金ひかるさんのレビュー一覧

愛されうさぎととろけるクリームティー 小説

高原いちか  金ひかる 

ちょっぴり切なくて、けれど心温まるストーリー

初読みの作家さまでしたが、金さんの描かれた可愛らしい表紙につられて購入。

タイトル、そして金さんの描かれた優しい表紙。
ということでほのぼのなお話をイメージして読み始めましたが、うん。ちょいシリアスベースです。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





人間と獣人がともに住まう世界が舞台。
人と獣人は平等。そう叫ばれてはいるが、けれど人の中に獣人に対する根深い差別が存在…

5

甘えたがりなネコなのに。 小説

小中大豆  金ひかる 

虐待犯を成敗してから終わってくれー!

気になっていた小中さん、一番人気?っぽいこちらを初読み。終始読点が丁寧につけられた文章はテンポが悪く単調で味気ない。どんな場面でもスピード感が変わらないのは退屈で、合わない文章だと思った。

主人公の亮平は男っぽさ皆無の謝ってばかりというキャラクター。これがもう無理だった。悪くも無いのに謝って済ませようとする人間は好きになれない。フィクションにおいて、こういう自己肯定感の低い人間が好まれる傾向…

2

真夜中に降る光 小説

砂原糖子  金ひかる 

野良猫も愛を浴びて

「夜明けには好きと言って」のスピンオフ作。
本作の主人公は、あの意地悪ホスト・金崎新二。
時間軸は、「夜明け〜」の後半くらい。

新二はいつも何かに苛立っていて、すぐキレる暴力的な男。
冒頭、酔っ払いと喧嘩して雪のちらつく路上で伸びていたところを一人の男に助けられる場面。
この男性は物静かで、礼儀正しくて、まるで聖人のように新二に接してくる。
新二ははじめ戸惑い、いつものようにイラつ…

3

夜明けには好きと言って 小説

砂原糖子  金ひかる 

呪縛、再会、そして解放

ホストxホストBL。
ですが、きらびやかさは無く逆に泥臭ささえ感じる作品。
というのも、主人公のホスト・白坂がとにかく暗い。

子供の頃からの容姿コンプレックス。
自動車事故を契機に形成手術で顔を変え、名前も変え、都会に。
ところが、紹介されて行ってみたホストクラブに中学時代の同級生・黒石がいて…
中学時代、黒石が告白してきたので白坂も真面目に考えて少しの間付き合ったのだが、実は黒石…

1

狼さんと幸せおうちごはん 小説

今城けい  金ひかる 

ツッコミどころ満載……

まず受けのメンタル弱すぎ。
父と愛犬を亡くして確かにお気の毒なんだけど、衰弱して気がふれたようになって犬と人間を間違えてる様子が悲劇のヒロイン感満載で辟易。

そして弟たちの学費を、赤の他人である攻めが肩代わりすると言い始めるんですね。
お前が家を出て俺のうちに来るならという条件で。

攻めは、かつてそれなりに交流があったただの先輩でしかなく、しかも数年ぶりの再会なんですよ。
そんな…

1

獲物を狩るは赤い瞳(表題作「赤い瞳は闇夜で歌う」) 小説

久我有加  金ひかる 

ページをめくる手が止まらない

370を超える厚みのあるページ数が嬉しい。
それをあっという間に読ませてしまう、久我先生の文章力とストーリー展開が素晴らしいです。
もう、すごく面白かった。なんだこれは。
シリアスだけれどシリアス一辺倒ではありませんし、なんというか、早く物語の続きが読みたくなる作品。
SFやファンタジーっぽさも感じる独特の世界観なのですが、全てのバランスがちょうど良かった。
飽きずに一気に読めます。ぜひ…

5

風の神とびいどろの歌声 小説

安曇ひかる  金ひかる 

日本昔話

先生買い。なのですが、今作は今一つ萌えなかったです。攻め受けともビジュアル的にこれでもか!というぐらい美しい麗しいカッコいいと感じられず、盛り上がらなかった。そのため申し訳ないです、中立にしました。日本昔話みたいな舞台だったからかな?本編280Pほど+あとがき。

山間の小さな里村から一里ほど離れたところにあるお寺で、恵塊と暮らす孤児の小鈴。恵塊が眠っているうちにと、こっそり村へ行こうとしてい…

2

バイバイ、ハックルベリー 小説

一穂ミチ  金ひかる 

久々に新鮮だった青春ラブストーリー

一穂さんは作家買いしてるはずなのにこれはなぜか読み逃していました。最近は人気お仕事シリーズのスピンオフ作品などで大人キャラの話が多いけど、本来こういう一冊完結の青春物語もお上手な方です。行ったり来たりすれ違いで色々もどかしくもキラキラしたピュアラブストーリーでした。

2人の出会いは大学の入学式。人懐っこくて愛敬のある性格の受けの塁に対し、大人びて落ち着いた雰囲気の攻めの槙志。しかし槙志は意外…

1

風の神とびいどろの歌声 小説

安曇ひかる  金ひかる 

音が聞こえる様な

このお話では音にまつわることがとても印象に残りました。
びいどろ風鈴であったり、その音にたとえられる小鈴の歌声であったり、風の神たちが起こす様々な強さの風の音や、縁日の喧騒と花火の音などなど。
結構、耳元でリアルに鳴ります。これがとっても良い感じ。

お話そのものは民話調です。
山間の小さな村の廃寺で養われている小鈴はもうすぐ17歳。みなしごで8歳以前の記憶がありません。養い親の言いつけ…

3

恋に無縁なんてありえない 小説

秀香穂里  金ひかる 

雨も降らずに地固まる

2014年に雑誌掲載の表題作と、本作発行にあたり書き下ろされた攻め視点の中編の2作の収録です。

「恋に無縁なんてありえない」
元々の作品ではありますが、本編だけだと尺が足りない感じ。
そしてその尺の足りなさがゆえに冒頭のツカミやその後の展開がムリ筋というか…こんなのないでしょ…みたいな感想を抱いてしまった…
主人公の商社課長・深澤(31)。
部長からしつこく見合いを薦められるも、恋愛…

1
PAGE TOP