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ao no kotonoha
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「言ノ葉」シリーズ新作です。
シリーズと言えど主役組も新キャラですし、舞台は300年後なので、今作だけで問題無く読めます。
で、こちら、「人の心の声が聞こえる人物」というのがテーマになるシリーズなんですね。
心の声が聞こえてしまうが故の苦悩だったり、逆に相手の恋心や欲情なんかがダダ漏れと言う萌えが見処の。
が、今回は、なんとお相手となる受けだけの「心の声」が聞こえないと言うパターンでして。
こう、ミステリー要素もあって、最後の種明かしであっと言わせてくれるんですよ。
しっかりしたストーリーや緻密に張られた伏線、そして巧みに誘われるミスリードと、かなり読み応えがあると思うんですよ。
そして、泣かせてくれるんですよ!
もう、受けが切なすぎる・・・!(TдT)
そして健気すぎる!!
まぁそんなワケで、すごく心を動かされる素敵な作品でした。
内容ですが、心の声が聞こえる天才学者・ソウマ×唯一心の声が聞こえない謎の美青年・アオによる、未来が舞台のミステリーで純愛ものです。
ある日突然心の声が聞こえるようになり、全ての研究を放棄して荒野に引きこもった天才学者のソウマ。
そんな彼の元で働かせて欲しいと、アオと名乗る美青年が訪ねてくるんですね。
何故か心の声が聞こえないアオに興味を引かれ、同居して仕事を手伝ってもらう事にしたソウマ。
共に暮らすうち、純粋で真っ直ぐなアオに惹かれてゆきますがー・・・と言うものです。
まずこちら、しっかり作り込まれた世界観が魅力だと思うんですけど。
今から300年後が舞台になっていて、まさにSF映画みたいな世界観なんですよね。
えーと、埋め込んだ機械で人は自由に通信が出来、冷凍睡眠で寿命を操り、家庭用ロボットが家事をやるー。
そんな便利な世界で、荒野に引きこもり自力で農業をやる変わり者の天才学者・ソウマ。
こう、彼は天才故に人の気持ちに鈍い青年だったんですね。
それがある日突然、周囲の心の声が丸聞こえになり、追い詰められて行くー。
そしてなにもかも嫌になり、一人荒野で暮らし始めた。
で、そんな彼が唯一、心の声を聞くことが出来ない青年・アオ。
実はアオですが、事故により10年もの間コールドスリープを経験しています。
そのせいか、すごく世間知らずで純粋、そして真っ直ぐな青年なんですね。
最初こそ「心の声」の謎を探るため、アオを置いてやる事にしたソウマ。
しかしアオと過ごすうちに、その純粋で素直な所に惹かれて行くー。
そして、二人は恋に落ちる・・・。
この、二人の距離が少しずつ少しずつ近づいて行く様が丁寧に綴られ、なんとも甘酸っぱくてキュンキュンさせてくれるんですね。
人が信じられず一人きりでロボットとだけ暮らしていたソウマ。
そんな彼が恋をして、幸せそうなのもまた嬉しくて。
と、ここまでは甘酸っぱくて優しい印象。
が、ここから急転直下。
明らかに世間一般の常識から疎く、何故か「心の声」が無いアオ。
そして、彼がソウマに秘密で、夜間に行っている不審な行動。
また、二百年前に撮られた写真に写る、アオとそっくりのアンドロイド。
一体、アオの正体はー?
と続きます。
何だろう・・・。
ここで、この300年後の未来と言う設定が、とても生きているんですね。
とりあえずネタバレ無しで読んだ方が絶対面白いと思うので、避けたいと思うんですけど。
ただですね、とにかくアオが健気で切ないんですよ。
二人は結構なスレ違い展開でして、読んでいて辛いんですよね。
ソウマ視点でありながら、若干彼にイラついたりもするんですよね。
この野郎、なんて器の小さい男だ!的に。
アオがアオである事が、一番大事なんでしょー!的に。
特に、アオが残したとある「モノ」にソウマが涙するシーンなんか、もうこっちまで泣けて来ちゃって。
遅い!
