圧倒的作り込まれた世界観!
陸軍中尉である国貴は、金策に追われ疲れ果てていた。そんなある日、幼なじみの成田と偶然再会し、国貴は改めて成田に魅かれていくが…。大正ロマン登場!
今回の主人公の清澗寺国貴(26)は、清澗寺伯爵家の長男。
大正十一年の冬、軍人になった彼の前に、長年再会を待ち望んでいた成田遼一郎(28)が現れます。
遼一郎は清澗寺家の使用人の息子で、国貴とは幼馴染み。子供の頃「ずっとそばにいる」と約束した仲であるにもかかわらず、国貴の前から姿を消してしまった男です。
身分差下剋上、体格差、軍服、幼馴染み・・・とにかく設定が魅力的!萌えが詰まっていて淫猥な濡れ場描写との落差もツボ♪
清澗寺家シリーズ第二弾。
清澗寺家次男で次期当主候補の和貴(24)は代議士の秘書を務めていた頃に同じように秘書をしていた深沢直巳(27か28)と出会う。
深沢は将来に夢を見ているようで、和貴にはそれが気に食わない。
自分の躰を遣って弄落してやろうと試みるのだが、深沢だけはどうしても落とすことができない。
それどころか、ある日を境に深沢は和貴に対して別の顔を見せるようになって…。
躰だけで満たされればいいのに、それ以上を求めてしまう自分がいるので躰だけを差し出すということも出来ず、かと言って想いを告げたところでどうにもならないだろうと思ってるのがなんだか切ない。
深沢は深沢のやり方で和貴の本質を見抜いて、手に入れようと動いてるんだけど…敬語攻めがイイ!
清澗寺家シリーズ第三弾は、三男の道貴(19歳から21歳まで)編です。
今作では、道貴が、一目惚れで初恋の男・クラウディオ(三十代のイタリア人実業家)と、さながらロミジュリな両家の敵対関係を乗り越え、ロマンティックで甘い恋に落ちます。
どっぷり清澗寺~な前2作は最高に面白かったけれど、倒錯お耽美が過ぎて、読後しばらくはお腹いっぱいな感じ。ここで少しノーマルな恋愛が読みたい・・・そんな読者の心の声を先取りしたかのような、鮮やかな転調。
妖精お父様冬貴と伏見のお話。ずっと後ろで気になる存在の冬貴でしたが…。
魔性の化け物のように表現されている冬貴ですが、(いや魔性は魔性なんですがw)理解はしづらくも、伏見に対して彼なりの愛の形があるんだということが分かりました。
どこまでも惹かれていく伏見の想いばかりがストーリーの軸として表面化されているので、冬貴視点の心情が描かれることはほとんどなく。
シンプルで複雑な、パラドックスをはらむ愛の形。安定と不安定が織り交ざる、危ういバランス。
どこまでも睦みあうことこそが、彼らの愛の絡みなんだと思います。
ある意味崇高で、言葉や絆に頼る愛情よりも、息づいている生きる愛。ずっしりと重い二人の呪縛の物語。
最初は浅野編。長男の国貴の友人で国貴逃亡の真相を知る一人です。
浅野の背景、家の事情、国貴への思いなどを綴りながら上海での秘密の活動がストーリー。
相手の天佑は日本人。訳ありで上海育ち。そこには清澗寺と繋がりが無くはなく……嵯峨野や伏見などが見え隠れします。
もう一つは和貴編。
まさに伏見との関係や家との確執を考えたとき、このシリーズはなぜ国貴から始まったんだろう?などと思うときが。
話の中心はどう考えても和貴のような気がします。
待ちに待っていた清澗寺家シリーズの第1部最終話上巻。
深沢×和貴と伏見×冬貴という豪華カップリングメインの本でした。
冬貴と伏見の物語。実は何を隠そうノベルスとしてこの2人の物語を読むのは初めてだったのですが。
CDで聞いたしいいか、と流してしまったのですが、これを読んでいたら、原作も読んでみたくなりました。
これまで冬貴という人物は捉えどころのないいわゆる魔性だとしか思ってなかったのですが。
今回のお話を読んでみると実に真っ直ぐにかわいらしい人物であったのだなと思いました。
