八田てきさんのレビュー一覧

紙の舟で眠る 上 コミック

八田てき 

上巻だけでは難しい

終始圧倒された上巻でした。
過去に同じ列車事故に巻き込まれた2人の再会もの…かと思いきや、一筋縄ではいかない重苦しくも謎めいたストーリー展開が続きます。
画力も素晴らしければ紙媒体の装丁も素晴らしいですね。
カバー下まで凝った作りとなっていましたので、これはぜひ紙で読んでほしい1冊かもしれません。

事故に遭って以来、文字が、言葉が溢れて止まらない天才脚本家の憬。
そんな彼に常に付き纏…

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紙の舟で眠る 下 コミック

八田てき 

上下巻通して読んで欲しいです

一言、すごい作品でした。
これは最後まで読んで初めて真価が分かる作品です。
上巻の最後が重苦しいので、下巻に手が伸びない方もいらっしゃるかもしれませんが、もったいないです。
横浜の市電(路面電車。昔あったんですね)と、米軍のトラックが衝突して起きた凄惨な事故。
生き残った二人の子供が成長し、巡り会ったその後の物語です。
あれは運命だったのだと、素直に思えるストーリーでした。
上巻では途…

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紙の舟で眠る 下 コミック

八田てき 

呪いなんかじゃない

一人の脚本家を落とし込めるまでに周りの全てを犠牲にして崇高に創られた一世一代の尊い、作り話。
全てが嘘で死神なんていなかった。あったのは、過去の記憶に蓋をした過去の幼い自分自身だった。
全てがわかった時、悪夢のような夢なんじゃなくて、美しい夢だった、そう描かれているシーン読んだとき泣きそうになった。幼い憬が報われるシーンが、手のひらからこぼれ落ちるほどの呪いにかけられた今の憬が救われるシーンが…

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紙の舟で眠る 上 コミック

八田てき 

貴方と紡ぐ夢物語

死んだら、生まれ変わる。
綺麗事を並べて、この腐りきった世界で貴方とまた夢を見ながら旅を始める。
死に損ないの2人は、昏い世界でどんな景色を見るのか。
物語全体を通して2人に本当に命が宿っているかのようなそんな世界が広がっている。
前回の漫画が好きで今回は作者買い。この作者さんの描く世界は本当に惹き込まれる。
冒頭のシーンから出会って、再び巡り会って、運命の赤い糸で結ばれたその糸は固く、…

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紙の舟で眠る 下 コミック

八田てき 

命の色を探して

憬が心からの想いを耀一に明かしたところで終わっていた上巻。
そこからすぐに事態が好転するはずもなく、少しずつ気持ちが噛み合い始めても未来がどうなるのかは見えないまま…
それでも現実から目を逸らさず前に進んでいくふたりの姿はとても美しくて、愛は人を強くするものなのだなとしみじみ思いながら
それぞれの選択を見守るような気持ちで読み進めた下巻でした。

最後には自分の死が待っていることを理解し…

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紙の舟で眠る 上 コミック

八田てき 

緻密な作画に重苦しい展開

作画の書き込みがすごい、というのが第一印象。
どこまでも描いており、背景の隅々に至るまでまったく手を抜いておらず、それだけに画面のトーンが濃いです。
人物も背景も写実的というか、全体的に劇画調とでもいうのか、BLコミックを読んでいるというより、映画を見ているようでした。
このお話は戦後、昭和20年代~30年代の横浜が舞台です。昔あったという市電(路面電車)が登場し、驚きました。

お話は…

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紙の舟で眠る 上 コミック

八田てき 

光と闇

冒頭から憬の心の闇や苦しい過去が見えて、仄暗さを感じる部分から始まる上巻。
時代背景も関係して全体的に重たい雰囲気は拭えないけれど、ところどころで明るく光が差す場面もあり、そのメリハリのある展開にものすごく引き込まれました。

脚本家として誰もが認める才能を持っていながらもう二度と書かないと決めたのは、「作品の主人公のモデルにした人に不幸が訪れるから」という一見非現実的な理由なのだけど。

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紙の舟で眠る 下 コミック

八田てき 

ぜひネタバレなしで読んでいただきたいです

下巻で一気に話しが動いて物語がどう転ぶのか見守らせていただきました。過去の回想がこれまた衝撃的でした。タイトル回収も素晴らしい。。

作画コストどうなってるんだ…という細やかさなのでそちらも楽しめました。
1ページ1ページ大切に読まねばと思わせてくれる作品です。
どちらにとっても救済のお話しなんだろうかと感じました。

最悪なパターンを想像して読みましたが良い意味で裏切られました。

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紙の舟で眠る 下 コミック

八田てき 

No Title

本当に終盤になるまで結末が予想出来ず面白かったです。

予想はメリバだったのですが、想像以上にハッピーエンドでまとまったなという印象です。

別れる別れないではなく、もう死んじゃうんじゃないかと思いながら読んでいたので、畳み掛けてくる終盤の流れがハラハラしましたし無事で安心した場面もありました。

ホラー要素があるのかと思いきや本当に怖いのは人間だなと。
結ばれたふたりの穏やかな日常…

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紙の舟で眠る 上 コミック

八田てき 

No Title

今作も緻密に練り込まれていてすごく面白かったです。
BL的な萌えは個人的にあまり感じられなかったのですが画力とお話し作りが群を抜いて良いなと思いました。
列車の事故がどこまでこの物語の核になるのか気になっていたのですが、きっかけであって本当に描きたいところは別なんだろうなと思いました。展開を予想するのも楽しいし、思ってもいない方向に行くのでドキドキしながら読みました。再読したら感じ方も変わって…

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