虎にしかなれません。みんなからバカにされている日々でしたが、ある日店に来た王様がジュダルの勇ましい様子に目を留め・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
ドライド(王の従者)、ゾバイダ(受けの侍女)、シーハン(亀、特別顧問らしい)、ファリド(王の従兄弟)、他の後宮の女子たち少々ぐらいかな。あとがきによると、攻めが前作に出ていたようです。
**攻め受けについて
攻めは王様らしい王様。実の父親が内戦の結果、王になったことを気にかけていて、元の王の血筋に継承権を・・と考えたりする、まっとうな方でした。面白みにはちょっと欠けるかな。
受けさんは天然、無垢、健気でちょっと「すっとこ」という印象。健気+すっとこなところで少し笑いを誘うかという方でしたが、猛烈に萌えるなあとは思わなかったです。一番萌えたのは、攻めが虎姿になって受けにブラッシングしてもらうところかな。こっちまでうっとりするような毛並み描写でした・・
手酷いところとか地雷はあまりないのではと思ったのと、色っぽいシーンは程よい色艶に感じたので、小説あまり読んだことないという方にもおススメできるのではと思ったお話でした。
今回は天の四界の西の天虎界を治める虎王と
白地に薄いグレー縞で華奢な体格の豪商の下働きお話です。
天涯孤独の受様が攻様の後継問題に巻込まれながらも幸せを掴むにまで。
天には天竜界、天亀界、天鳳界、天虎界の四界があります。その中でも人
の姿と虎の姿の両方を持つ虎人達が住む天虎界では強いこと、たくましい
ことがもっとも尊ばれ、気性が荒いことも虎人達の特徴とされます。
受様は虎人ですが人姿でも虎姿でも小柄で、虎姿の体毛は白に薄いグレー
の縞な事から「ネコ」という屈辱的な仇名を付けられています。その上一
般的な虎人は黒い巻き毛で褐色の肌、黒や褐色の瞳なのに、受様は日に透
ける銀髪で直毛、白い肌に瞳は濃い紫と人姿でも異質なのです。
異質な外見が目立たぬように母は幼い受様に砂漠に群生する黒蜜花の実で
染色する方法を教え、夜に濡れた髪を巻いて多少のうねりをつける事で少
しでも目立たぬようにしていきました。
受様は父を知らず7才で母を病亡くすと、借家から追い出されてしまいます。
その後、都一の布地屋である豪商に拾われますが、それは衣食住の心配が
なくなっただけで、受様は10年たっても給金も休みももらえず、役立たず
と罵倒されながらこき使われていたのです。
そんなある日、豪商の店に虎王がやってきます。今の虎王は弱冠20才で亡
き父王の後を継いで7年、そのたくましさと美しさで国中の憧憬を集めてい
ます。この虎王こそ今回の攻様になります♪
店中の者が店の前に並んで膝をつく中、攻様は随身1人を連れて現れます。
受様は即位パレードの際には幼すぎて王の乗る輿の飾りしか見れず、虎王
を近くてせ見るのは初めてでしたが、りりしく清廉な気性がうかがえ、
立派で美しい王だなぁと思います。
王を迎え入れた後、受様は食事の手伝いのために厨房に入りますが、豪商
と王が商談している奥の間に呼び出されます。受様は豪商が売り込もうと
していた"矢も通さず剣も跳ね返す布"を巻かれて切りつけられる役目をさ
せるために呼び出されたのです。
豪商は受様が切られても騙されたと切り抜けるつもりでしょう。逃げられ
ないと悟った受様は豪商の喉にくらいつく勢いでぎっと睨みつけます。
そんな受様の様子に気付いた攻様は受様の心意気を気に入り、自分の腕に
件の布を巻きつけて剣を振るい、自らが実験台となるのです。その上、布
とともに受様を家来として王宮に連れ帰る事を望みます。
勇敢な者をそばに置きたいとつねづね思っていたと言う攻様に、受様は信
じられない思いでしたが、王に認められたと思うと自分を誇らしくさえ思
うのです。
ところが受様が連れていかれたのは、王の私的な場である男子禁制の後宮
で、食事や湯あみの後には純白の寝衣で豪華な絹の寝台の上に1人残され
てしまうのです。
果たして受様を連れ帰った攻様の真意とは!?
