藻とカレー
三崎先生の繊細な心情描写が存分に活かされていた作品でした。とある大学の寮という非常に狭い世界で繰り広げられる物語。メインのおーすけとみーくんの関係性は過去のこともあって少し複雑で、恋人が男であることをなかなか受け入れられないみーくんの葛藤がリアルでした。臆病なのは悪いことじゃない。でも、臆病であることで得られるはずの幸福な瞬間をたくさん逃しているかもしれませんよね。おーすけを失うことの重さを実感…
いろんな人間の夢の中に現れる謎の男の子、とばりちゃん。なんとも不思議な世界観に、最初は物語に馴染めるか少し不安を覚えましたが、読み進めていくうちに実は彼はあらゆる人の身近な存在であることが分かり、すぐに親しみを感じるようになりました。夢は幻や物語ではなく、現実の延長線上。この言葉がとても印象に残っています。時にはまったく知らない土地や知らない人間が登場する夢も見るけれど、現実を少し歪めたような夢…
三崎先生らしい雰囲気と可愛いタッチを最後まで楽しめる作品でした。結構シリアスなんだけど、ずっと痛々しい悲愴感が漂っている感じは不思議としなくて。絵で緩和されているのと、時折くすっと笑えるシーンもあるからでしょうか。攻めの翔が人気俳優とありますが、既に俳優の彼が守を見初めるのではなく、守とは俳優になる前から深い面識があるので、そこまでベタなシンデレラストーリーにも感じませんでした。
相手を…
◆こんな事になるのなら
里(彼女持ち)←杉村←遠山という一方通行の三角関係。誰か1人の視点に絞られているわけではなく、3人全員の心情が読めるところが良かったです。年上の女性しか好きになれず、杉村や遠山の気持ちに寄り添えないことに疎外感や罪悪感を覚える里。臆病さを克服できず、いつまでも里に告白できない杉村。どんなにアタックしても、杉村の中で里には敵わないことを思い知らされる遠山。誰も悪くないし、…