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夢を見ているんじゃないかと思うくらい幸せだった。一生分幸せになれた
osusume no koi omochishimashita
こちら、web連載(公開終了してます)されてた作品です。
甘くて優しくてほろ苦い、大人の恋と言ったお話になります。
私は、大人の恋って好きなんですよね。
世の中をそれなりに知り、これまで痛い経験も重ねて来たー。
だからこそ、とても慎重になっちゃうし、臆病にもなってしまう。
そんな揺れ動く主人公の心情が丁寧に綴られた、地味だけど優しい作品なんですよ。
ところで、このweb連載。
出版社さんのホームページで開催されてて、個人的に好きな作家さんばかりが連載されてます。
もうウハウハ状態で毎週楽しみにしてるんですが、一番いい所で連載は終了なんですよね。
続きは文庫でどうぞ、みたいな。
あそこで終了って、生殺しだろー!
せめて、発売は2週間以内にしてよ!!
それとも、最終回を私が見逃がしちゃっただけなんですかね?
内容ですが、ダイニングのイケメン店長・日野×ゲイのリーマン・祐季による、甘くて切ない大人の恋愛になります。
仕事に忙殺され、心が擦り切れがちのリーマン・祐季。
帰り道に偶然立ち寄ったお洒落なダイニングで、美味しい料理とイケメン店長を発見します。
足しげく通ううち、店長である日野と親しくなって行く祐季。
日野に好意を寄せますが、ノンケである彼との恋愛は最初から諦めていて・・・と言うものです。
で、まずこちら、キモになるのが二人のセクシャリティの違いになると思うんですけど。
祐季ですが、日野と知り合う前から、身体の関係を持つ知り合いがいるんですね。
えーと、セフレ以上恋人未満と言った印象の。
で、たまたまホテルから出てきた所を、日野に見られてしまうー。
実はこのエピソードが、二人の仲を進展させるとても重要なものになります。
日野に距離を置かれる事を覚悟して、自分がゲイだと言う事を打ち明ける祐季。
すると、日野の反応がすごく素敵で。
寂しいから身体だけの関係を持ってしまうと言う祐季にですね、「寂しい時は、ここに来ればいい」と、ごく自然に受け入れるんですよ。
ゲイと言う事で、過去に辛い出来事を経験していて、とても臆病な祐季。
そんな彼にとって、日野の反応はとても新鮮で嬉しかったんじゃないかなぁと。
この後、大手食品会社に勤める祐季の仕事に絡み、商品のアレンジメニュー開発を二人で行う事に・・・と言う流れ。
二人でのお料理シーンや、ワインなんかを合わせた試食シーンが丁寧に綴られます。
で、そんな日々を繰り返し、少しずつ少しずつ距離を縮めて行く二人。
いや、失礼ながらすごく地味なんですよ。
なんですけど、こういう日常の何気ないエピソードを繰り返して、二人が心を通わせ、恋人になるみたいな流れがとても自然で。
また、こちら祐季の視点で語られるんですね。
でも、こう日野が祐季に惹かれて、彼を愛おしい思ってたり保護欲を刺激されてるのが良く分かるように書かれているのもお上手で。
祐季って、妙に無防備と言うか、危なっかしい所があるんですよ。
そんな彼に困ってる日野の言動が、めっちゃ甘いから!
そして、めっちゃ萌えるから!!
と、恋人同士になり、身体を繋げ、甘い毎日を過ごす二人ー。
ところが、とあるキッカケから、ゲイである自分とノンケである日野との間に大きな壁を感じ、祐季が距離を置く事を決意するんですね。
果たして、二人の恋の行方はー?
と言った所でしょうか。
ちょっと祐季は臆病すぎる気もするんですけど、彼の育った環境や過去の痛い出来事がちゃんと書かれているため、なんか切なくてですね。
また、日野は包容力があるすごくいい男なんですよ。
でも、臆病すぎる祐季から見ると、そういう明るくおおらかな所が逆に不安になっちゃうんだろうなぁと。
どちらも悪くないだけに、こういうスレ違いって切ないんですよね。
なんとも、ほろ苦いんですよね。
とりあえず、この落とし処ですけど、とても優しくてあたたかいものでした。
いや、祐季を納得させるって、すごく難しいだろうなぁと思ってたんですよ。
彼はとことん臆病だし。
でも、こう来たか~みたいな。
日野が考えた末に、祐季を納得させるべくとった行動に、思わず微笑みたくなるみたいな。
未来なんて、誰にも分からないよね。
でも、怖くても逃げずに、信じる事は出来るよねと。
と、そんな感じの、とても優しくてあたたかいお話でした。
主人公が臆病すぎたり、他のキャラと身体の関係があったりする(すぐやめます)のが苦手な方は、ご注意いただきたいんですけど。
オメガバースや獣人や異世界ものの作品が最近では多いですが、久し振りに等身大の登場人物の良作に出会えた気がします。
ゲイの受けが魅力的なノンケの攻めに出会い惹かれて行く様子、2人の距離が近づいて行く様子が丁寧に書かれています。
ノンケの攻めが自分の気持ちを確認しながら、受けを好きになっていった説明も自然だったと思います。
