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そばにいてほしい。だから、弾かなきゃ──
ai wo koi koi wo kanaderu
「今日から、僕がきみの恋人になります」
そう言って、生きる希望を失ったピアニスト・紬季の元へと現れた1人の男。
同レーベルから出版された愛傷コレクションにも通ずるものがありますが、葵居先生が書く、自分のことを大切にしない受けをひたすらにねっとりと愛でて、一見うんうんと自暴自棄な受けの言うことを聞いてあげているようで聞かず、甘やかにどろどろと愛で尽くす攻めが好きです。
痛くしてと言われれば、それとは真逆の丁寧すぎる前戯をするタイプ。
丁寧にじっくり、時間と手間を惜しまず、ただただ優しく傷を癒す甘い言葉で相手の心と身体を自分専用の形に作り変えてしまう攻めというのかな。
作中で攻めの真紘が苦手としていた、蜘蛛が獲物を絡めとるような…
気が付けば身も心も囚われてしまっている状態に陥っていた…なんて、そんな素晴らしい手腕をこれでもかと見せつける、紳士的に見えるのだけれど実は利己的な、やや常軌を逸した攻めが好きです。
彼女なしの世界では弾く意味などないのだ。
最愛の家族を失うと共に、生きる意味もピアノを弾く意味も、自分の存在価値すらも失ってしまった紬季。
こちらの作品は、半身とも言える義妹を失い、深い心の傷を負ったピアニストの救済物語なのだと思うのです。
紬季という1人の人間を救う物語と言った方が正しいのかもしれません。それを考えると、この展開は荒療治な部分もありながら、救済物語としてはきっと美しいものなのだろうなと思いつつ…
ただ、個人的な好みを言えば、中盤までの2人だけの世界の方に魅力を感じてしまったんですね。
紬季を世間に出して評価されてほしいと願うのは、亡くなった義妹を含む周囲の人々の勝手であって、紬季自身がそれを心から望んでいたようにはとても見えなかったものですから、やや蛇足なようにも感じてしまって。
表舞台へは姿を見せずに、2人だけの世界で生み出された音源だけが世間へと広まる…甘い檻の中で共依存関係に陥った2人も見てみたかったです。
衣服の皺まで丁寧に書かれている挿絵。硬い線の絵が、紬希の脆さを表している。
満和紬季:
実母に育児放棄され、7才で満和家に養子になる。
沙凪江が喜ぶのでピアノを演奏、沙凪江の希望で留学。
帰国後、沙凪江が紬季を庇って事故死。紬季は、後追い自殺を図る。
沙凪江を失い、ピアノを弾く意味を失って弾けない。
誰かに必要とされなければ生きていけないトラウマ持ち。
銀城真絋:
ピアノ調律師。川上に依頼されて、紬希の身の回りの世話をしに来る。
自殺未遂をした紬希に「捨てる命なら、自分がもらう。今日から恋人だ」と告げる。
紬希に沙凪江が死を認めさせ、現実に引き戻す。
幼い頃に紬希の演奏を聞いて感動をして以来のファン。
川上と組んで、もう一度紬希にピアノを弾かせようと・・。
満和沙凪江:
紬希が養子に入った家の娘。紬希の名付け主。紬希が弾くピアノの音を愛していた。
進行性の弱視。 紬希を庇い、目の前で死亡。
川上:
紬希の仕事仲間。生存確認の為に真絋を雇い、派遣する。
育児放棄されて、施設に居た紬希は養子。他人=沙凪江の喜びの為にピアノを演奏してきた。
沙凪江を失い、次は恋人の真絋の為に、ピアノを弾こうとする。
紬希が、自分の喜びを見つけるまでの物語。
とても大事な件を扱っているなーと思った。
同人誌に、続編が出ている。 https://bit.ly/3qO6ip7
紬希が恋愛に夢中。 人間らしくなっているんだな、と思った。
攻による執着と言う名のトリートメントが受の傷と喪失を癒すラブストーリーで、”愛傷コレクション”が好みの作品だった読者(私)には当然のようにハマりました!
葵居先生によって、”敬語でえげつなくせめる”という性癖の扉が開いてしまいました。丁寧にとんでもねーことをいたしてしまう攻、そんなとんでもねー要求に従順な受、このパターンに萌えがあることに今まで気づきませんでした。というか、たぶん他の作品でこの属性のCPにハマるのかな?と考えると、そうでもないような気がするので、やはりそこは、作品の世界観をうまく利用した先生の筆力のおかげな気がしてなりません。
主人公がピアニストということで、期待してた以上に行間から音楽が聞こえてくるような芳醇で美しい仕立てでした。また、調律師(兼プロデューサー)が攻でピアニストが受っていうのも、めちゃくちゃいい設定だな~と思ってしまいました。調律師のテクニックにピアニストがいい音色を奏でるっていう、、激しくエロくて納得のカップリング…!
