砂原糖子さんのレビュー一覧

青ノ言ノ葉 小説

砂原糖子  三池ろむこ 

心の中は未来も同じ

「言ノ葉」シリーズ第5作。
例によって「心の声が聞こえてしまう人間と普通の人間が出会い、惹かれて求め合うが能力ゆえにつまづき、危機があり、また愛で結ばれる…」の展開に沿っています。
今回の舞台は300年後の世界。
これは成功していると思う。
というのは、これまでのシリーズ作品は全て現代日本のパラレル的な世界観で、その部分が次第に「こんな能力の人がいっぱいいるわけないでしょ」的無理やり感が出…

0

心を半分残したままでいる(3) 小説

砂原糖子  葛西リカコ 

涙が止まらない

シリーズ通しての感想になります。

積本にしちゃってたこの本を遅ればせながら読ませていただきました。
3巻揃ってから読むつもりでいたんですが、まとまった時間がなかったことと、読んだら当分次の本に手が出せなくなりそうな気持ちもあって積んでしまってました。

細心の注意を払っていたお母さんの気持ちと最期の姿と。

忘れたくない、忘れるのが怖いと本音を零した静良井と。

もう、辛いと嗚…

3

センチメンタル・セクスアリス 小説

砂原糖子  ヤマダサクラコ 

胸が苦しくなるほどのツンデレ

高校の卒業式にほとんどプロポーズのような告白をされ、それから幼馴染みの仙介と同居している春巳。自分の感じやすい体が恥ずかしいけど、どうせ仙介はホモの変態で童貞だから…とバカにしつつ完全に気を許して、思い切り気持ちよくなっちゃってる春巳が可愛い。

そんな春巳は仙介を恋人とは思ってはいない。最後までは許してないし、普段は奴隷の如く扱っている。ホモだの変態だのしょっちゅう罵り、それでもどうせ仙介は…

1

イノセンス ~幼馴染み~ 小説

砂原糖子  陵クミコ 

大事なものを捨てて大人になった男の子と、永遠に大人になれない男の子

この題材を読んだのは二度目。最初に読んだのは依田沙江美先生の「ブリリアントblue」だったが、読んでいるときに感じていた思いは共通で、それは「こんなに男同士っていうのが障害になる設定ってない…」というもの。

「ブリリアント~」も同じように幼馴染のお話なんだけど、どちらも「受けが女の子だったら、なんの問題もなく高校生から付き合えたし、来栖は将来睦と結婚するって、大人になっても言えたんだろうな」…

4

恋のはなし 小説

砂原糖子  高久尚子 

好みのBLを聞かれたらこうゆうのって答えます。

しゅみであるというのはこうゆうことかとひしひしと感じました。
ドストライクでした。好き中の好きでした。

今後、好みのBLはどうゆうものですか?と聞かれたら
悪い攻めが本気で受けを好きになってきた矢先に攻めの悪いところがバレて嫌われたり距離取られたりして攻めが傷つく作品。って答えます。

話や描写は丁寧だし、気持ちもわかる。
知生さんは初心だけど大人でいちいち素直に話してくれてかわい…

12

青ノ言ノ葉 小説

砂原糖子  三池ろむこ 

心が声を持っている

シリーズ物としてあらすじ内容全くノーチェックで買って積んでいたのをようやく読了。
今作の設定は300年後の地球で、日本ですらない。
心の声が聞こえてしまう生活に耐えきれず、荒野で隠遁生活を送っている天才科学者と、コールドスリープ明けの美貌の青年のピュアラブです。
この300年の間の科学技術や人の生活で、変わったものと変わらなかったもの。
特に人と人工物のかかわりの変化が重要なポイントになっ…

0

全寮制男子校のお約束事 小説

砂原糖子  夏目イサク 

常識と非常識のバランスのいい話

 家庭の事情で、音楽学校から全寮制の名門男子校に編入してきた峰井。
 新たに通う学校には、「雛様」と呼ばれる制度があり、美少年・比名見がその任を負っていた。
 また一般学生が青い学ランであるだけでもびっくりなのに、生徒会役員は白い学ランなんてぶっ飛んだ見た目に学園中をぐるっと囲う高い塀、妙に偏った「女」への思い……

 共学の音楽学校に通っていた峰井には唖然とするばかりで。
 中でも一番…

0

斜向かいのヘブン 小説

砂原糖子  依田沙江美 

とても読み心地がいい小説

羽村みたいなタイプ、現実で付き合おうってなったら、めんどうくさくてしょうがないだろうなー、と思うんだけど、そんな羽村が気になって仕方ない攻めの久絛がとてもいい。
適度な距離を保ちながらゆっくり親しくなっていく過程がじわりじわりと萌えを高めてくれて、とうとうお互いが嫉妬をし合う場面は、もう最高。焦れったい二人だっただけに、抑えに抑えた欲求が爆発する感じの濡れ場にもドキドキした。

ストーリー的…

0

恋愛できない仕事なんです 小説

砂原糖子  北上れん 

お仕事と恋愛のバランスがちょうどいい

お仕事ものって萌えとのバランスが結構難しいと思うんだけど、これは、どちらもいい感じ。
バディとして一緒に張り込みしたり、聞き込みと称して飲みに行ったり、仕事を通して自然と相手を理解して距離を縮めていくのがいい。
受けはそこそこいい歳なのに鈍いというか、恋愛音痴なところがある。
だけどボーッとしてるわけじゃなくて、生真面目に内省して、それをきっかけに犯人の心理を分析する。仕事上での心の動きが恋…

1

言ノ葉ノ花 小説

砂原糖子  三池ろむこ 

よかった(泣)

切なさ200%って…と思いながら読んで、読み終えた感想は
「うう…そりゃ泣くわ、こんなの」でした(笑)。ホントに泣いた。

二本のお話に分かれていますが、どちらもテーマは、人を信じることの困難さ。結局人って、言葉から相手の本心を推し量るしかないのだけど、余村はまさにその言葉を信じられないから、こんなに裏表のない長谷部にすらなかなか心を開けない。
能力を失った余村が、心が読めないせいで仕事も…

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