ぎんぎつねのお嫁入り

gingitsune no oyome iri

ぎんぎつねのお嫁入り
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×212
  • 萌5
  • 中立0
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
5
得点
88
評価数
24
平均
3.8 / 5
神率
20.8%
著者
川琴ゆい華 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
三池ろむこ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784199009532

あらすじ

死にかけた僕を助けてくれた、あの人にもう一度会いたい――!! 車道に飛び出し、重傷を負ったぎんぎつねのすず。保護したキッチンカーのオーナー・陽壱(はるいち)に一目惚れしてしまう。お礼を言おうと、人間に化けて会いに行くことに!! 正体を明かせないのに、陽壱は「すずの髪…あの狐に似てて綺麗だな」と無造作に触れてくる。我慢しようとするたび、感情が高まって、耳と尻尾が出そうになり!?

表題作ぎんぎつねのお嫁入り

27歳,キッチンカーオーナー
20歳,人間に変化した銀色狐

その他の収録作品

  • ぎんぎつねの恩返し
  • あとがき

レビュー投稿数5

受けが可愛すぎるじゃないかよ!

とても優しくてあたたかい、ケモ耳ファンタジーになります。
攻めに助けられた銀狐の、一途で健気な恋心に深く心を打たれちゃいました。

ところでこちら、基本的には甘々ほのぼのテイストですが、山場では結構切ないんですよね。
そして、攻めに怒り心頭なんですよね。
なんて器の小さい男だ!Σ( ̄□ ̄;)的に。
彼の株、ここで大暴落ですよ。
いや、この後奇跡のV字回復するワケですけど。
しょうがないから許してやらぁ的に。


内容ですが、キッチンカーで日本中を旅する青年・陽壱×彼に助けられたぎんぎつね・すずによる、甘くて可愛くて時折切ない、ケモ耳ファンタジーです。

好奇心から結界の外に出て、怪我をして動けなくなったぎんぎつねのすず。
彼がキッチンカーのオーナー・陽壱に助けられた所からお話はスタート。
優しくてあたたかい陽壱に恋をしてしまったすずは、育ての親である九尾の狐・緑蓉に頼み、人間に化ける力を与えて貰うんですね。
しかし、緑蓉からは、人間として陽壱のそばに居ていいのは55日間のみ。
その間に自分の正体を決して明かさず、また契っていけないと条件を出されてー・・・と言うものです。

で、こちら、個人的に一番萌えたのが、すずのひたすら一途な恋心だったりします。
すずですが、元々他の動物の言葉が分かると言う特殊能力を持っていて、「千年狐」となる事を期待されていたんですね。
そんな彼が人間の男に恋をしてしまい、限られた時間でもそばに居たいと願う・・・。

と、ベースは切ないのですが、実は二人の日常自体は激甘でして。
人間に化けたすずですが、バイトとして陽壱のキッチンカーで雇ってもらいます。
で、そのまま頼み込み、陽壱と一緒に日本中で移動販売をする。

すずですが、とにかく純粋で一途。そして健気なんですよ。
で、こう、癒し系。
彼の願いって、ただただ陽壱と一緒に居たいと言う事だけなんですよね。

何だろう・・・。
陽壱との思い出の品を、ブリキ缶に大切にしまい込んでは「宝箱」と読んでいたり、まかないをニコニコと嬉しそうに食べたり。
くっ、可愛いすぎるじゃないかよ!

実は陽壱ですが、ゲイだと言う事で過去に痛い経験をしており、その為一人で日本中を旅すると言う生活なんですね。
そんな彼が、すずの純粋で裏表の無い言動に惹かれて行くー。

すずから好意を告げられた陽壱がですね、ずっと一緒に居たからそんな気分になっただけだと、すずはゲイでは無いだろうと告げるんですね。
すると、すずの言うセリフが「それって好きになるのに関係ある?」なんですよ。
個人的に、このシーンが二人のキャラクターを良く表してて感心すると共に、とても素敵でめちゃくちゃ萌えちゃうんですよ。
まばたきも忘れたような顔で、膝の上で拳を握ると言う陽壱の様子が、グッと胸に来ちゃうんですよ。

