■エンジェルヒート in Love(他、シリーズ2作) / 西野花 / 鵺 / 花丸文庫BLACK ここ最近の作品の中で、一番お腹の底からワクワクしながら読んだのは間違いなく「エンジェルヒート in Love」です。シリーズ1作目を読んだ時は少し物足りないかなと思っていたのに、気が付けば何度も読み返すくらい嵌っていました。清々しいほど、すべてがエロへの伏線。作家さんのテンションが伝わってくる作品は、読んでいてとても楽しいですね。隅から隅まで萌えエロが詰まっています。突っ込みどころがありつつも、それを忘れさせてくれるくらいの萌えを感じ、疲れが吹き飛びました! ■ダブル・バインド (1), (2) / 英田サキ / 葛西リカコ / Chara文庫 英田先生の新シリーズは、日本を舞台にした刑事モノです。2組のカップルと事件の鍵を握る少年。5人の関係と思惑が交錯して進んでいくのですが、キャラが魅力的で、事件も面白い。どう展開するのかワクワクさせられる作品でした。犯人の目的は何なのか、登場人物たちの関係がどう変わっていくのか?シリーズ続編がとても気になります! ■八月七日を探して / 樋口美沙緒 / 高久尚子 / Chara文庫 樋口先生は最近注目している作家さんのひとり。ネタが奇抜なのに、組み立て方が上手くてグイグイと話に惹き込まれます。この作品は高校生同士の記憶喪失モノ。記憶のない3ヶ月間に一体何があったのか?、そんな謎解き要素に加え、ふたりの心情がとても丁寧に書かれています。高校生らしい不器用さと感情の揺れが、甘酸っぱくも切ない。最後までドキドキしながら読んだ作品でした。萌えもバッチリ! 続いて、印象に残った作家さんはこちらのお二方。人気作家さんなので読み手の期待も大きいと思いますが、それを裏切らない完成度。その力量と安定感を改めて感じた1年でした。どの作品も満足度高い! ■榎田尤利 榎田先生は交渉人シリーズと恋愛シリーズの二本立て。 恋愛シリーズはまだ話が半ばなのですが、とにかくもうネコのやきのりちゃんにメロメロ! コミックス版を担当されている町屋先生とのコラボ効果もバッチリでした。 そして、交渉人シリーズ本編は、以前にも増してシリアス展開。味のあるキャラたちの軽妙なやりとりにコミカルな雰囲気を感じますが、話の中心にあるのは、主人公の芽吹や兵頭の抱えている心の傷です。予想以上にその傷は深く、読んでいて苦しくなることも多々あります。でも、それを乗り越えたときの彼らの前向きさに救われる。待望のスピンオフは、そんな本編を知っていると感慨も萌えもひとしおですので、是非本編の続きで読んでくださいね。 どちらのシリーズも続編を楽しみにしています! ■高遠琉加 高遠先生は新装版も含めると、この1年は多くの作品が出ました。どの作品も私の涙腺を崩壊させましたが、そんな中、待ちに待った続編とスピンオフ作品に大興奮でした! 諸事情で続編がなかなか出なかった「世界の果てで待っていて」の続編「~嘘とナイフ〜」。相変わらずの緊張感にドキドキしっぱなし。前作ほどの切れ味はなかったものの、またしてもバッサリ斬られました…。ふたりの感情が交錯したシーンがすごくよかったです。まだ話が続くようですね。じっくり待ちたいと思います。 そして、レストランシリーズのスピンオフ「甘い運命」も面白かったです。恋愛面はもちろんですが、人間関係全般について考えさせられる部分がたくさんあり、読み応えがありました。このシリーズは、人との関わり合いと料理がとても上手く絡んでいて考えさせられます。 上記以外の作品も新作旧作共に、心に響くステキな作品ばかりでした! ■番外:3P 振り返ってみると、ここ数年、3Pものが以前よりたくさん出ているように感じます。ダメな人はダメなネタだと思いますが、私は大好物なのでとても嬉しい! 西野花先生のエンジェルヒートシリーズや藍生先生の双子シリーズは上げるまでもないのですが、それ以外にもたくさんあります。ここ最近の作品で印象に残った作品は、「熱情連鎖(夜光花 / 梨とりこ / BBN)」 「欲情螺旋(水戸泉 / 葛西リカコ / ダリア文庫)」 「あんたとお前と俺。(丸木文華 / 花丸文庫BLACK)」あたりでしょうか。どれも濃くて美味しい!萌えいっぱい! 需要は高くないかもしれませんが、どんどんこうした一癖あるネタを取り入れた作品が読めると嬉しいです。シリアスな話の展開と、マニアックなプレイが両立している作品を待っています! ということで、心に残ったノベルス作品と作家さんについて簡単にまとめてみました。好みが偏っているので参考にしていただける内容になっているのかどうかは微妙ですが…。こうしてまとめてみると、好みや、自分がどんなものをBLに求めているのか見えてきます。1度皆さんも振り返ってみてはいかがでしょうか? 上に書いたように、私が求めているのは「わくわく感」です。また1年、心躍る萌えに出会い、たくさんのわくわくを感じられたらいいですね! これからも、共に心躍るBLを追い求めていきましょう!