はるつき
◆オーマイヒーロー!(表題作)
子持ち、同性というハードルを軽く飛び越えて、トントン拍子に話が進む作品だったなぁという印象です。表紙の雰囲気からもそれは想像できていたので、特に悪いというわけではありませんでしたが。ただ、千尋も稔も喋り方が幼いというか、年相応の感じがしなかったのが少し残念だったかな。2人とも心が綺麗なのは分かるけれど、喋り方でそれを強調されるとリアルさが薄れてしまうと思うんです…
穏やかに時が流れる田舎の情景と、攻めの大和の大らかな性格が相俟って、とても癒される作品になっていました。でも、大和の生い立ちは恵まれたものではなくて、今の彼の明るさも可哀想な子と思われないようにと努めた結果出来上がった性格なのだと思うと、やりきれない思いにもなったり。そんな彼が受けの光臣と過ごすことで、ずっと蓋をしてきた自分の過去と向き合う決心をし、実際に行動に移せたことがとても嬉しかったです。…