ただ受けにはトラウマがあり2人が身体を繋げるまでや、2人の関係を周りに伝えるか等において多少のすれ違いがありました。
その度に受けの気持ちをを尊重して、愛情深く対処する攻めの姿には好感が持てました。
幸せな2人の未来が想像出来るラストで読後感が良い作品でした。
小椋ムク先生のイラストも素敵で作品にとてもイメージが合っていたと思います。
思ったより飯テロ系ではなかったけど、ノンケに恋しちゃったゲイの気持ちが丁寧に描かれていて良かったです。
あ、受けがチーズを扱う会社勤務ということで、確実にチーズが食べたくなるのでチーズ用意してから読みましょう〜。
ノンケに片思いするゲイのお話なら、ここは外してほしくない、ここはしっかりと書いて欲しいと思うポイントってあると思うんですね。
例えば私の場合、過去の経験から臆病になってしまう姿とか、報われないとわかっているのにどんどん好きになっていく気持ちとか、ひっそりと恋心を心に秘めて出来るだけ友人として長く一緒にいれたらいいなと願う切なさとか、ちょっとした優しさを勘違いしないようにしようと自制したりする姿とか。
それから、ゲイゆえにノンケの将来を思いやって身を引こうとするとか。
そういう定番といえば定番なんだけど、無いと物足りないあれこれがきちんと全て書かれていたので、良かったです。
攻めはノンケなんだけど、思った以上にスルスルと男である受けを好きになって、大丈夫なんか?!と読んでるこっちのほうが何故か心配してしまったのだけど、「食わず嫌いと一緒」とさらっと軽く言う姿に、この攻めならアリだなと妙に納得しちゃいました。
肩の力が入ってない感が良いというか、あのお母様含むご家族に愛されて育った人ならではのおおらかさが好き。
初読み作家さんだけど、非常に読みやすくて、は?!と現実に引き戻されるような事が一度もなく読めたので、これを機会に既刊も読んでみたいと思います。
ムク先生の描かれた表紙に惚れて購入。表情がなんとも可愛らしいですが、その印象通りのお話でした。ノンケのイケメン料理人さんと、ゲイのリーマンさんの優しいお話、本編230P+あとがき。皆優しく嬉しかったので萌にしました。
なんかわからんが想定外の仕事がわんさかあって、くたくたに疲れた日の会社帰り。弁当は嫌だなと見まわして、ふと入ったお店で、イケメン料理人さんとめちゃくちゃ好みな料理に出会った祐季。週の半分はカウンターでご飯を食べるようになり、会話を交わすようになったのですが、ある日、体だけの関係にある男性とホテルから出たところでイケメン料理人さんに会ってしまい・・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
攻めの両親、店のスタッフさん、受けのセフレぐらいかな。お母さんがええ人です、ほんま。
**以下 内容に触れる感想
攻めさんは真っ正直に生きてきたワンコのようです。まっすぐ過ぎて、これからがちょっと心配。受けさんはノンケに惚れて痛い目に遭っているので慎重派。二人足したらちょうどいい案配になるのかもと思うカプで、攻め受けとも好きな方ですし、最後はああ良かったなと思うepisodeがあり、幸せ感あるお話です。そして受けさんがチーズ会社にお勤めなんで、チーズ使った料理研究なども記載あり、お料理話としても楽しめます!チーズ使った手巻き寿司なんて、やってみようかなとマジで思う~
インパクトは少ないと思いますが、お疲れのときに優しめお話で癒されたいなんて時には良いのではと思います!
小椋ムク先生の素敵なカバーイラストに思わず吸い寄せられました。
仕事帰りに入った美味しいダイニングの店長がイケメンシェフだったら…。
ゲイの祐季が通う「ダイニング・宵」の料理は絶品かつ、店長も男前。しばしその両方を楽しんでいた彼に、恋の予感が。
祐季が店長と少しずつ知り合っていって、エア恋愛してる姿はまるで乙女のようです。店長の日野も、祐季をただのお客さんとしてあしらうにはちょっと踏み込んでいってない?って腐女子目線で疑うくらいが、思わせぶりでよろしいかと。
日野のお店で出てくるお料理がムチャクチャ美味しそうなんですよね!しかも無農薬野菜使用でヘルシー。だからか一食二千円越えのお高め料金なので、庶民のわたしには足繁く通えませんが、祐季、稼いでるのね笑
受けも攻めもストーリーもすごく好みなんですけど、ゲイ受けによるノンケ攻めとの恋愛NG設定に、そろそろ萌えの限界を感じている自分がいまして。
祐季のセフレだった怜二がこれまたメチャ好みだったもので、同じゲイのセフレが当て馬になって踏み台にされちゃうのも悲しく、ブイブイだった怜二の気持ちがなぜ変化したのか、そこに興味がわいちゃって萌えていました。
ゲイだから子供は望めない、ノンケは女性と幸せに家庭を築くべきだっていう固定観念から自分を貶めてしまっていた受けが、そんなことないよ、って奪ってくれる攻めと出会って……というこの上ない幸せなお話でした。
よかったなぁーとホッと一息つきつつ、当て馬好きの性か、どうしても怜二のその後が気になっちゃうんですよね…。