最新レビュー一覧

それを愛と呼んで 小説

タマラ・アレン  門野葉一 

モノクロームロマンス文庫の他の作品のレビューに「軽め。モノロマ文庫には重さと暗さを求めてる。」的なことを書いた直後にこれ。確かに求めてはいるが、世界大恐慌の重さと暗さ…戦争よりは…いや、これが戦争につながっていく……

とにかく重苦しくどんよりとした始まり方で、人々に余裕がありません。ふわふわ作品を読んだ後は反動で地面にめり込みそう。ハドリーには少し余裕があるかな。さすがタイムズ紙で記事の決定…

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聖夜の理由 小説

クリッシー・マンダー  二宮悦巳 

ポーカー

話の流れに身を任せ、波に乗り切った!と思ったところでサッと終わってしまいます。ここからじゃないか!ここからじゃないのか!この潔さがそれはそれでいいのかもしれない。短編ではなく、十分に中〜長編へ持っていけそうなネタと魅力なのになぁ。

ちるちるでアダムに「やんちゃ」という属性がついているのは謎。アダムは相当真面目な人で、マイケルもまた相当真面目なので、2人の出会いは本当に奇跡という感じ。特にラス…

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もしも裸で泳げたら 小説

ライリー・ハート  麻々原絵里依  冬斗亜紀 

読みやすい

ライリー・ハート先生の『ボーイフレンドをきわめてみれば』が面白かったので、こちらも読んでみました。正直だいぶ雰囲気が違いました。少なくとも私が求めてるものではなかった。短編なので致し方ないですが、だいぶ軽いお話しです。モノクロームロマンス文庫に自分は重さを求めがちなので…

それはさておき作品は読みやすいし(30分そこそこで読めてしまうほどに)、余計な不幸やいさかいもないので、主役の属性が好み…

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氷帝は炎の翼に愛を知る 小説

中原一也  石田惠美 

これまでの皇帝像とは違う面白さを知って欲しい

即位の背景に隠された陰謀。
権力の裏側に蔓延る欲深い謀略。
報われぬ想いが嫉妬と憎悪の感情に転化していく後宮事情。
手段のために利用される愛情なき親と子の関わり。

暗い背景に、きな臭い展開がずっしりと響くエモーショナルな世界観でした。
切なさや悲しさ、罪着せに暗殺…などなど、皇宮を取り巻くシリアスな重苦しさが物語のベースになっているのも、中華系のバッググラウンドとよく合っています。

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ifの世界で恋がはじまる 小説

海野幸  高久尚子 

No Title

この作品はストーリーを進める上で、仕事に関する描写をかなり細かく書いていかないと、ペラペラなストーリーになると思うんです。
仕事に関する描写が丁寧過ぎるほど書かれていたので、一見お堅い内容にも思えてしまいそうですが、それがリアリティを増していて良かった。
何たって攻も受も、仕事に対する姿勢を主軸にして最初は惹かれ合う訳ですから。

正直最初は、攻・大狼がデレる姿が想像出来ませんでした。

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軍人さんと金平糖 小説

海野幸  八千代ハル 

No Title

攻・正嗣が予想以上に溺愛攻で良かったです。
この時代の軍人キャラとなると、硬派でぶっきらぼうな愛情表現しかしなさそうなイメージでしたが、正嗣は違いました。
清が体調を崩して寝込んだ時の動揺、看病する時の甲斐甲斐しさと言ったらもう…すごかった。
きっと、この時代に夫が妻にそうすること自体、稀有だったのではないかと思います。
まして正嗣は身分が高く、使用人がたくさんいる家。
仮に奥方が寝込ん…

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パブリックスクール-檻の中の王- 小説

樋口美沙緒  yoco 

エドの拗れっぷりがすごかった!

高評価の通り、読む手が止まらず、一気に読み終わりました。

個人的には、溺愛攻め↔︎しっかり者で強気の受けが好きなのですが、本巻を読むと、攻めのエドの気持ちはうっすらと愛が垣間見えるが、礼はまだカゴの中の小鳥で、不憫な受けのままだった。

礼の母との別れや、母以外から必要とされたことがないなど、その不憫な出自を読めば、この性格もなるほどと頷くしかない。
そんな礼がエドの意向を無視して入学…

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好きだと言って、月まで行って。 小説

N・R・ウォーカー  小野ユーレイ  冬斗亜紀 

チキン事件

チキン事件以降、チッキーナッギー呼びは減った気がするが気のせいか。

読後にちるちるをうろついて『BOSSY』と同じ作者の方と知る。成程、イラスト担当の方が違うと結構気づかないものですね。文章や話の雰囲気から気づくと言うこともなかった。そういえば両方ともオーストラリアが舞台だな。どちらかと言うと自分は『BOSSY』の方が、テンポもいいしセクシーで好き。

『BOSSY』同様に2人の関係性の…

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君と暮らせば 小説

安西リカ  古澤エノ 

ぴったり合うふたり

苦しいところのないあたたかい恋のお話、
すごく良かったです…!

小糸が想いを積み重ねていく様子を追いながら
恋の始まりのドキドキやソワソワを感じたり、
ちょっぴり切ない気持ちに浸ったり。
シェアハウスでのふたりの何気ない暮らしの中にある、少しずつのスパイスに萌えました。

小糸視点での八木は"できる男"感がものすごくて
彼の気持ちがわかってくる前から「これは…

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氷帝は炎の翼に愛を知る 小説

中原一也  石田惠美 

恋に無自覚、不器用な攻めが愛おしい...「翼」を求める二人の、中華×身分差ファンタジー

中原先生の新刊は、皇帝×踊り子の中華×身分差ファンタジー!
不器用な攻めと勝気受けとの交流・近づく距離に胸高鳴らせ、
渦巻く宮廷内の陰謀にドキドキハラハラしながら...の一気読みでした。

先生の、ちょっと抑えた硬質な文章がとても好きです。
シリアスに展開する物語の雰囲気にもとてもよく合っており、
躍動感溢れる踊りの描写も印象的でした(動きが目の前に見えるよう...すごい...)。

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