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hanayasha
文庫版を読みまして、これが衝撃作。
いろんな感想を書いておられるブログをめぐっていたらデスね
やっぱりハードカバーの挿絵がいい!!
という話を聞きまして
どうしても欲しくなって古本で見つけてまいりました(´∀`)
執念てすばらしい。
全体的な感想は、文庫版のほうに思いのたけをぶつけてしまったので
割愛させていただきますが、
挿絵がつくと耽美さが増しますね!!
弟のアキラくん。この子が、冒頭、この美麗な兄様に犯されていたと思うと・・いてもたってもいられないのであります。
幼い頃のシノブ兄様の描写もあり。
ちょっと心痛くなってしまう。
幸せに。。というのは難しいのかもしれないが
どこか心の休める場所が出来ることを祈りつつ
一度は読む価値ありです
さて、おそらくは若い世代の方々にとっては「えー!?」なキワモノ小説、
しかも能楽の世界ですから入りにくいことこの上なしと思いますが、
1980年代は同人誌レベルでもこういう作風ってありがちだった気がします。
私自身、80年代中期に当時で言う「耽美系同人誌」に参加しておりましたが
参加していたところの主幹がですね、血縁関係ドロドロ系好きで、主幹がソレですから
権力・血縁・執念でドロドロになった沼にこそ美しく可憐な蓮の花が咲く、
というヘンな幻想をみなさん多かれ少なかれ持ってたと思います(苦笑)
で、その主幹に激しくお勧めされていたのが「赤江瀑」の作品。
なんでこんな昔話をここでおっぱじめたかといいますと、
山藍先生があとがきで「赤江瀑」先生について書かれているからです。
当時のお耽美ちゃんたちにとっては赤江瀑ってアコガレだったんですが、
赤江先生、惜しくも2012年6月に逝去されました。
赤江先生は能楽、歌舞伎、造園、刀剣といった日本の古典芸術にスポットを当て、
官能的でグロテスクな世界をお書きになった方です。
そういえば、「花夜叉殺し」や「花曝れ首」という作品も書かれてまして、
コンセプト的にはこの作品と似ているところがあります。
この作品自体は1994年に書かれたものなので、耽美が幅をきかせていた時代から
だいぶあとにはなりますが、読んだ時にそこはかとなくほろ苦さを感じたのは
やはり赤江瀑的な耽美さがあったからでしょうね。
イラストレーションは「色闇」と同様、水上有理先生ですが、
能楽が題材ということで苦労なさったのか、長恨歌や色闇などと比べると
ちょっとスケールダウンしている感じ。