前半は長男・国貴と遼一郎のお話。
上海で暮らす国貴と遼一郎ですが、逃亡生活も遼一郎の体調の悪化から終わりが近いと感じ、国貴は自首をしようと1人日本を目指します。
家族との再会と、再び新天地への旅立ちのお話です。
後半はクラウディオ×道貴で、2人もまた、家族に別れを告げNYへ旅立ちます。そこで国貴達とニアミスするも、再びヨーロッパへ旅立って行きます。
第一部が完結した清澗寺家シリーズの外伝、平安時代編。
幼い頃に里を滅ぼされ、その復讐を誓う貴将。国主・暁成。
2人が恋をして。
それが恋だと自覚していくことになるんですが、元々が異質だからか貴将はわりと人間くさくなっていくんですが、暁成の方は貴将に比べると異質さが残るというか。冬貴のような不思議な存在なんですよね、やっぱり。
そして、このお話で千年の孤独の謎も解けるんですよね。最後は冬貴に通づるような場面もありました。
第一部の最後「終わりなき夜の果て」は昭和3年(1928年)で終わっているが、
時は流れ、第二部は終戦直後の昭和20年(1945年)、離れ離れに育った双子が再会するところから話は始まる。
1人は鞠子と共に貧しいながらも育てられた泰貴。もう1人は鞠子から和貴へと預けられ育てられた弘貴。
育てられた環境が違うから双子でも性格が違うのは当たり前ですが、かなり対照的です。
末娘の鞠子が生んだ双子、一人は赤子の時分に清澗寺に預けられ、御曹司として育つ。
一人は貧しさの中で育ち、戦火の中母と妹とも生き別れ、
孤児たちと寝食を共にして、男娼まがいのこともしながら生きている。
その二人が戦後再会し、清澗寺家という特別な家も時代に翻弄される中、それぞれの恋をしていく。
全く違った境遇で育った双子が描かれる事で、限りなく孤独で、淫蕩で、無垢であっても穢れてるという、
清澗寺家の抱える矛盾に満ちた宿命と、それ故の葛藤が際立っている。
今回の主人公は貴郁でした。
貴郁の義父であり実兄である和貴は、自分のようになって欲しくないという思い、
もしやり直せるならという思いから、貴郁に「清澗寺に似つかわしくない人間」になるよう言い聞かせ育ててきました。
けれどそれは貴郁の本質とは違う育て方で貴郁こそ清澗寺の血を色濃く引き継いでいたのです。
とても耽美で背徳で濃密な作風で満足でした!
次巻からはクライマックスにとうとう入るようなので最終巻まで見届けたいなと思います。
アメリカからフランスへと移民した国貴と遼一郎がつましくも幸せに暮らすのかと思いきや、過去陸軍の同僚に見つかってしまい国貴が遼一郎と家族を人質に取られスパイの役割を余儀なくされるという内容ですが、スパイさせられるだけでなく、同僚に体の関係も強いられます。
遼一郎を守るために、卑劣な同僚に体を開かれる国貴が可哀想で……萌えました!
えっちの描写はそれほどありませんが思わず漏れてしまう喘ぎとか、嫌なのに慣れてるからだが受け入れてしまう感じがたまりません。
常時不穏な空気が付きまとって薄氷のうえに成り立つ幸せを享受するカップルですが、今回は最大の試練が……
壮大な一族絵巻の完結編、その後編。明治から大正、昭和、そして戦後へ……
長い苦難の果てに辿り着いた、それぞれの愛の行方、タイトルの通り、まるで呪われたかのような一族の光さすような結末が描かれた読みでのある一冊だった。
サークル:Sin Cos〈サークル〉
シリーズ:清㵎寺家シリーズ
発売日:
深沢,クラウディオ,義康,実親,威彦,桐生,
和貴,道貴,冬貴,狭霧,怜史,尚也,
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シリーズ:清㵎寺家シリーズ
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