ソウマ、大切な事に気付くのが遅すぎる!!と。
そして、アオが健気すぎるーーー!
で、ここから更に怒涛の展開に、あっと驚く種明かしです。
いや、アオの正体にニヤリと来ちゃうんですけど。
そして、ソウマの溺愛系への変貌ぶりにもニヤニヤしちゃうんですけど。
いやもう、面白すぎるーーー!!
ここまでが雑誌掲載作で、この後書き下ろしが70P程度です。
こちらでは、アオに起こったある変化がですね、こう単純に萌えツボ直撃で楽しくて仕方なかったりします。
まぁ、こういうスレ違いは大歓迎ですよと。
と、とても面白くて読み応えのある作品でした。
最後になっちゃいましたが、このイノセントなストーリーに反して、意外とエロが濃厚です。
最初から尿道責めと、攻めまくってます。
くっ、アオの初々しい反応が可愛いすぎるじゃないかよと。
ついでにソウマが、意外とねちっこいと言うかムッツリじゃないかよ!みたいな。
言ノ葉シリーズを全く読んでなくて悩んだのですが、設定が未来と聞き購入。最後の1文がとっても好きだったので萌よりですが萌2にしました(あのセリフが無かったら萌かな)。
訳ありで偏屈になった元発明者と彼に寄り添おうとする青年のお話、本編270P弱+その続き75Pほど+あとがき。
西暦2318年、地球の人口は300億人を超え、人々は地上から遠く離れた高い階層の上で暮らしていて
地面に触れたことが無い子供が多い世界。そんな中、有り余る富で広い土地を買い占め、家庭用のヘルプロボットと一人生活するソウマ。たまに訪ねてくるのは幼馴染ぐらいなのですが、ある日その幼馴染が0「お前の下で働きたいと言っている」とある青年を連れてきて・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
エリオ(攻めの幼馴染)、キューブ(ヘルプロボット)、ちゃちゃ入れてくる人が若干。エリオもキューブもいい味出しています。最後のSSはキューブへの愛があって好き。
**以下より内容に触れる感想
攻めさんは、他人の心の声がしっかり聞こえてしまうためにメンタルダウンして隠遁生活を送っている
天才科学者さん。人の事を基本的に信用できなくて(心の声が聞こえるからしょうがない)独りぼっちで暮らしています。寂しい。
そこへなぜか心の声が聞こえてこない受けさんがやってきて。手酷い怪我によりコールドスリープしていた後、目覚めてからは病の父の看護をしていたためか、かなり世間知らず、ピュアピュア。裏表のなさそうな彼に徐々に惹かれるというもので、攻め受けとも嫌いではないですが、猛烈に好きというタイプでもなかったです。お話自体は、「なぜ彼の心の声が聞こえないのか」という謎解き気分でぐいぐい引き込まれてとても良かったです。ゆっくり優しいお話や未来設定がお好きな方には良いのではと思います。
後日談の方は、受けさんの心の声が聞こえるようになってからのお話なのですが、その最後の一文が猛烈に好きだったです。
いちゃいちゃして盛り上がって、いざ!という時に受けさんの心から「嫌」って聞こえてきちゃって大変!そりゃちょっと止めちゃいますよね・・・そんな時にキューブの調子が悪くなったり、受けさんの昔の知り合いに出会ったりして、すれ違ってしまうという内容です。
勿論仲直りするのですが、それにはエリオが一役買っていて、そのために攻めさんは何か新しいものを開発する羽目になります。それで何を作るかって聞かれて答えたのが最後の一文。
カッコいいんです、攻めさん。すごくふっ切れて、本当に空を飛んでいきそうなセリフで。この一文がとても開放感あり、読後感を爽やかなものにしてくれて、おおー良かったな!と強く思いました。(攻めさんの評価も上昇⤴)
言ノ葉シリーズを読んでいなくて良さを十分伝えられてない気がします、ごめんなさい。言葉に想いをのせるって大事よねと思ったお話でした。
シリーズ物としてあらすじ内容全くノーチェックで買って積んでいたのをようやく読了。
今作の設定は300年後の地球で、日本ですらない。
心の声が聞こえてしまう生活に耐えきれず、荒野で隠遁生活を送っている天才科学者と、コールドスリープ明けの美貌の青年のピュアラブです。
この300年の間の科学技術や人の生活で、変わったものと変わらなかったもの。
特に人と人工物のかかわりの変化が重要なポイントになっているのですが、
こう来たのか!
