chill chill ちるちる


BLアワード2010


今から3巻が楽しみでしょうがない!!
花は咲くか2 日高ショーコ
評者:ともじさん
第2巻。 スローテンポでもどかしい展開が、かえって萌のアリ地獄に引き釣りこまれたユーザーもきっと多いはず。日高ショーコの新たな地平が、この作品から開けてゆくのです。

「花は咲くか2」【コミック部門】 5位
日高ショーコさんをご存知ですか。
って、ちるちるユーザーの皆さんを前に、とんだ寝言でした・・・
そう、日高ショーコさんと言えば、その繊細かつスタイリッシュな描写で数多の読者を魅了し、絶大な人気を誇る漫画家さんですね!私も大好きです!作家買いしてます!!

しかし、よく考えてみると、その魅力はちょっと分かり難くはないでしょうか?
良く言えば都会的だけど・・・淡々とした人物や話の展開。
美しいけど・・・アップ向きではない絵柄。
スラリとした体躯や服のシワ、靴の感じなどセンスある絵だなぁっては思うんですけど。
しかし、ぱっと見、いわゆる「萌え」的要素が少ないのでは・・・?

私はコミックス派なんですが、知っている限りでは、血湧き肉踊る冒険活劇だとか激しい濡れ場だとか汁気の多い裸体とかにはおよそお目にかかったことが無い・・・まぁあったら逆にコワい気もしますが。イヤ、それはそれでそそられるな・・・
それはともかく、短編集の中には、ちょっとイロモノもあったりするけれど、基本的に底に流れる静かなトーンを崩さない。
ぼんやりとした薄い膜の向こうを見る様な、ちょっとした距離感。
天気でいうなら薄曇り時々雨、といった風情。調味料なら和三盆。
つまり「上品」。それが、日高さんの特徴だと思うのです。
エロも少ないし・・・

そう、エロですよ。エロが少ない。
もぅそれは圧倒的に少ないと思います!

無いわけではない。
局部描写だってあったりする。
なのに、なんでしょうかねぇ、劣情を感じさせないこの絵力。

しかーし!
エロが無くても萌えます。
萌えまくります!
それが、この「花は咲くか」の2巻なんですね。あぁ、ようやく話がこちらに繋がりました。

発売直後、何度も読み返しては一人悶えていた私ですが、数ヶ月経って再読してもやっぱり心臓を鷲づかみされました。Hシーンなんて全くないのに(こればっか言ってますが)萌える萌える、後半、怒濤の萌え攻撃です。
そしてそれはひとえに、ヨウちゃんの表情にある・・・

本作の主人公「ヨウちゃん」こと水川蓉一は、美大に通うつややかな黒髪も美しい若者です。
日高さんの受けは本当に良い。カッコ良くて可愛い上に腰の細さが抜群に良い。
基本的に日高さんの描く受けはほぼツンデレ(ツン強め)ですけど、ヨウちゃんはかなり手強い。他人に関心が薄く、喋ればつっけんどんでニコリともしない、なかなかとっつきにくい主人公なのです。
ちょっとヘタレ疑惑のある攻め櫻井さん(37歳)に対する初期の頃の物言いは「これでよく桜井さんはヨウちゃんに惚れたね?」って感心するくらい可愛くありません。ヨウちゃんより従兄弟の菖太の方がよっぽど可愛気があって良い。
が、そのヨウちゃんが、2巻も後半になって、ちょっとびっくりするくらい表情が変わるのですよ〜。ああ、書いていいかな。ちょっとネタバレですけど、自分の気持ちを自覚した瞬間、ぼわっと真っ赤になったヨウちゃんの可愛いことと言ったら!!
心臓が止まります!萌え死ぬってこういうことなのね・・・

それまでの、能面のような無表情っぷりがとても効果的に活かされています。
ここまでくるのに1巻半以上。この長い前置きがあったからこその萌えシーンなのです。溜めて溜めて、焦らして焦らして。
圧縮された空気の力といいますか、そんな威力なわけです。
その後がまた良いんだな〜!萌えの波状攻撃ですよ。桜井さんGJだよなぁ〜
「まだ何も知らないんだ」・・・不整脈が!

実は私、作家買いしつつも作品ごとにかなり温度差があります。ツンデレは好きだけど、綺麗なお兄さんより不器用な男の子に萌える質なので、日高作品にはむしろ逆嗜好の受けが多かったりするんですが、2巻のヨウちゃんの可愛さに「花は咲くか」の評価がぐんと上がりました。受け重視なもので・・・

ファンの多い「シグナル」の芦原さんとか「憂鬱な朝」の桂木には正直全く萌えないので(むしろ桂木は攻めでお願いしたい)この先も悲観していたのですが、この「花は咲くか」はちょっと違うみたい。
もしかしたら、作風が少し変化している?のかもしれない。
ヨウちゃんだけに限らず、作品が動いている感じがします。
洗練されていて美しいけれど距離のあった物語が、すこし手の届くところに近付いてきている・・・そんな感じがする。
聖から俗といいますか。そこまで言うとちょっと大げさな感じだけど。

王道好きなのに茨道な私の萌え嗜好に近付いて、大丈夫なのか・・・明言はさけつつ、日高さんの「変化」が、今後どんな形で現れてくるのか(来ないのか)、これからもずっと追い続けて見ていきたいなぁと思います。
余談ですが、茨道といえば、菖太は是非吉富さんと激しい恋に落ちて欲しい・・・というのはやはり少数派でしょうか・・・(吉富さんが執着攻めだと尚良い)

そんな訳で、3巻では是非桜井さんとヨウちゃんの素敵な絡みを期待したい次第です。お願いだから朝チュンだけはやめて・・・(結局そこ)

作品データ
作 品 名 : 花は咲くか2
著   者 : 日高ショーコ イラスト : 日高ショーコ
媒   体 : コミック シリーズ : ルチルコレクション(コミック・幻
出 版 社 : 幻冬舎コミックス ISBN : 9784344820418
出 版 日 : 2010/09/24 価   格 : ¥650
紹介者プロフィール
ともじ
自分が何に反応するのか、未だに分からないことがあります。え、なんでそんなトコに?!と自分でも首を傾げてしまうのが、私の萌え。ちなみに、BLCDは好きな声優さんのを中心に嗜む程度です。カッコいい攻めとカッコ可愛い受けが大好きです!
このコラムに寄せられた感想
2011年06月26日 こまつな太郎
No Title
日高ショーコさんの作品大好きです。
3巻でるのがまちどうしい・・・!!!


2011年04月09日 ともじ
すみません(><;;
あ!これは大変な間違いを・・・!!!
誤字、失礼しましたm(_ _)m

匿名さま、ご指摘ありがとうございました。
編集部さんに、訂正してもらえるか聞いてみますね。


2011年04月09日 匿名さん
No Title
柏木じゃなくて「桂木」ですね
私は「憂鬱な朝」のほうがはるかに好きなので少しいらつきました。



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