chikakumaco
「23時のタイムシフト」に編纂されている「不等辺三角形の定理」の前日譚。美しい兄弟はどの様な道筋を辿って、今に至るのかを描いた小品。
幼ない頃の2人が物凄く可愛い。郁見は、ほんの子供の頃から自身の性癖に気付いていて。その事で悩んでもいる。辰見のそれは、もっと業の深いものである。男とか、女とか関係無くて、ただ郁見だけが特別で。好きなのだ。それは郁見が誰を愛しても構わない、郁見しか見えていないのだ。…
◆東南角部屋彼の恋(表題作)
この表題作が一番のお気に入り。最初は自分が引き払った後の住人にいきなり一緒に住まわせてもらえないかと頼むはるにびっくりし、非常識だなぁと思ったのですが、高校を卒業したばかりの切羽詰まった子供、というのを考慮すればこんなものかもと思い直しました。必然的に田崎に惹かれてしまうはると、ゆっくり彼に絆されていく田崎の、もどかしい恋愛を楽しめました。田崎が物分かりの良過ぎる…