いや、でも、あれ?
極々自然に納得しちゃったけど、あれは砂糖先生じゃなくて、、、え?
まあ、社会がこんな形に帰結するのは普遍的な事だともいえるから、いいか。
セルフツッコミ&超ネタバレ
アンドロイドの発達とか戦争とかキューブに顔を作らないとか違法アンドロイドの摘発とか、極々自然に2119の後の時代の話だと思って読んでいたら、作者先生違った。
「言ノ葉」シリーズ。
とはいえ、前作から300年ほど未来の話なので、今作だけで十分だと思います。
人の心が聞こえるようになった科学者の話。
9歳にして、言葉を発せず会話ができる技術を開発した天才科学者ソウマ(攻め)は、ある日突然他人の「心の声」が聞こえるようになった事に気が付きます。
それは自分の現在の研究テーマでもありました。
が、自分の状況を解明できないばかりか、他人の「声」が流れてくることにより、研究を続ける意欲のなくなってしまったソウマは20歳で隠遁生活を送るようになるのです。
都会から離れて農作業をしながら無為に生きるソウマの前に、知り合いの科学者の息子というアオ(受け)が研究を手伝いたいと訪ねてきます。
そっけなく帰そうとするソウマでしたが、何故かアオの「声」が聞こえないのです。
何故アオの「声」が聞こえないのか気になったソウマは追い返すことができず、傍に置くことにするのです。
今作は攻め視点で話が進みます。
ソウマは天才科学者でしたが、他人に興味がなく、自分が不思議に思った事象にのみ関心を寄せる変人でした。
9歳で人の思考を通信にのせるという技術を開発します。本来は事故や病気で言葉を発するのが困難な人たちのための医療目的でしたが、様々なものに応用され今では世界人口の8割が使用するまでになっています。
そのことで満足せず人の思考を読み取る研究を続けていたソウマは突然人の心の
「声」が聞こえるようになるのです。
自分を実験材料に研究を続けていたソウマでしたが、他人の「声」が無尽蔵に流れてくることにより、自分がどれだけ他人のことがわかっていなかったか、この研究が軍事目的だったことなどを知り、研究意欲を無くしてしまうのです。
他人といると常に「声」が聞こえ、落ち着くことができないソウマは「声」の聞こえないアオといると他人といるのに静かなことに、かえって落ち着かなくなるのです。
アオとの生活にも慣れ、アオのことを愛しく思うようになったころ、知り合いの科学者からアオについての情報が流れてきます。「アオはアンドロイドではないか。」と。
「声」が聞こえることにより人間不信に陥ったソウマはアオの「声」が聞こえないことによりやはりアオ不信に陥るというなんとも皮肉なことになります。これは1作目にも共通することですが、「慣れ」とは怖いものです。
初めにアオは、交通事故にあったこと冷凍睡眠していたことその理由など説明しており、そのことを脅威の記憶力の持ち主であるソウマが忘れているはずはないのですが、アンドロイドかもという衝撃により冷静さを失ったソウマはアオがアンドロイドだと疑ってしまうのです。
アオへの不信による態度の変化やアオをソウマのもとへ連れてきたソウマの友人の実業家エリオがやけにアオに肩入れすることに嫉妬したりとソウマ視点なのにアオの切なさや焦りが手に取るようにわかります。
アオがかわいそうでかわいそうで・・・
そしてあとから分かるアオの隠し事(号泣)
とことんアオを傷つけてしまうのですが、ソウマがアンドロイドであってもアオはアオだという気持ちが二人の関係を変えるのです。
