2006年にスタート。CIAエージェントであるディックと、FBI捜査官である日系人・ユウトとの純愛が魅力のシリーズです。アメリカを舞台とし、クライムサスペンス要素あり、友情ありで海外ドラマを思わせるスケールの大きさも魅力。本編終了後もその人気は衰える事が無く、2作のスピンオフと番外編集が発売。また、2017年6月には新シーズンが発売されました。
シリーズ1作目、二人の出会い編です。舞台は刑務所であり、収監されたばかりのユウトと、同室になった美青年・ディックという出会い編。
冤罪を晴らすために、とある目的を持って刑務所に入ったユウトに、ギャングにさえ一目置かれる、どこか謎めいたクールなディック。それぞれの思惑が交錯する推理サスペンスという観点でも楽しめますが、そんな中でどうしようもなく惹かれ合う、二人の恋愛部分が魅力的です。
シリアス調でバイオレンス部分もありと重い今作ですが、その中で友情や家族愛、また恋愛部分でもじれったいすれ違い等がしっかり書かれていて、深いストーリー性で読ませてくれる作品になっています。
FBI捜査官として宿敵コルブスの行方を追うユウトに、復讐を果たすために姿を消したディック。敵対関係にありながらも燃え上がる二人の愛。果たして二人が結ばれる日は訪れるのかー?と、ハラハラどきどきさせてくれるシリーズ2作目です。
また、今作では新キャラである犯罪心理学者・ロブがユウトの相棒的役割を果たし、三角関係という点でも大いに楽しめます。
コルブスに繋がる謎を追うユウトに「ゲーム」と称して連続爆破事件が仕掛けられと、クライムサスペンスとしてもますます目が離せない展開。
時には迷いながらも、ひたすらディックを思い続けるユウトの健気さにも、ぜひ注目していただきたいです。
シリーズ3作目。コルブス編完結巻です。
コルブスを追い続け連続爆破事件の核心に近付くユウト。そこにはアメリカ政府の巨大な影が。そしてコルブスの真意とは-。
いよいよ物語は佳境に入り、壮大な広がりを見せる事件の顛末も大変面白いのですが、それと共にやっと進展を見せる二人の関係も見ものです。なんと言ってもこの巻で一番のおすすめは、互いを思うが故のすれ違い。そしてそれを乗り越えての圧巻的なラストシーン。幸せな二人の姿を象徴するかのような感動的なシチュエーションに、これ以上無いほどロマンティックなセリフ。胸が熱くなる素敵なシーンに涙する事と思います。
主役二人のみならず、サブキャラに至るまでとても魅力的で、人間ドラマとしてもとても面白い完結巻だと思います。
シリーズ本編で当て馬であった犯罪心理学者・ロブと、ディックの同僚でボディーガードのヨシュアによるスピンオフ。外伝になります。
ロブの誕生日パーティに謎の贈り物が届く。なんと贈り主はかって全米を震撼させた連続殺人鬼かー!?
推理サスペンスとしても面白いのですが、こちらの見所は恋愛に振り回されている情けないロブ。本編ではややほろ苦い役割ながら、常に人間的な大人の余裕に溢れていたロブ。本気で惚れてしまったばかりに、10近くも年下のヨシュアに振り回され、情けない姿を見せてくれるのが人間味がありとても面白いです。クールに見えて、実は不器用で純粋なヨシュアのキャラクターもとても魅力的です。
また、ディックやユウト、ネトといったお馴染みの面々の出演も嬉しいところ。ここでのユウト達の仲むつまじい様子も必見です。
外伝二作目。レーベルの十五周年記念として刊行された作品です。
ユウトの義兄であるパコの同僚で、ロス市警のダグと、人気ミステリ作家・ルイスによるスピンオフです。
酔って、その日初めて会ったルイスと一夜の関係をもってしまったダグ。その翌日、ルイスが殺人事件の重要参考人として名前があがり・・・。シリーズの特徴である推理サスペンス部分が面白く、綺麗な面だけでは無い、人間の複雑さがほろ苦さと共に書かれています。
また、不器用で真っ直ぐなダグと、強気に見えて実は臆病なルイスの、ジレジレと焦れったい恋愛部分も見もの。
ユウトやディック達、お馴染みの面々が出て来るのもファンには嬉しい一冊です。
番外編集①です。
ドラマCDや小冊子用に書き下ろされたSSと、今作用に書き下ろされた短編。他、高階佑先生によるコミカライズと、作者による解説等が収録されています。
ユウトやディック、ロブにヨシュア、パコやネトといった、オールスター勢揃いの一冊。息をつかせぬ展開であった本編と比べ、やや緩くBL的萌えも多目になっています。
本編ではクールで、ややもすれば冷たい印象を受けたディックですが、こちらではユウトを好きすぎるあまりヘタレ化しているのが萌え所。尻に敷かれてるディックが見ものです。また、ユウトを深く想うが故の、ディックの決断がちょっぴり切なくさせてくれます。そんな、二人の愛の深さに感動する書き下ろしの短編。ファンには必須の短編集です。
番外編集②です。
こちらも雑誌や小冊子用に書き下ろされた短編と、今作用に書き下ろされた短編。高階佑先生によるコミカライズと、作者による解説にあとがきです。
短編も大変萌えますが、解説もなかなか興味深い内容になっています。こちらではディックとユウト、ロブにヨシュア、そしてダグにルイスと3カップルが登場しますが、解説でこの3カップルの比較がされています。なるほどな~と、思わず唸らされる内容。落とし所にも笑わせてもらえます。
また一番のお薦めはディックが記憶喪失になる短編「Wonder of love」。切ないと共に、ユウトの健気さに心を打たれます。
こちらもファンにはぜひ手に入れていただきたい一冊です。
本編に続くseason2です。
ディックとユウトのカップルがメインになりますが、ロブとヨシュアカップルも出演しています。
ハリウッドの巨匠に見込まれたヨシュアが映画に出演する事となり、撮影の為にカリブ海を訪れる一行。そこでクーデターに巻き込まれと、前半はほのぼの&甘々で読ませてくれ、後半は怒濤の展開で手に汗握らせてくれます。
ユウト達の絆の強さに感動すると共に、ディックの格好良さにしびれさせてもらえます。また、ユウトが好きすぎるあまり、若干ヘタレ化しているディックの、久々のクールな姿が見所です。
本当の意味で、過去と決別するのは難しい・・・。でも、二人一緒ならどんな事も乗り越えて行けると感じさせてくれる作品です。
シリーズ:DEADLOCK
発売日:
閉じる