と、二人が心を通わせて行く様が、優しくあたたかく、また甘く綴られ、読者をニヤニヤさせてくれるんですね。

で、ここでキモとなるのが緑蓉との約束。
実はこの約束を破った場合、陽壱を消すと告げられていて・・・と言った感じになります。
互いの気持ちを確かめ合い、キスだけの関係からすずの全てが欲しいと望むようになる陽壱。
自分が消えるだけなら全てを捨てて抱き合いたいけど、陽壱を殺されたくない、ただその一点で泣きながら陽壱を拒むすず。
切なーーー!(TдT)

これ、この後の陽壱の行動にですね、もう怒り心頭なんですよ。
なんて器の小さい男だ!Σ( ̄□ ̄;)と。
ちゃんとすずを見てれば、彼が何か隠している事は分かるだろー!と。
嫉妬心も絡む上に、傷付いてるのも分かるよ。
でも、受け入れてもらえないからとそんな風に拗ねて拒絶するのはどうなんだい?と。

と、陽壱に(個人的に)ギリギリした所で、今度は萌えまくる感動の展開。
しつこいですが、「しょうがないから許してやらぁ」と。
くっ、やっぱ陽壱は、すずの事をちゃんと見てたよと!

ちなみに、ここまでが雑誌掲載作で二人が結ばれるまで、ここから書き下ろしでバカップル化した二人のその後が読めます。
もう書き下ろしはひたすら甘~い!!
そして、前半でエッチが制約されてたせいか、こっちでは超イチャつきまくり!
ついでに、こういう人外が人間社会で暮らすようになるお話って、戸籍とか健康保険って大丈夫かしらと気になるんですけど。
書き下ろしでそのへんも解決してスッキリ!
いや~、良かった良かった!

と、とても優しくてあたたかくてその上甘い、すごく素敵な作品でした。

8

ぎんぎつねすずの初恋


助けてもらった恩人に恋したぎんぎつねが恋に突っ走る話

雑誌掲載分「ぎんぎつねの恩返し」と書き下ろし「ぎんぎつねのお嫁入り」の2本立てです。
どちらも受け視点。


<あらすじ>
怪我をして倒れているところを助けてもらったぎんぎつねのすず(受け)。
恩人はキッチンカーのオーナー大倉陽壱(攻め)。
陽壱が大好きになってしまったすずは養い親の九尾の狐・緑蓉に頼み込んで人間にしてもらいます。
但し、期間は白露の日までの55日間。
すずは陽壱に頼み込んでバイトとして雇ってもらい、楽しくも忙しい日々を送るのです。
初めから陽壱大好き全開のすずは期限までに陽壱に好きになってもらいたいと頑張るのですが・・・


前半部分は二人が出会って恋人になるまで。

すずはアカキツネの中で唯一錫色で生まれてきました。
両親を早くに亡くし、他のアカキツネに目立つからと邪見にされてきたのですが、九尾の狐・緑蓉が育ててくれました。
緑蓉は狐以外の生き物の言葉がわかり聡いすずを自分より妖力が強い千年狐にしようと修行をさせていたのですが、恋をしてしまい人間になりたいと言い出したすずにしぶしぶ期間限定で人間に化ける術を与えてくれます。
ただし、すずがぎんぎつねだと知らないでセックスするのは禁止、もし破ったら相手を消す。すずが期間までに帰ってこない場合はすずを消す。
という条件をつけて。

ぎんぎつねだと本性を言うのが怖いすずは両想いになってもエッチできないのです。

それが原因で二人がぎくしゃくするのがすごく切ない。
陽壱は自分が拒否されたんだと思って辛かっただろうし、すずは言えないことが辛かったでしょう。
追い詰められたすずもですが、今まですずを可愛がってきた緑蓉もきっと哀しかったんじゃないでしょうか。

セックスができないことで二人はちょっとすれ違ってしまい、陽壱の言葉に傷つくすずですが、大事なところでちゃんと陽壱は頑張ってくれます。
緑蓉との別れは辛いと思いますが、二人が二人でいることを選んでくれて本当に良かった。


後半はらぶらぶな二人の話とすずの里帰りの話。

すずの住んでいた山の近くで仕事をすることになった二人は緑蓉に会いに行きます。すずを知っているアカキツネはすべて巣立ってしまって、すずは伝説になっていました。
緑蓉は大歓迎してくれますが、緑蓉に期待されていた使命を放棄したことをよく思わないキツネのあめもいたりして少し険悪な雰囲気に。
キツネは巣立つと親子の縁は切れてしまうので、里帰りしたすずに緑蓉大好きなあめが嫉妬してしまうのです。
強い力を持つ妖狐ながら緑蓉の力も少しづつ衰え、早く千年狐の育成が急務とい状況が明るみになって・・・


