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deatteinakattadake
メインカプの出会い方が今どき危険に感じて、このお話大丈夫かな?と読み始めは消極的だったのですが、結果好きなタイプの二人だったので楽しく読ませていただきました。リーマン好きならBL的お仕事描写にも満足させてもらえるんじゃないかな。
突然、彼女に振られた賀上。その帰りしなに泥酔した見知らぬ男(九条)を介抱して家に連れ帰ったところ、ちょっと気まずい展開に…。翌日、二人は職場で再会し、ビジネス上のお客様同士となります。
賀上は仕事にこそ真摯だけれど、天然であまり物事に執着のないタイプ。そんな彼が、あらためてビジネス相手として一つ年下の九条と向き合ってみると、そのメチャクチャ有能かつ爽やかイケメンぶりにひたすら惚れ惚れするばかり…。…だったのに、いつのまにか恋に変わっていく過程がとても自然でした。
誰かを恋愛対象として意識してしまうと、キャラがいきなりオトメ化・女子化したりすることがままあるんですけど、賀上はずっと天然をかまし続ける男性のままだったのがツボにハマりました。彼の場合は相手が同性で仕事上の絡みがあったからこそ、その人からの好意を汲み取れて、なおかつ自分からも積極的になっちゃったっていうのがね…、賀上の彼女だった女性たちからしたら半笑い&ジト目になっちゃいますよね。
他方の九条ですが、きっとオスとしての本能的部分が強いってことを自覚しているからこそ、常に意識して理性をフル稼働させてるタイプ。それでも抑えきれなくなってしまったオス本能がつい職場で出てしまったシーンは、BLらしくて不意にキュンっときました。九条の朧げだった賀上への思いが形を成してきた後は、賀上の天然ぶりのせいでどんだけ見えないところでヤキモキしていたんだろうかと…笑
本作は恋の開花部分をじっくりと追えるのがとっても魅力で、エッチなシーンも個人的に好みだったんです。なので、他の作品も読んでみたいと思ったのですが、作家様情報が無きに等しくて悲しい…
なんの足しにもならないレビューですけど、作家様の作品読みたいよ!の読者側アピールとしてひっそり残しておきたいと思います…。
初読み作家さん。商業デビューらしい。とても自由な構成。
落ちていた酔っ払いイケメンを家に持って帰るという、BLテンプレから始まるリーマンもの。翌日取引先の営業マンとして現れるところまでがお約束。
再会後は一緒に仕事をする中で相手の良さを知っていく展開。
受けの伸哉は仕事上の祐だけを見て人間性を判断していて、おいおい……と思った。こんなことまでしてくれる、と感激するが、祐はあくまでも仕事としてやったこと。そこを都合良く捉えて薄情じゃないとかイイ人と思い込むのはどうなんだろう。営業スマイルを本気の笑顔と受け取る勘違い男と同じ匂いを感じてしまった。
祐はいまいち掴みづらい。その場での視点変更があるのに、感情描写は後々になって説明される感じとか。章ごとに別人のようにも見えるし……ストレスで人格変わる設定か?
受け視点と攻め視点の切り替えはかなり頻繁に行われる。これは読みやすさや伝わりやすさより、作者の書きやすさを優先しているように見えた。工夫すれば受け視点のままいけたような、ほんのワンシーンだけでも攻め視点に切り替えて書いており、非常に読み辛い。読者を意識せずに書かれた投稿作のよう。
告白シーンで唐突に積極的になる伸哉。受けが積極的なのは良いが、気持ちを言葉で伝える前にいきなり襲い、性欲に訴えかけるのは動物的すぎて。人間ならまず言葉で伝えんか?と思った。それに対し苦言を呈する祐も、前科があるだけにお前が言うな状態。どちらもいきなり手を出してばかりで、ある意味お似合いなカップルだった。
くっついた後の章はタイトル回収。二人ともすっかり性格が変わっていて、間を置いて書かれたのかと思った。祐はちらっと魅力的に思えるところもあったため、内面に一貫性があればなあと惜しい。
これが商業レベルか……とため息が出るのが本音。このレーベルは投稿作をそのまま載せてるのかな。
読後感は悪くない。表紙イラストとタイトルが好き。
一戸ミヅさん @mizuichinohe
『出会っていなかっただけ』スピカ文庫 くるみ舎
【年下雄×やや流されメガネ受】リーマンオフィスラブ
九条佑、 広告代理店勤務、27 合理主義。伸哉以外にはクール。
賀上伸哉、サラリーマン、 28 度が強い近眼。仕事ができるお人好し。
初めての商業本だそうです。
Amazonの書評では、中々の好評価・・それから、リーマンものが好きな読者の会社や勤務状況の描写についての感想が入ってたな~。
この作品は、仕事場面の描写が細かい。
仕事が出来て性格が善い男の良さが分かるのは、同じかそれ以上に仕事ができる男性だということみたい。
受に向けて攻が、「あなたの良さが分かる人と、未だ出会っていないだけ」と呟く場面が作中ありました。
公園のベンチで泥酔して寝ていた見知らぬサラリーマンを自宅に連れて行って介抱する、という余り日常であり得ないことで始まる物語だけど、恋愛ものというより業務日誌のような印象を受けてしまった。著者は、電機メーカーに勤務した経験があるのかも?
八千代ハルさんの表紙を見て想像した内容とちょっと違った。甘くない。
まだ一回しか読んで居ないけれど、私には余りピンときませんでした。
もう一度読み返すともう少し良さが味わえるかもしれません。