シュレディンガーの猫
評価は「中立」としますが、この作品を好きな方は絶対に読まない方がいいレビューになります。かなりのネタバレも含んでいます。
評価が高いので大丈夫だろうと、レビューやあらすじ、前情報を全く読まないまま読み始めた自分が悪いのですが、あまりにも後味が悪かった。登場人物全員に対しうっすら(攻めに対しては明確に)嫌悪感を抱いたまま物語が終わってしまった。
下巻で、攻めの何かしらやむにやまれぬ事情が明か…
どんな理由が明かされてもけっして許容はしない、と上巻を読んだ時に頑なに思いましたが、結局下巻では木場に同情の余地を感じてしまいました。やはり、大人の罪が一番重いと思う。子供にした仕打ちは本人を苦しめ、その本人がまた別の人間を苦しめる、と悪循環を生んでしまう。ただ、事件については父親が唆したわけではありませんから、私は100%木場の罪だと思っています。一瞬でも踏み止まる理性はあったはず。何の非もな…
表題作も同時収録作も、一口に面白いと言ってしまうと不謹慎だと受け取られかねない内容でしたが、ストーリーに捻りがあって面白かったので、そこは正直に言いたいですね。木場が秋鷹と何らかの繋がりがあったであろうことは匂わされていましたが、そっちの当事者だとは夢にも思わなかったので、途中で告白されてとても驚きました。100%冤罪だったと知ると、秋鷹の奪われた15年があまりにも重くのしかかってきます。たとえ…