二人はずっとらぶらぶでした。エッチを禁止されていた反動かちょっと大丈夫かというくらいの発情フィーバーにはちょっと笑えます。
陽壱にたっぷり愛されて自分に自信がもてるようになったすずはどんなに挑発されてもそれに乗ることはなく静かに話す姿がすごく印象的で成長を感じます。

戸籍や保険証がないことで悩み必要以上にすずを心配する陽壱の心配も緑蓉にかなえてもらって、千年狐候補も見つかった。
すずの心残りが消えてめでたしめでたしですが、できれば年に一度くらい里帰りさせてあげてほしいな。


すずがいつも一生懸命でかわいくてとてもよかったです。
初めて陽壱に握手を求められた時、「これ知ってる!」とお手をしてしまうところは可愛すぎます。その後気が付いてしれっと握手に変えていましたが、陽壱は???だったんじゃないでしょうか。
陽壱を裏切った元恋人の話を聞いた時は「きっと、その人はいっぱいうんこ踏んで、上等のセーターを洗濯して縮ませて、買った果物が全部すっぱい人生です」となんとも可愛い呪いの言葉を‥
陽壱は空気が重くなるよりずっとホッとしたんじゃないかと思います。

後半はずっとらぶらぶで、アカキツネたちが呆れるくらい暇があると見つめあっているのが印象的で、きっとまわりにいたアカキツネたちは砂吐きそうだったのではないでしょうか。想像すると笑えます。




3

純情銀狐の初恋物語

今回は定住せず全国を巡回するキッチンカーオーナーと
九尾の狐に育てられた錫色の毛並みの狐のお話です。

攻様に助けられて恋した受様が恋を実らすまでと
受様の育ての親に会いに山に行く後日談を収録。

受様は錫色の毛並みのぎんきつねです。両親は小さい時に亡くなり、
九尾の狐に育てられます。

九尾の狐は最強の妖力を持つ妖狐ですが、戦闘力が弱く何度か討たれて
封印され、蘇るたびに妖力が落ちていました。そのため九尾の狐よりも
妖力が高く千年を生きるという「千年狐」の出現を熱望しています。

受様にはもともとキツネ以外の生き物の言葉を聞き取る特殊な能力が有り
洞察力にも優れている事、子供の頃は汚いと言われた毛色が美しい銀に
変貌した事から、千年狐になれるのではと期待をかけられていました。

そんなある夜、受様は山に響いてきた音楽に興味を惹かれて山を降りよう
として崖から転落し、転がり落ちた道路でキャンピングカーに轢かれそう
になります。幸い運転手が気づき事無きを得ますが、受様は脚に怪我をし
件の運転手に助けられます。この運転手こそが今回の攻様になります♪

攻様は脱サラしたキッチンカーのオーナーです。この時は音楽フェスで
ローストビーフ丼を販売しようと夜道を走っていたのです。攻様は受様を
動物病院で治療させてくれた上に、フェスの間の3日間は保護して看病
しようとしてくれます。

受様は難しい言い回しや細かい点は理解できませんが、人間の言葉も理解
できました。攻様はここにいる間に元気になれと受様の頭を優しく撫でて、
受様の毛並みや色を褒めてくれと受様はおもはゆくも嬉しくなります。

2日を攻様と過ごした受様はこの気持ちが恋なのかなと思い始め、いても
たってもいられず、九尾の狐の元に駆け戻ります。心配してくれていた
九尾の狐に2日間の不在を謝りながらも、心惹かれた攻様とともにいたい
と人間の姿に変化させて欲しいと懇願します。

攻様が受様を好きになってくれるとも、好きになってくれても永遠に
愛されるとも思っていないけれど、短い時間でも攻様とともにいたいと
思う自分の心に嘘をつけません。

千年狐になる為の修行にもなると思うという受様に、心がよそにある
うちは千年狐にはなれないからと、九尾の狐は条件付きで人間の姿に
変化する力を与えてくれます。

正体を明かさずに性交した時は相手を消し、期限を越しても受様が戻ら
なければ受様を消す。もし相手が正体を知っても心底から受様を愛して
くれたら、受様を千年狐となす野望を九尾の狐が放棄する。

期限は白露までの55日間。果たして受様の恋はどうなるの!?

