小説Dear+ Vol.73 2019ハル号

shousetsu dear plus

小説Dear+ Vol.73 2019ハル号
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×22
  • 萌2
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
5
得点
21
評価数
8
平均
3 / 5
神率
12.5%
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
発売日
価格
¥720(税抜)  
ISBN

あらすじ

☆小林典雅デビュー15周年記念特集
・小林典雅×月村 奎スペシャル両想い対談 パート2
・佐倉ハイジ「国民的スターに恋してしまいました」コミカライズ
・小林典雅先生に50の質問
・コメント付き作品リスト

表紙・梨とりこ
ペーパーコレクション/小林典雅

その他の収録作品

  • 小林典雅 イラスト=南月ゆう「先輩、恋していいですか」
  • 安西リカ イラスト=草間さかえ「ふたりのベッド」
  • 彩東あやね イラスト=須坂紫那「悪党のロマンス」
  • 月村奎 イラスト=羽純ハナ「フィフティーンラブ」
  • 宮緒葵 イラスト=立石涼「鳥籠の扉は閉じた」
  • 七角計 イラスト=栖山トリ子「白銀イリュージョン」
  • 大木えりか×山田睦月「シネマ☆バンディッツ」(エッセイ)
  • 麻生海(原作:月村奎)「王子禁制」(コミック)
  • 松本花「鬼天地鬼!」(ショートコミック)

レビュー投稿数5

色とりどりの作品群

ハル号は統一された特集テーマがない分、雰囲気の異なる一つ一つの作品が自由に魅力を発揮している印象です。

○小林典雅先生/イラスト:南月ゆう先生
『先輩、恋していいですか』

不慮の事故で夢を断たれ、落ち込んだまま大学に進学した光矢。
そんな時、唐突に「君が欲しい!」と勧誘され、向かった先はなんと男子チア部で…という始まりです。

冒頭で光矢を勧誘したのはチア部2年の朔先輩。
光矢には、自分にハードなチアなんて出来っこない、という頑なな気持ちがありますが、それを真正面から溶かして惹きつける朔先輩の素直な言葉が胸に沁みます。
やっと夢中になれそうなことを見つけられた期待感や、また光矢が無自覚に朔先輩に惹かれていく心情が描かれ、この作品の明るさの源になっている気がします。

そして光矢が入部した男子チア部の雰囲気がとても良かった!!
コーチが独断でつけた皆のチアネームが、センス皆無で笑えます。
先輩後輩を交えた飲み会のノリが本当に有りそうな感じで、でも皆のチアに対しての熱意は本物なので、彼らの演技を見てみたい…という気持ちにもなります。

光矢をチア部にスカウトした朔先輩は、天真爛漫に笑う人。
でも時に先輩の意地を見せて強がったり、積極的な姿が妙に色っぽかったりと多彩な魅力がありました。
作者様曰く光矢は「このあと順調に変態化する」らしいので、二人がどんなカップルになるのかますます続きが楽しみです。
また『藍苺畑でつかまえて』『若葉の戀』『管理人さんの恋人』の世界とリンクしていて、夏雨と信が相変わらずのラブラブっぷりで、光矢と朔先輩を触発していくところが面白かったです。

○佐倉ハイジ先生
『国民的スターに恋してしまいました』コミカライズ

国民的スターの真中旬と秘密のお付き合いをしている旅行添乗員の葛生。旬がお忍びで葛生のアパートへお泊りにやってきて…というお話。

佐倉先生の描かれる葛生さんの表情がいつも絶妙で、原作ファンでも新鮮な楽しさが味わえます。今回の「一緒にお風呂入りたそう…」な表情も秀逸でした。また普段多忙で会えない分、葛生さんにサービスしようと旬が自ら据え膳になっていくところも可愛いです。

○月村奎先生/イラスト:羽純ハナ先生
『フィフティーンラブ』

司法試験合格後、法律事務所にも就職し順風満帆な湊。でも学生時代に手ひどく振った和成を密かに忘れられず、誰とも関係を持てずにいる。そんな彼のもとへ、成長した和成が現れ…。

自信家でプライドの高い湊が、実はお洒落な和成に憧れていたり、編み物の趣味があるところが可愛いです。
学生時代と変わらず穏やかで、さらにかっこよくなった和成に、湊の心が揺れ、でもそんなことはプライドが許さない…という危うい感じに惹き込まれました。湊がどんなふうに和成に陥落するのか続きが楽しみです。

○宮緖葵先生/イラスト:立石涼先生
『鳥籠の扉は閉じた』

至れり尽くせりの生活の中で、常に何かに怯える雪加。その暮らしは「絶対に逃げない」という約束のもと、ある男から管理されたもので…。

ハル号の柔らかな表紙や、巻頭の明るい作品から、突然不穏な世界観に包まれます。
姿が見えない相手からの徹底的な監視についに耐えられなくなる雪加。
約束を破って逃げ出した途端、追いかけてくる相手の息遣いが聞こえてきそうな描写が堪りません。もういっそ一息に捕まえて!…というか追いかけてくるひと誰?!とぐいぐい惹き込まれました。遂に雪加が捕まり、鳥かごに収容されてからの展開も是非ご覧いただきたいです…。 