結局、アオの「声」が聞こえない原因がわかり、最終的には聞こえるようになるのですが、聞こえたら聞こえたでアオの行動で不安になるんですから、人間恋する相手にはどうあっても不安になるもんなんですね。
アオが「声」が聞こえてもいいという変人でよかったです。
そして、ソウマの幼馴染のエリオ。
ソウマにとって油断ならないところもある人ですが、ソウマが唯一構えず話せる人でもあります。
彼がちょっかい出すせいでソウマが何度もいらいらしますが、エリオはソウマよりもアオの味方だったのでその辺は仕方ない。
最終的にソウマが「声」が聞こえることを聞いても気にせず、逆にそれを利用するところなどは本当に図太くて、ソウマにこういう友人がいてよかったです。
面白かったのは、本人には言ったことないくせに人前でソウマのことを平気で
「親友」と豪語するエリオですが、ソウマが「親友だから」と面と向かっていった時「声」が本気で照れてるのが普段ふてぶてしいだけにかわいかった。
エリオはこれからも二人をからかいながら、ビジネスパートナーとして友人として付き合ってくれるんだろうなと思います。
最後にエリオに大発明を要求されていたソウマでしたが、研究結果が出た話をSSとかで読んでみたいです。
350ページ近くある大変ボリュームのある話でした。
それでも、先が気になって一気に読んでしまいましたが、読了後は「読んだ—!」となるくらいの満足感でした。
アオが好きだからこそ余裕がなく傷つけてしまったソウマにいらいらしながら二人がハッピーエンドになって本当に良かったです。
三池さんのイラストも変わらずこの世界観にぴったりでとても良かったです。
「言ノ葉」シリーズ第5作。
例によって「心の声が聞こえてしまう人間と普通の人間が出会い、惹かれて求め合うが能力ゆえにつまづき、危機があり、また愛で結ばれる…」の展開に沿っています。
今回の舞台は300年後の世界。
これは成功していると思う。
というのは、これまでのシリーズ作品は全て現代日本のパラレル的な世界観で、その部分が次第に「こんな能力の人がいっぱいいるわけないでしょ」的無理やり感が出つつあった。
本作は時代の分断があるおかげで新鮮さが蘇ったように感じました。
主人公の「聞こえる」人物・ソウマは、シリーズ第1作の余村のように人の本音に傷つき、人間嫌いになって1人で暮らしている。
だが、そこに現れるアオは心の声が「ない」。何も聞こえない。
そんな人間に会ったのは初めてで、動揺するソウマ。
…という設定で物語は進みます。
人の「声」に傷つき逃げていたのに、聞こえないなら聞こえないで不安を感じるソウマ。
おまけに、なぜアオがやって来たのかがわからない。
また、アオの父親を知る人物から、過去アオの家にアオそっくりなアンドロイドがいた事を知らされて、どんどんアオを疑うようになっていく…
この辺りはシリーズ作品既読なので、正直予定調和。
能力ゆえに関係性に亀裂が入るわけです。
なぜアオの「声」が聞こえなかったのか?
その理由は興味深かったです。なるほどね。
そして、その理由が取り除かれ、ついにアオの心の声を聞き。
「声」から逃げ、しかしやはり「声」に救われる…そんなソウマの恋が始まる。そんな物語。
その後の書き下ろし作品「夢ヲ見ル言ノ葉」にて、ソウマとアオが読む300年前の研究者のエッセイ「心の在り処」。
この著者はシリーズ第2作「言ノ葉ノ世界」の受け・藤野さん、ですね。
300年。生活様式や医療の進歩など何もかも変わったけれど、人の心の在り処は何も変わっていない…そういうメッセージなのかもしれませんね。