雑誌掲載作にタイトル作となっている続編を書き下ろしての文庫化であり、
人間の攻様に恋した銀狐が養い親との約束の元人間に化けて攻様に近づく
もふもふファンタジーになります♪

受様は他の生き物の言葉が分かる能力を有し、九尾の狐から千年狐となる
事を期待されて育ちますが、山を抜け出して出会った人間である攻様に
恋をして短い間でも傍にいたいと願うようになるのです。

攻様は元々は商社で働く会社員でカミングアウトしているゲイでした。
しかし、社内恋愛していた後輩に成果を横取りされた上、虚偽のセクハラ
告発されて退職に追いやられた過去からキッチンカーで全国を回って定住
しない生活を選んでいたのです。

なんだかんだと受様に甘い九尾の狐様は、受様が人間に化けた姿を攻様
好みにカスタマイズ(笑)、人間姿の受様はすごく可愛い20才の男の子と
なってフェス会場に舞い戻り、攻様のキッチンカーで雇ってもらうことに
成功します。

受様は1人旅をしているので次の土地まで攻様とともに移動させてくれな
いかとお願いしてフェス会場から出発しますが、可愛いバイト君だと評判
になって次の会場でも売上に貢献して攻様の相棒的な位置を手に入れます。

攻様と一緒に旅する中で益々彼に惹かれていく受様に対して、攻様も可愛
くて素直で裏表のない受様への好意が徐々に変化していくのです。2人の
気持ちも段々と高まっていくのですが、期日である白露が近づいてきて・・・

2人がめでたく結ばれるまでドキドキ&ワクワク楽しく読めました♪

受様がとっても可愛いのですよ♡狐姿のコテッて首傾げは夕に及ばす、
人間姿で攻様大好きオーラをバンバン発してたり、勧められたフルーツ
カクテルで酔ってうっかりケモミミ出ちゃったりとほんと可愛すぎです。

そして攻様もそんな受様を可愛いって思うので、わりといい感じになる
のは早いのですが、九尾の狐様との約束をクリアするのは難しく、そんな
受様の態度を攻様が誤解してしまう下りは、お約束だと判りつつも切なさ
MAXでした。

タイトル作の続編は攻様と両想いになったことで受様が反故にする事と
なった九尾の狐待望の千年狐になるという命題に光が指すお話です。

雑誌掲載のお話はどうしても主体である主役2人の恋愛事情に重きが置か
れるので、背景に伏線が張られていてもイマイチ回収不足な時があり、
けっこうモヤモヤが残ったりするのです。

本作も千年狐を目指していた受様が恋を選んだ事でその辺りが多少モヤっ
たのですが、書き下ろし短編ではソレにも重点が置かれていてすごく
スッキリできたのも良かったです。

今回は受様が人間になるお話で真崎ひかるさん『猫じゃダメですか?』は
いかがでしょうか。こちらの受様は恩返しのために人間姿になる猫又です。

2

ほんわりしたラブラブカップルです!

可愛い。本当この一言につきます!
受けが可愛い過ぎて、ほっこりしました。

あらすじやネタバレは他の方がしているので、私は感想を。

いや、すずが陽壱に惚れちゃうのもわかる。自分ではコンプレックスだと思ってたものを「綺麗」と素直に褒められるって本当に嬉しいですもんね。
それに二人とも堂々と「ラブラブ」してるのがまた!!
ここまで堂々としてると、呆れを通り越して微笑ましいですよ!

ほんわりしたラブラブカップルを読みたい方は是非!

1

ラブラブ~

これ本当に愛が溢れちゃってます。
すずが陽壱を大好きなのも、ものすごくよくわかるし、陽壱がすずのことを本当に大好きなのもよくわかります。

すずがはじめてのフ〇ラの描写で食べられる?と困惑してしまうところとか本当に初心でかわいいです。
陽壱のヤキモチもかわいい。

ただ緑蓉様と二度と会わないみたいなフリはいらないんじゃないかと思ってしまう。理解ある親みたいな相手ですよね?
相手の事を思えばこそ、たまには顔を見せ合うぐらいな関係でも問題ないんじゃないですかね?

いや何より私が緑蓉様が大好きだって事ですけどね。


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