楠田先生の既刊『龍の妻恋い ~うそつき龍の嫁取綺譚~』のスピンオフで
天龍界にて既刊の攻様宅に預けられていた仔虎の恋物語になります♪
シャレード文庫のHP企画でWEB連載したスペシャル ストーリーに加筆修正
されての文庫化となりますが、既刊キャラが登場したりはしないので本作の
みでも楽しく読めるお仕立てです。
それなりに世情に通じている受様は自分の状況が薄々と察せられますが、
やってきた攻様が側室として受様を召し上げた事を告げられ、自分の勘違
いが恥ずかしく、情けなくなります。
しかし攻様が受様の勇敢さを買ってくれていた事には間違いなく、兵士にな
りたいという受様の望みのために条件付きの勝負さえも引き受けてくれるの
です。
結果的には王宮一強い攻様に勝てるはずはなく攻様の側室となりますが、
攻様は意に染まぬ関係を無理強いするつもりはなく、受様が攻様を好きにな
ってくれたら本当の側室にするというのです。
というのも攻様にはいずれ後宮に入れたい少年がいて、少年を連れてきた時
に色々探られないようにと、受様を前段として実績を作りたかったのだとい
うのです。
受様は一抹の寂しさを覚えながらも攻様の側室として後宮暮らしを始めま
す。夜な夜な攻様に抱きしめられて眠ったり、王宮に相応しい立ち振る舞い
や礼儀作法を学んだり、攻様の妃になりたい娘達に嫌味を言われたりしな
がらの日々に受様は攻様に無自覚ながらも惹かれていくのです。
しかし受様が後宮にいるのは攻様がやがて迎える少年のためなのです。
それは思いのほか受様を不安にさせていくのですが、気持ちは止められませ
ん。
元々受様を可愛いと思っていた攻様は受様の気持ちの変化を逃さず、受様を
自分のものにしてしまいます♡ 名実ともに攻様の側室となった受様ですが、
攻様の初恋を知り、当初から攻様が望んでいた少年が後宮入りしたりと
次々と心を乱される出来事に遭遇するの事になります。
そして攻様の生誕祭が迫る中、王宮内でも不穏な動きが見え始めるのです。
受様に隠されたていた攻様の目的が明かされ、受様の誤解が解けて攻様の
手を取るまでワクワク&ドキドキ、とっても楽しく読めました♪
受様の容姿や攻様が迎えたかった少年と王位継承問題についてもキチンと
伏線が張られていて、納得のいく展開と幕引きで、週一のWEB連載の更新も
楽しくよめましたけど、文庫になって羽純先生の素敵なビジュアルで世界観
に深みが増していてさらに良かったです。
個人的には虎姿でもふられるカットがあったらもっと良かったな o(>_<)o
今回は楠田さんの既刊『龍の妻恋い ~うそつき龍の嫁取綺譚~』をおススメ
とします。仔虎の攻様が可愛いですよ♡
天虎界と言う、虎人達が暮らす世界を舞台としたアラブ風ファンタジーで「龍の妻恋い ~うそつき龍の嫁取綺譚~」のスピンオフになります。
今作だけで問題無く読めます。
ちなみに、前作が既読の方は、アンリ(攻め)の「昔の想い人」あたりでニヤリとしちゃうんじゃないでしょうか。
で、こちら、天涯孤独な上に他の虎人達とは違う容姿のせいで苦労して生きてきた主人公ー。
そんな彼が、思いがけず天虎界を治める虎王から見初められと、超王道のシンデレラストーリーになるんですね。
これがこれが、もうやたら甘くて可愛くてと、攻めの溺愛ぶりだったり受けの初々しい言動だったりが楽しくてですねぇ!
いや、楠田先生と言うと、結構クセの強い攻めが多い印象なんですよね。
完全にイッちゃってる執着攻めとか。
それが今作では、包容力があり思いやり深くと、人間の超デキた溺愛攻め。
甘いな~!
甘すぎるな!!と。
実はこの攻め、前作にも登場していた仔虎の安里になるんですけど、もうめっちゃいい男に育ってるんですよ。
「立派になって!」と、近所のおばちゃん状態で読んじゃうんですよ!
