えすとえむさんのレビュー一覧

クシュラル コミック

えすとえむ 

異国情緒を堪能

オスマン帝国時代〜現代までのトルコを舞台にした、短編集。
まずは何はともあれ絵が美しい。
ほりが深く目鼻立ちがくっきりと美しい絵柄とトルコという舞台の相性が最高です。
その上で各短編ともままならない恋の切なさを切り取っています。
どれも美しい絵柄と合った雰囲気、情緒をしみじみ味わえる佳品でした。

一応以下簡単なあらすじを。
・ユラン
若きスルタンは年上の宦官に恋しているが、立場上…

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ハッピーエンドアパートメント コミック

えすとえむ 

どこまでがルカの創作か、想像するのも楽しい

 最初に登場する主人公・ルカがこの作品を書き上げたという設定がまず素敵だなと。同じアパートに住む住人達それぞれのハッピーエンド。無理矢理ハピエンに持ってかれたような感覚もなく、どれも良質な余韻の残る話でした。

◆ノエと双子
 双子のキャラクターに惹かれがちな自覚はあります。同じ人を好きになってしまう双子のもどかしい性。でも、そんな彼らを2人まとめて受け入れてくれる人が現れた。どちらか一方に…

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クシュラル コミック

えすとえむ 

異邦人になった気分

インドからイスラムのちょっと昔の背景
読むと、御香の香りがしてきそうな、なんとなくなつかしいような異文化世界に引き込まれます。
どれもこれも耽美で、結論が無い短編。
不思議な作品でした。

著者のブログ、この世界感なんですね。シルクロード情緒というか。。
http://estemviaje.blog133.fc2.com/blog-entry-38.html

この作品の読後に、福…

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新装版 愚か者は赤を嫌う コミック

えすとえむ 

◾︎BABY, STAMP YOUR FOOT.
この本で特に好きな作品
5歳の頃に、作家デビューした恋人ということは相当な年の差ですね。話の導入に秘密のハイヒール。そして、この年の差の恋人同士で、幼少期の話をするというシチュエーションがいい。年上の彼も荷造りで相手を振り回し、年下の彼も「作るなよ」をきかずにしっかり相手を振り回す。振り回されることに心地よさを見出せるなら、こんなに幸せなことは…

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くぐもったドラム 小説

英田サキ  えすとえむ 

受けは最後までよく頑張りました

これは数年前のハーレクイン・ラブシックの超訳シリーズ。海外BL作品の元の翻訳があってさらにそれを日本のBL作家が超訳する…というよくわからないシリーズ。手間かかるし元の翻訳者に失礼じゃね?とも思ってましたが、今回は「デッドロック」シリーズで外国人が主役のお話も読み慣れてる英田サキ先生の文章だからか読みやすくて話にどんどん引き込まれました。

19世紀オーストリアと戦争中のプロイセン(今のドイツ…

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クシュラル コミック

えすとえむ 

イスタンブールの情緒に乗せて

◆ユラン
 私は冒頭を飾るこの作品が一番お気に入り。宦官と皇帝の、身分違いの恋。絶大な権力を手にしても、たった1人の男を手に入れられないもどかしさ。私はあなたのものだと言うくせに、位の高いあなたには触れられないとも言うユラン。彼に殺されるなら本望だとまで潔い愛を見せつけた皇帝が、終始美しかったです。一旦バドエンかと思わせて、ハピエンだったところも憎い演出でした。

◆クシュ
 兵士のハカン…

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恋のしっぽをつかまえて 小説

L.B.グレッグ  えすとえむ 

コメディ&ミステリー

海外特有の雰囲気と掛け合いが楽しい作品。おおまかなストーリーは、NYのギャラリーで盗まれたアート作品とそれに付随して起こる脅迫事件に主人公が巻き込まれていく、というミステリーもの。

主人公のシーザーはアートギャラリーに勤めるイタリア系の青年。クセのあるサブキャラ達に振り回されるのですが、悪態をつきながらも何だかんだ手を貸しちゃうお人好し。
読者に親しまれやすいキャラクターで、彼の一人称で進…

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エイジ・コールド・ブルー コミック

えすとえむ 

「ショーが跳ねたら逢いましょう」と併せて

えすとえむ先生のデビューコミックス「ショーが跳ねたら逢いましょう」収録の「Rockin in my head」完全版です。
「cafe et cigarette.」の前日譚も収録されています。これも好きだ〜〜

◾︎ビリー(ギター)×ニック(ギターヴォーカル 自由奔放)
このCPもいいけれど、ピート(ビリー憧れのバンドのヴォーカル)とジョー(同ギター)の関係も最高。
「ショーが跳ねたら〜…

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ショーが跳ねたら逢いましょう コミック

えすとえむ 

一コマ一コマがお洒落

これがデビュー作とは…すごいですね。

えすとえむ先生の作品は、先生しか描けないと思わせるところがすごい。
この一連の短編集もそうですが、えすとえむ先生の作品はストレートに表現するより行間を読むよう求められたり、一定の教養が求められるところがあるので、その全てを理解できているかというと正直自信がありません。自分がもっと追いつけたら、神評価にすべき作品だと思う。
かつ「エイジ・コールド・ブル…

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作品ナンバー20 コミック

えすとえむ 

人生のドラマ

ドラマティックな作品です。
えすとえむ先生のストーリー展開は、他と一線を画すお洒落さですね。BLマンガというより青年誌の雰囲気。まさに今は青年誌に移られていますが。

どれも眩しいほどのハッピーエンドではありません。だからこそ続きを考えて楽しめるというかこの先に広がりがあるというか、完全に閉じきっていないからこそ余韻が一層楽しめます。

表題作のおまけが最後にあったのは嬉しかった!けれど…

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