○安西リカ先生/イラスト:草間さかえ先生
『ふたりのベッド』

家庭教師をしていた頃、深見は教え子である入江から告白された。自分はゲイじゃないから、という理由でお断りした数年後、大学生になった入江がアパートの隣室に越してきて…。

この作品は、台詞と、ふたりの選択が大変切ないです…
どんなに諦めようとしても深見への想いが消せない入江と、
一緒にいると安らいで、傍に居たいのにどうしても恋愛対象として彼を受け入れられない深見。

多分、二人が自分の気持ちを押し付けるのではなく、相手の気持ちをとても分かっているから苦しいのだと思います。
相手のために、お互いが自分の気持ちの向きをどうにか変えようとしているところに感情移入してしまい、
特に入江の告白と、叶わなかった時の台詞が忘れられません。

○彩東あやね先生/イラスト:須坂紫那先生
『悪党のロマンス』(前編)

兄との消したい過去に縛られ、一人強気に生きている真那也。そんな彼のもとに、兄の親友だった久世が現れ、ある画策を持ちかけてきて…。

真那也の中にある兄への感情と、ある秘密が心に残りました。
久世がパンケーキを頬張るシーンなどイラストもとても素敵です。

○七角計先生
『白銀イリュージョン』

トレーナーの春陽は、ずっと憧れてきたアルペンスキー選手・越谷のリハビリを担当することになって…

二人が、自分の仕事や競技にどれだけ真剣かが伝わってきます。
春陽が越谷を少しずつ理解して、越谷の信頼を得ていく描写が良いです。
トレーニング中と恋愛シーンで、二人の立ち位置が、微妙に色を変えるところも楽しかったです。越谷の膝の負担を慮って、思わず積極的になる春陽も見どころです。


小説ディアプラスを読むと、思わぬ作家さんとの出会いがあったり、あんまり切ない系はちょっと…と思っていても読んでみるととても面白かったり、新鮮な読後感をもらえます。

そういう点でも、このハル号は特におすすめできます!

2

おもしろかった

到着直後、典雅さんのだけ読んで、とりあえず秘密のクローゼットに入れる→そのまま忘れてたのを今頃発掘というわけで、ほんと今更ながらのレビュー。
すでに文庫化してる本ばかり……。
どれも買ってませんが……。

小林典雅さん15周年記念特集とのことで、月村さんとの対談がおもしろかった。
お互いに好きな作品を5つ挙げてて、興味深し。

以下敬称略
【先輩恋していいですか】小林典雅
ネーミングセンスが相変わらず笑える。「感激屋ですぐ泣くから「全米」」
攻めが振られた時に思い出すメーテルのセリフも笑えた。
そして藍苺畑のシーちゃんたちが登場してて嬉しかった。

【フィフティーンラブ】月村奎
典雅さん15周年にちなんだタイトルだそう。
高校時代にこっぴどく振られた攻め×振った受け。
15年後に再会して話が動き始めたところで、終わっとる……。
続き読みたい!!

【鳥籠の扉は閉じた】宮緒葵
ものすんごい執着攻めだけど、全然アリ。
狂気としか思えない執着っぷりだけど、ちゃんと理由があるところが良かった。
受けの心もきちんと手に入れるところまで見届けたいな。
文庫買おうかなぁ。

【ふたりのベッド】安西リカ
姐様から「受けがあまりに自分勝手に思えて、イライラした」と感想もらってたやつ。
どれどれ?と読んでみたら、攻めが超一途な良き年下で、そのあまりの一途な健気さがかわいそうでキュン。
受けは「自分が性欲の対象として見られる」という意識がないノンケ特有の鈍さ&無神経さで、攻めを傷つけている……。
受けにイライラはしなかったけど、攻めがひたすら可哀想だった。
描き下ろし部分が攻め視点と知って、買おうか迷い中。

【悪党のロマンス 前編】彩東あやね
義兄に犯され続け、今は縁を切りひっそりと暮らしている受けが主人公。
攻めは義兄の元親友。
この攻めのやることがショック療法すぎて、ウヘェェ……と。

義兄の土地を狙ってる攻めは、交渉時に同席を要求するの、受けに。
「交渉の席に一緒に座るだけ」と事もなげに言うけど、レイプ加害者と対面させるなんて…。
案の定、交渉の場に向かう途中で、PTSDを発症して受けは失神しちゃうんだけど、それだけでは終わらない。
「あいつと離れて四年も経つのに、まだあいつが怖いのか」「だったら俺が忘れさせてやろうか」とネクタイ拘束して、受けを半ば強引に抱いてしまう……。
なんなの?この傷口に塩対応……。

