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主人公は大学生と15歳の中学生という取り合わせ。
5歳の年齢差なのですが、大学生の空閑は中学3年の大地の兄の友人という関係です。
お話を読んでいくと、このお話の前にもお話があったのではないかと感じることがあると思うのですが、それは雑誌に掲載されたようで、この単行本には収録されていませんでした。
結構気になっていたところなので、少し残念。
大地はサッカー少年なのですが、それがこのお話の軸にもなっていて、高校受験や将来の夢について揺れる思春期の少年の心境が丁寧に描かれていたと思います。
外見もカッコ良くて良くモテる彼なので、それなりに女の子とも付き合ったことがあるようなのですが、それでも空閑に迫る彼は中学生とは思えない大胆さでした(笑)。
今後の2人のお話も楽しみです。
小学生の頃お世話になってて、少女小説のイメージを抱いていたコバルト文庫からBLが出ているという驚愕の事実をちるちるで知り、しばし動揺していたのは数年前のこと。中学生×大学生。この組み合わせ、初めて遭遇しました。
サッカーが大好きな中学生の大地とその兄の友人との、恋人同士のような微妙な関係を描いたストーリー。初恋の人が年上の同性っていうところが妙にノスタルジックで、一周回ってドキドキさせられてしまった。受けと攻め、両方の視点を織り交ぜて描いてくださっていますが、シフトの仕方が無理なく自然でとっても読みやすい。
小学生と中学生で出会った二人は、中学生と大学生となって再会します。読み始めは若干年代が若すぎるような気がしたけれども、心理描写が丁寧なのでじっくりと二人の心情の移ろいを味わうことができたし、なにより思春期の体育会系男子をとっても上手に描いてくれていてドキドキ。
大地は部活でもFCでも有望視されている逸材。サッカーが好きだからこそ高校へはスポーツ推薦ではなく、一般受験で入りたいと思っていた。かつて兄の所へ遊びに来ていた空閑(くが)は、再会をきっかけに大地の勉強を見るため再び家へやって来るようになる。単純に子供だった頃から大地が可愛くて、ついつい世話を焼いてしまう空閑だけれど、なぜ彼のことを気に掛けてしまうのか改めて考えると不思議…。
単に慕っているだけだと思っていた年上のお兄さんなのに、彼には自分だけを見ていて欲しいとか、キスしたいと思うのは間違っているのだろうか。将来の進路についてや、サッカーの試合中に起きたアクシデント。空閑へのモヤモヤとした思い。他方、そんな思春期真っ只中の少年のそばから離れられない自分って一体どーなの?と疑問を持ち始める空閑。現に学業と並行してドラマの脚本を書いている空閑は、大地からの反応を一番に楽しみにしていていたりもする。
タイトルにある「色」の理由は本編で明らかにされます。その色を生み出す小道具がこのお話のキーになると思いますが、人物紹介ページの空閑のところにのっけから「大地のファーストキスの相手」って、ネタバレ&端折りすぎ。。もしかして前段階のお話が雑誌のみに掲載されていたりするのかな?
この後『風の色を映す』に続きます。真っ直ぐな恋のお話でありながら麻生先生ってさりげなく色っぽいシーンを挟むんだよなぁ。小山田あみ先生のイラストがクッキリと美しく、あとがきによると掲載雑誌の方では大地の子供時代の絵が載っていて一見の価値アリ!だそうですが、今となっては難しいですね。当時、雑誌で読まれていた方が羨ましいよー。
麻生先生の初読が【キスしたあとの唇】で、この方、毒っ気あるな~と思ったんです、だから、次読む時は“心して”って^^
なのに、本作は全く違ってて、におい系とも取れる訥々とした青い話でした!
苦手かも?コバルト文庫だしな~って自己処理したけど、何か違う毒?
中3の大地が今気になる事は、サッカーと高校受験と、そして小さい頃からキレイだと思っていた空閑がまた家に遊びに来るようになった事。
空閑は20才の大学生になった今もあの頃の面影がある。
うつむいた時の睫毛やキレイな横顔、自分が自慢したいくらい。
その空閑が、自分を友達だと言ってくれて、とても嬉しい。
サッカーの試合を見に来てくれて、家庭教師も、夜の電話も、表面には出ないけど、すごく嬉しい。
心に何もないフラットな状態で、空閑の口唇に自分の口唇を霞めるように触れさせてみた・・・って、おいっ!
困惑する空閑に、大地が「もう1回。ダメ?」って、可愛過ぎだろー?!
くあーっ!痛てーっ!濁った今の自分にはコレ「毒」だーっ!
自分同様な人は、何かに当たりたくなる事、必至だと思う!
口唇のお触りっ!何か恥ずかしいよ~~!
別に大きな事件が起きる訳でもないのだけど、何なの?この甘可愛いさはっ!
青春の最初の方の甘酸っぱさを、懐古・想像したい方に、お薦めです!
小山田あみ先生のイラストが、キレイだしっ!