金ひかるさんのレビュー一覧

夜明けには好きと言って 小説

砂原糖子  金ひかる 

呪縛、再会、そして解放

ホストxホストBL。
ですが、きらびやかさは無く逆に泥臭ささえ感じる作品。
というのも、主人公のホスト・白坂がとにかく暗い。

子供の頃からの容姿コンプレックス。
自動車事故を契機に形成手術で顔を変え、名前も変え、都会に。
ところが、紹介されて行ってみたホストクラブに中学時代の同級生・黒石がいて…
中学時代、黒石が告白してきたので白坂も真面目に考えて少しの間付き合ったのだが、実は黒石…

1

狼さんと幸せおうちごはん 小説

今城けい  金ひかる 

ツッコミどころ満載……

まず受けのメンタル弱すぎ。
父と愛犬を亡くして確かにお気の毒なんだけど、衰弱して気がふれたようになって犬と人間を間違えてる様子が悲劇のヒロイン感満載で辟易。

そして弟たちの学費を、赤の他人である攻めが肩代わりすると言い始めるんですね。
お前が家を出て俺のうちに来るならという条件で。

攻めは、かつてそれなりに交流があったただの先輩でしかなく、しかも数年ぶりの再会なんですよ。
そんな…

1

獲物を狩るは赤い瞳(表題作「赤い瞳は闇夜で歌う」) 小説

久我有加  金ひかる 

ページをめくる手が止まらない

370を超える厚みのあるページ数が嬉しい。
それをあっという間に読ませてしまう、久我先生の文章力とストーリー展開が素晴らしいです。
もう、すごく面白かった。なんだこれは。
シリアスだけれどシリアス一辺倒ではありませんし、なんというか、早く物語の続きが読みたくなる作品。
SFやファンタジーっぽさも感じる独特の世界観なのですが、全てのバランスがちょうど良かった。
飽きずに一気に読めます。ぜひ…

5

風の神とびいどろの歌声 小説

安曇ひかる  金ひかる 

日本昔話

先生買い。なのですが、今作は今一つ萌えなかったです。攻め受けともビジュアル的にこれでもか!というぐらい美しい麗しいカッコいいと感じられず、盛り上がらなかった。そのため申し訳ないです、中立にしました。日本昔話みたいな舞台だったからかな?本編280Pほど+あとがき。

山間の小さな里村から一里ほど離れたところにあるお寺で、恵塊と暮らす孤児の小鈴。恵塊が眠っているうちにと、こっそり村へ行こうとしてい…

2

バイバイ、ハックルベリー 小説

一穂ミチ  金ひかる 

久々に新鮮だった青春ラブストーリー

一穂さんは作家買いしてるはずなのにこれはなぜか読み逃していました。最近は人気お仕事シリーズのスピンオフ作品などで大人キャラの話が多いけど、本来こういう一冊完結の青春物語もお上手な方です。行ったり来たりすれ違いで色々もどかしくもキラキラしたピュアラブストーリーでした。

2人の出会いは大学の入学式。人懐っこくて愛敬のある性格の受けの塁に対し、大人びて落ち着いた雰囲気の攻めの槙志。しかし槙志は意外…

1

風の神とびいどろの歌声 小説

安曇ひかる  金ひかる 

音が聞こえる様な

このお話では音にまつわることがとても印象に残りました。
びいどろ風鈴であったり、その音にたとえられる小鈴の歌声であったり、風の神たちが起こす様々な強さの風の音や、縁日の喧騒と花火の音などなど。
結構、耳元でリアルに鳴ります。これがとっても良い感じ。

お話そのものは民話調です。
山間の小さな村の廃寺で養われている小鈴はもうすぐ17歳。みなしごで8歳以前の記憶がありません。養い親の言いつけ…

3

恋に無縁なんてありえない 小説

秀香穂里  金ひかる 

雨も降らずに地固まる

2014年に雑誌掲載の表題作と、本作発行にあたり書き下ろされた攻め視点の中編の2作の収録です。

「恋に無縁なんてありえない」
元々の作品ではありますが、本編だけだと尺が足りない感じ。
そしてその尺の足りなさがゆえに冒頭のツカミやその後の展開がムリ筋というか…こんなのないでしょ…みたいな感想を抱いてしまった…
主人公の商社課長・深澤(31)。
部長からしつこく見合いを薦められるも、恋愛…

1

チョコレートのように 小説

ひちわゆか  金ひかる 

"お約束"がぎっしりと

夢見る乙女だった頃に憧れた設定でもあり、慣れ親しんだ設定でもある…モッサリとした前髪を切り、ちょっと身に付ける物変えただけなのに人目を引く美男子に大変身。
そんな"お約束"がぎっしりと詰まった作品(^U^)!!ベタなのにっ、話の展開が予想できるのにっ、最高に良かった〜。

お話について。(梶本×京一)
設定だけでは無く、ストーリーもThe 王道!
友人の裏切りによりボ…

2

金色の花に永久の約束 小説

真崎ひかる  金ひかる 

金木犀の香る季節に

金木犀、今年はあっという間に散ってしまいましたね……。
もうちょっと金木犀の季節を楽しみたくて、この本を手にとってみました。

冒頭、不幸な出来事で死に別れた恋人たちの姿が描かれ、そして現在……という流れなので、早い段階で輪廻転成ものだとわかります。

私、勝手に冒頭の出来事は明治・大正くらいの昔だと思い込んでた。
いくら田舎とはいえ、身分差ばりばりで、封建的な様子にいくらなんでも平成…

0

恋をするということ 小説

凪良ゆう  金ひかる 

穏やかさがよき

凪良先生っぽくないなと感じた一冊でした。
第三者目線?
普通っぽい感じが可愛くて、切ないところはしっかり切なくて……という感じで、面白くて読みやすかったです。

ずっと男運が悪かった呂久さん、良かったね^^
一途な年下男子・月浦くんに大事にされて愛されて、幸せを噛み締める姿に胸がキュッとなりました。

しかし、あんなにためた初Hの場所が月浦くんの実家になろうとは;
めちゃエロくて大…

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