レイプ被害者に、力ずくで抱いて体の記憶を塗り替えるみたいなのほんと嫌。
昭和のBLっぽい。
でも、この受けには効果あったところが、これまた安直……。

「愛を召しあがれ」でも、この作品でも、それってどーなの?!と思うシーンがあって、この作家さんとは相性良くないんだと思う。

【白銀イリュージョン】七角 計
第10回ディアプラスBL小説大賞トップ賞作品
靭帯断裂後、復帰を目指すトップアスリートと、新人トレーナーのお話。
面白かった。読書中「ダウンヒル」の動画が見たくなり、過去のオリンピック動画を見ちゃった。
でもノンケの攻めが、男である受けを「信頼のおけるトレーナー」としてだけではなく「恋愛対象」として見るようになる理由が弱い。
商業作家ですら、ノンケが男を好きになる理由をきちんと書ける人って少ないと思うので、攻めはバイかゲイ設定にしておけば良かったと思う。



電子化してもらえると嬉しいです。
秘密のクローゼットは、めちゃ狭いので、こんな分厚いの取っておけません……。

2

小林典雅のデビュー15周年記念特集

小林典雅先生のデビュー15周年記念特集です!
巻頭カラーの「先輩、恋していいですか」は男子チア部の大学生カップルの話ですが、「藍苺畑でつかまえて」の信×夏雨が登場します。山野井一家は相変わらず和むわまぁ。対談では、お二人の先生がそれぞれ好きな作品をあげておられて、仲の良さがうかがえました。「国民的スターに恋してしまいました」のコミカライズは、初のお泊りでがんばっている旬が可愛かったです。

本誌初登場の宮緒葵先生の「鳥籠の扉は閉じた」。執着ぶりがさすが宮緒先生という感じでした。裸に宝石ってエロいですよね!

あと、月村奎先生の「フィフティーンラブ」はこれからってところで終わってしまったので、いつか必ずでなく次号からでも続きを読ませて欲しいって思いました。切に。

作品後にある先生方のメッセージを読むのも楽しみのひとつなのですが、今号は特に立石先生と草間先生のイラストに笑ってしまいました。次の号も楽しみにしています。

2

典雅先生15周年記念本

とりこ先生の表紙に惹かれて購入したものの、あまりのゴツさに持ち歩けず、ようやく読了。4、6が面白かったので萌にしました。

1.先輩、恋していいですか 小林典雅先生
  今月文庫化されたお話の前半部分だけ掲載されていると思います。大学生男子チアリーディング部のお話。若いわ・・・

2.フィフティーン・ラブ 月村奎先生
 え、ちょっと待て、こんなところで終わりかい!なお話。これ続き、いつ出るんだろう????めちゃ気になるんですが。
 セレクトショップ経営のお洒落さんと、堅物弁護士さんの15年ぶり再開もの。

3.鳥籠の扉は閉じた 宮緒葵先生
 文庫化済み。鳥籠に閉じ込めたリーマンに執着する狂犬わんこのお話。

4.ふたりのベッド 安西リカ先生
 文庫化済み。年上大学生を慕い続ける年下わんこのお話。好きだったわ。

5.悪党のロマンス(前編) 彩東あやね先生
 義理の兄から逃げようとしている弟と、それを利用しようとしている兄の友人のお話。恋心の萌え上がりがちょっとペース合わなくて、やや残念・・

6.白銀イリュージョン 七角計先生 
 BL小説大賞トップ賞受賞作品とのこと。アルペンスキーでランキング上位で頑張っているノンケ日本人スキーヤーと、トレーナーのお話。がっつりスキー話が楽しい!

6が惜しい!もうちょっとという気持ちです。攻めが最初っからゲイかバイって分かってる方が嬉しかったかも・・でした!

1

薄いだけならまだしも…

手に取り、とにかくその薄さにびっくり!
小説Dear+さん、分厚さは毎回違いますが今回は本当に驚くほど薄い!
だけどお値段は据え置き!
しかもですよ…そのうちの一作がエブリスタで無料で読める作品って…現在も公開中なので買わなくても読めてしまう作品ですよ…。
前号と同じお値段ですが、実質お金を払わないと読めないものは前号より130ページも少ない!!(細かくてすみません)
これにはさすがに怒りを覚えてしまい、ついつい書きに来てしまいました。
でも本当にこれは酷いと思うんですけどね(*_*;

収録作は面白く読めました。
本誌では意外な宮緒先生の登場や安西先生作品も良かったです。
小林先生は相変わらずセリフの圧がすごい。
月村先生はページ数が少なく導入だけを載せた感じになってて、かなり続きが気になる終わり方になっています。
新人賞の受賞作は最初で躓き入り込めませんでした。
(新人トレーナーが許可も得ず選手に触ろうとする描写があるんですが、普通にクビレベルの行動なのに避けられて落ち込むってないわ。トレーナーとしての言動も違和感ありありでした)

エブリスタで読めるものは前後編なので、後編が次号も掲載されるようですね。
次はもうちょっと分厚いといいなあと願います(*'ω'*)

3

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