ミドリノエバ先生のスタイリッシュなイラストが、作品のムードにとてもよく似合っていて素敵でした。本当に、こちらのレーベルさま、いい仕事してたな~と改めて惜しまれます。
紬季視点でもどかしく悲しく、そうじゃないんだよと何度も言いたくなるようなお話でした。
荒療治で真紘にされたことは、うーん結果オーライ?なのか?
なんだか読んでるときは真紘が尽くす様子に心が温まりましたが、紬季が復活したとたん勝手にあれこれ決めて動き出して、ええ?となりました。なぜ真紘がそんな権限を?契約してもないのに。
マネージャー兼調律師として態度が豹変して。
今度は紬季は真紘のせいでどんどん追いつめられていき。
いや、紬季の考え方が偏っているのもあるんですが、なぜきちんと説明してあげなかったの?いきなりレコーディングだコンサートだって事務的になって。紬季がおかしくなっていくのが辛くて辛くて。
結局全ては紬季のためだったようですが、何度も言いますがなぜ説明しなかった?そうすれば多少揉めても納得して、ここまで心を痛めなくて済んだのに。
最後のエッチもね…。こんなことしてたら紬季が死んじゃうよ。なにが調律しますだよ。君は繊細なピアノだよ。無茶してるくせに。
エッチに指図ばっかりで。
読んでるとだんだん真紘が嫌いになってきました。
「素敵な夏の爽やかな乙女の曲を、あんな真冬の死神みたいなテンションで弾かれたら、もっと好きにならずにはいられません。きみの悲しみがどんなに深いか、こっちまで苦しいくらい伝わってくるんだから」
天才ピアニストの喪失と救済のお話とは一見共感するところがなさそうですが、その人の能力や魅力と存在の大切さは無関係なのだと教えてくれる優しい物語。余り劇的な設定はありませんが、その分しっとり内面を描きつつ溺愛で甘エロありのお話でした。
両親に愛されず育ったせいで自分の価値を認められない柚希、唯一の存在理由だった義妹を亡くしてしまい、今度は真紘の言動にしがみつく不安定さは痛々しかった。人の評価でしか自分を測れないとか、共感できる部分もあり苦しかった。
柚季が美しい音を健やかに奏でられるよう、精神面で調律(隅々まで毎日愛してそして鳴かせる…)し、ピアノも調律する真紘。
彼自身が柚季に人生を救われていて、共依存のようで良きパートナーとして共鳴し合える二人という感じでした。
勝手に恋人になると言ってあんなにべったりな生活をしておいて、急に無理やり箱庭から出すなんて大人といえどヒドイ。
真紘が柚季に相談なく突然川上を呼び戻し、復帰後恋人な触れ合いが無いことですれ違うところはどうも納得出来なくて、後日二人納得したとは言え萌2評価にさせていただきました。
溺愛溺愛執着攻め!!
生きる気力を無くしたピアニスト紬季の世話を焼いて焼いて、
紬季の本心じゃないタメにならないことは
とことん無視して甘く甘く攻めてくの!溜らん!!
ありとあらゆる言葉で紬季を肯定し、
紬季の悲しみを開放するためにも言葉と態度で尽くす尽くす。
本心から出るストレートさ潔さには男気も感じ、愛が深い!
ピアノの音や食事で紬季が再生してさまが伝わってくるのも素敵。
少しづつ真紘に心許してくのは甘くてむずキュン。
ツンツンしてた子が甘えたくなり、
でも素直になれなくて、甘えれるようなってくの、とっても可愛い!!
あー可愛い、甘い甘い~からの、傾倒っぷりが危うくなり…
真紘に応えたいのに空回ってくの苦しくて狂おしくて、
レコーディングのシーンは本当に最高にヤバかった。
大好きな人に応えられない自分(モノ)なんていらいないっての最高に好き!
それを違うんだよーーーって骨の髄から整えてくのも!
お耽美さと甘さと重さの塩梅!
生きる力になるってすごくてすごかった!