前作が既読の方は、このあたりもお楽しみいただけると思うんですけど。
ザックリした内容です。
天涯孤独な上に、華奢な体型や周囲と違う肌や髪の色のせいで、他の虎人達から軽んじられているジュダル。
下働きしている商店を訪れた虎王・アーリレディン(アンリ)にその勇敢さを買われ、家来として召し抱えられる事になるんですね。
喜び勇んで張り切るジュダルですが、連れて来られたのは何故か後宮でー・・・と言うものです。
これ、実はアンリには後宮に迎えたい本命の少年がおり、彼の為に「後宮に少年を置く」と言う実績を作りたい。
そこで、ジュダルに協力を頼みたい・・・と言うのがアンリの語る真相。
その為、偽りの愛妾の座に付くと言う流れになるんですけど。
と、こちら、「アンリには本命の相手がいて、自分は偽りの愛妾でしかない」と言う多少の切なさはあれど、基本的には超甘々で可愛い作品になるんですね。
いや、なんと言っても、攻めの溺愛ぶりが最高でして!
そもそもジュダルですが、天涯孤独で周囲から軽んじられと言っても、決してメソメソしてるか弱いタイプでは無いのです。
負けん気が強く、こう一人でも逞しく生きていけるような雄々しいタイプと言いますか。
雑草系と言いますか。
で、そんなジュダルの勇ましく毅然とした言動を好ましく思い、後宮へと連れて来たアンリ。
彼はですね、もう包容力攻めの鏡なのです。
愛妾だと知り自分の勘違いに恥じ入るジュダルにですね、「男の身で愛されるのがいやだと言うなら、無理強いはしないぞ」と、ちゃんと意思を尊重する。
また、その勇敢さ故に、王として時に危険な立場である自分の傍に置けると思ったと、ジュダルの美点を認め、真摯に語る・・・。
そして、偽の愛妾としての協力を頼む。
いや、アンリ、なんていい男に育ったの・・・!
で、ここから溺愛パート。
偽の愛妾として遊んで暮らすのでは無く、何か役に立ちたいと言うジュダルに対して、「では抱えて眠り、髪を撫でたい」と言い出すアンリ。
ついでに、虎姿でのブラッシングをねだる。
こう、毎晩毎晩髪を漉きながら抱きしめて眠り、虎になってはブラッシングしてもらい、ゴロゴロ喉をならしちゃったりしてんですよ。
また、「俺に抱かれてもいい。俺のものになってもいいと言ってくれるなら、遠慮はせぬ」と、隙あらば口説く。
いやもうこれ、明らかに「本命の少年云々~」って、嘘だよね?
手に入れる気、満々だよね?
と、読者をほくそ笑ませてくれる流れなんですよ。
と、そんな日々を過ごすうち、アンリへの愛しさを深めてゆくジュダル。
しかし、アンリとの他愛ない会話から、自分が「昔の想い人」の身代わりなのではないかと思い至り、ショックを受けるんですね。
また、ついに「本命の少年」が後宮へと入り・・・と続きます。
う~ん・・・。
これ、ジュダルはかなり傷つきと、ちょっと切なくはあるものの、読者側はアンリを信用してられるんですよね。
絶対何らかの事情があるハズで、裏切ってたりはしてない的に。
だって、アンリだし。
まぁそんなワケで、そこまでヤキモキしないで読んでられると思うんですけど。
とりあえず、ここから「本命の少年」の真相が分かり、更にそれに絡んで事件に巻き込まれと、ハラハラドキドキの展開で読ませてくれます。
いや~、本当、アンリ格好よすぎるなぁ!
ついでに、誤解が解けた後の怒涛の告白合戦と、甘々エッチが最高ですがな。
あとこちら、web連載作品になるんですけど、濃厚エロが加筆されてます。
アンリがですね、完全に暴走しちゃってまして、ジュダルがちょい気の毒なくらい。
いや、楽しいけど!
また、エピローグですが、とても賑やかで幸せいっぱいでと、思わず嬉しくなっちゃう感じ。
ジュダルになつく意外な伏兵登場と、アンリがヤキモキしてるのにも、ニヤニヤしちゃいましたよ。
ところで、サブキャラである腹心のドライドだったり、亀のシーハン。
彼等もとても魅力的でした。
特にシーハンがですね、クールで理知的な麗人って感じで、なんとも萌え心を刺激するんですよ。
今度は彼で、スピンオフをお願いしたいです。
青龍や白虎や朱雀が主役になる事はあれど、玄武が主役って見ないんですよね。
亀で地味だからなのか。
地味な所がいいのに。