金ひかるさんのレビュー一覧

仕切り直しの初恋 小説

椎崎夕  金ひかる 

やんちゃな節操なし男に恋してしまったら…

『三十二番目の初恋』の続編でスピンオフ。

前作の主人公 想の後輩 陽平の物語です。
弟分として可愛がっていたのですが、想に似てまじめで頑張り屋だけど冷めた性格です。
恋にも夢中になったり我を忘れるようなことなく何でも淡々とやり過ごすという感じ。
相手の美容師店長 仁科は腕はいいけれど男女手当たり次第に食ってしまう節操なしという評判。

陽平は店長に酔ったはずみにうっかり押し倒され、…

4

三十二番目の初恋 小説

椎崎夕  金ひかる 

いい恋をして成長していく主人公たちを見るのが好き

ずいぶん前にはじめて読んでからたまに読み返したくなる作品です。
頑張ってるのに報われない子がいい相手に出会えて幸せになって行くというストーリーは気分が落ちているときに励まされます。

すごくいい子なのに自己評価の低い健気な子です。
何かよくないことが起きるとみんな自分のせいにして誰も責めない。
それをわかっていて利用しようとする良からぬ輩の都合のいいカモなんです。

美容院を共…

3

相合い傘で子育て中 小説

雨月夜道  金ひかる 

無表情·不器用·可愛い·照れ屋…萌えどころ満載!

以前から気になっていた作家さんで、前作シリーズ2冊を購入していながら未読のままだったので、初読み作家さんでした。

私自身、現代以外のお話を読んだことがなかったので、どういうものなのか気になっていながら時代小説に手を出せないでいたので、今正直に思うことは「もっと早くに勇気を出せばよかった…!」です。
それくらい、最初の数ページで世界観に魅入られ、現代じゃないからこその葛藤や言葉回しが新鮮で、…

6

泣かない美人 小説

菅野彰  金ひかる 

メインは脇キャラとのすれ違い愛?

あらすじ:
高級百貨店の外商部から企画部に左遷された隼人(攻め)。
仕事で訪れた城下町で、絶品の日本酒を作る杜氏見習い・要(受け)と出会うも、なかなか企画を呑んでもらえず…

やり手の外商だった隼人ですが、客の妻に言いがかりをつけられ左遷される羽目に。
寂しげな彼女につけこみ思わせぶりな態度をとったことは事実で、過去にもそうした営業スタイルで商品を売っていた隼人。
そんな彼が、嘘やお世…

7

夜明けには好きと言って 小説

砂原糖子  金ひかる 

再読すると印象変わりそうな気がしました

作者買い。
砂原先生のお話好きなんですけど、
今回は可もなく不可もなくだったかな…。
今まで読んだのは、必ずと言っていい程どこかで1シーンは読んでるこっちが泣いちゃうようなシーンがあったんですが、今回はなかったです。
設定も好きだし、攻めの黒石も好きだったんですけど、
全体的にさらーっと読めてしまったので、
再読したら、初読みよりも想像が広がって深読みして、
また印象が変わるのかな?…

1

相合い傘で子育て中 小説

雨月夜道  金ひかる 

成長する清二のイラストは必見です

イラスト買いです。
多分、この作者さんの作品は、同じく金先生のイラスト買いで以前に1作読んだはず。

大正時代設定の身分違い物です。
口減らしのため人買いに売られた少年が、雨の中車にひかれて死にかけているのを周りの野次馬がただ見殺しにしている中、助けの手を差しのべたのは、、、

小説家の是清と、是清に拾われた子どもの清二、そして是清が兄に託されて育てている甥の伊織の三人での暮らし。

1

とある編集者の受難「相合い傘で子育て中」番外編 グッズ

全ては原稿のために

本品は『禁欲的じゃない』の
コミコミスタジオ限定特典小冊子になります。

秋月が清二を引取って1年後、
秋月が一人で子守をした時のお話です。

本作は秋月の担当編集者である
長谷川の視点で展開します。

小説家は変わり者とよく言われますが
編集者である長谷川は
全くその通りだと思っています。

仕事上の取り決めくらい守れ!
お前はそれでも社会人か?
と絶叫したくなっ…

0

FLOWER(新装版) 小説

木原音瀬  金ひかる 

兄弟モノがとても良い

シリーズ三部作の第二作。第一作で脇役だった医師・谷脇と医大生である朗のお話です。本を読むとき事前にできるだけ情報を仕入れずに読む私ですが、第一作の書き下ろしで出てきた医大生が朗だったことはすぐ分かってしまって「ああ…死ぬのね…」と構えてしまい、萌えより哀しみの気持ちのほうが強くてしょんぼりしながら読みました。

加えて、谷脇がもうどうしようもないクズで、しかも第三作まで読んでも何故この男がこん…

3

WEED(新装版) 小説

木原音瀬  金ひかる 

リバもの…っぽくはない

「WEED」「FLOWER」「POLLINATION」三部作を連続して読んだので、続刊も踏まえてのレビューになります。

三部作の第一作にあたる本作は、医師の若宮(主人公)と彼が出会った平凡な青年・岡田の物語です。若宮はものすごく自分勝手な理由で、偶然「拾った」岡田を同僚の医師・竹脇と一緒になってレイプします。その後、岡田が妻子を事故で亡くした孤独な男で、以前に病院内で患者の親と医師として擦れ…

7

アロー 小説

一穂ミチ  金ひかる 

そんな生活で大丈夫か!?と勝手に心配したけど、そういう人がいてもいいよ

浮世離れした二人の話。

他作品と比べると、大体自宅とその周辺で話が展開するので地味なお話かもしれませんが、ちゃんとそれぞれの人生を持った人たちが生きていると感じる作品でした。

他人を受け入れる方が、否定するよりも楽なんだ、という一文があって、なるほどなと思いました。
何事にも執着しない方が楽なんだけど、そうすると人を信用できなくなったり、諦め癖がついたりしてしまうような気がします。

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