山あり谷あり、身も心もほぐされてくストーリー大好きです。
身体もとことん結腸まで解されてく濃厚えっちも最高でした。
何かの作品に触れて激しく感動してしまうと、私はそれを作った人のことも好きになります。崇拝することもあります。
実際は作品のイメージと作者の人となりが違うこともあるのですが、でも、どこか作品に通じる部分がある様な気がします。
紬季にとってピアノを弾く才能は義妹の沙凪江を喜ばせるための単なる手段という認識だったのかもしれません。でも、芸術は人が生み出すものですけれど、生み出された芸術も作者に対して大きな影響を与えるものだと思うのです。
紬季がそれを拒んでも、かれの音楽と彼はやはり一体のものだと思うのです。
作者よりも批評する立場にいる人の方が、良く解っている場合があります。
真絋という人は優秀な批評家でもある人なのでしょう。
彼の音楽を愛することと彼自身を愛することは同じことだと思っている。
真絋にとっては紬季の音楽は『性愛の香り』がするものだったのかもしれません。だから、肉体的にも愛したのだろうと。
途中で2人の間に起きる誤解は、紬季がどれだけ『箱入り』の芸術家だったのかが解るエピソードだと思います。この子ども子どもしさは少し心配。彼が持っているものが、大人になって落ち着いたら消えてしまうタイプの煌めきではありませんように。
ネット社会の広がりによって、芸術で生きていくやり方が変わって来ています。
昔ながらの芸術家とそのパトロン、あるいはつま(妻でも夫でも)の様な関係性に萌えました。
自分を無価値だと思っていたピアニストが救われる話
トラウマにより自分は無価値だと思い込んでいる天才ピアニスト満和紬季(受け)。
こんな自分を愛してくれた義妹の沙凪江に人生を捧げていたのに、彼女は自分を庇って事故で死んでしまった。
ピアノを弾いているのだって沙凪江が喜ぶからというだけだったのに・・・
「自分なんていらない」と心を病んでしまった紬季は別荘に引きこもってしまうのですが、ある日世話係として紬季のピアノに救われたという男・銀城真紘(攻め)が訪ねてきます。
「あなたが好きです。あなたの恋人になります。どうせ死ぬなら、君のことは僕がもらいます。」と真紘は初めは強引にそして優しく紬季を癒してくれるのです。
真紘に癒されて真紘のためにピアノを弾こうと決めた紬季ですが、真紘は紬季のピアノをたくさんの人に聴かせたいと言ってくるのです。
幼少期のネグレクトに加え母親に捨てられたことで、自分はごみのような存在で生きる価値がないと思い込んでいるのが可哀そうでなりません。
養護施設で沙凪江が紬季を選び養子に迎えられますが、何故自分が良くしてもらえるのかわからず、沙凪江が目の病でそれを支えてほしいと言われて初めて自分の価値を見出し納得するのも辛いです。
自分は無価値だという想いはどれだけ真紘が言葉や態度で示しても、根底では受け入れられなくて、真紘がたくさんの人に聴いてもらいたいといったら、自分のピアノだけが好きなのだと誤解してしまうのです。
真紘が好きになっていた紬季は失恋したと思い込み、捨てられないようピアノを頑張らないとと自分を追い込みます。
養父が沙凪江を支えてほしいといったことを謝り、紬季のための人生を生きてほしいと諭しに来ても、結果はもっと真紘のために頑張らないとという違う方向への行動でした。
皆に愛されていることが全く受け入れられない紬季も聞いてもらえない周りの人も読んでいて辛かった。
せっかく、別荘で真紘と一緒にいて癒された心がまた病んでいくのも、行き場のない焦りに心が悲鳴を上げているのを読んでいるのが辛かったです。
辛い辛いと書いてしまいましたが、全体的には紬季がたっぷり愛され甘やかされています。
ただ、真紘をはじめ皆が紬季を愛しているのに、過去のトラウマのせいで自分に価値があると言われても他人が信じられないのです。
どんどん自分を追い詰めていく紬季がどうなるのか心配でしたが、真紘が自分の行動の間違いというか勘違いされていることに気が付いて、かなりの荒療治だったけど紬季が我に返って本当に良かった。
再び一年の休暇を取ることにした二人。
できれば、たっぷり休息してたっぷり愛されて自分の価値をちゃんと見つけた真紘の凱旋公演まで読みたかったなと思いました。
とてもよかった。
文章表現がすごく綺麗でした。音楽や攻め受けの心の動きの比喩が、まるで質量を持って読者に向かってくるような…。繊細できらきら光るような、美しい表現に圧倒されました。
甘く切なく、あたたかく切なく、優しく…じんわり心にしみいる文章がとても良かったです。
受けの自己犠牲的な愛の表現が、切なくも愛おしくて、すっかりはまってしまいました。
攻めは受けを溺愛しているのですが、受けのためにと斜め上の努力をしてしまうところも、どこか若さゆえな青臭さや人間味を感じて、いわゆるスパダリすぎないところが可愛らしくて大好きです。
割れ鍋に綴じ蓋というか、どこか危うい共依存愛のような雰囲気もありますが、それもまた耽美さを感じられて良かったです。
読んでよかったなあと思ったステキな作品でした。感想を書きながら、また読み返したくなりました。
受けがピアニストの小説ということで、演奏の描写はその穏やかな空気を感じ気持ち良かったです。
生き甲斐であった妹への気持ちにもウルっときました。
だけども、自分の好みにはちっともハマりませんでした。
愛し合った二人に対して深い感情が湧いてこなかった。
受けの紬季の真紘に対する執着ぶりはめんどくささと共に異常とも感じてしまった。
攻めの真紘は真実の愛を抱いていたとしても、恋人スタートは常軌を逸していると思うし素性を明かしてからの余所余所しさは見せ掛けだったとしても酷いものだと思う。
結果的に紬季は救われ相思相愛だったからこそのハピエンだけど、もしも紬季が真紘に恋愛感情を抱かなかったらと思うと…。
二人の行動に違和感を持ってしまったら最後まで盛り上がれませんでした。残念。