yocoさんのレビュー一覧

キス 小説

一穂ミチ  yoco 

大人腐女にもオススメ

いい作品です。私のような年齢を重ねた女子たち(笑)にも、確かな読み応え。
読後感は、まるで文芸書のようなほろ苦さ。
苦手な方もいらっしゃるでしょうが、すごく好きな方も多いのではないでしょうか。
あちらこちらに美しい比喩があって、うっとりします。
続編があればいいな、なさそうだけど。

16

キス 小説

一穂ミチ  yoco 

はじまりのキス、いろんなキス

一穂先生の作品はどれも好きなんですが、個人的に今作が一番好きかもしれない…というのが読後一番の感想。
以下、あらすじ無視な感想で失礼します。

まず苑の子供時代の不憫さが悲しくて辛かった…。
諦める事を早々に覚え、波風起こさず毎日過ごすだけの苑にただ一人構う明渡。
そんな明渡との長い付き合いの話なんですが、明渡から向けられる好意に対し苑は、最初は罪悪感をも伴い惰性的で流されているだけなも…

10

キス 小説

一穂ミチ  yoco 

攻め視点もほしかった!!

 評価が二分されているようですが、私は好きな作品です。
 一穂先生の作品の中では、『ナイトガーデン』に一番雰囲気が近いかなと思いました。

 親からほぼネグレクトに近い育てられ方をしてきた苑と、ずっとその近くにいた幼馴染の明渡。お坊ちゃま気質でマイペースな明渡に絆され、頑なだった苑の心が徐々にほぐれていくのですが、苑が自分の気持ちを自覚した直後に不幸な出来事が二人にふりかかるんですね。

4

パブリックスクール -ツバメと殉教者- 小説

樋口美沙緒  yoco 

読んで損はなかった

 たくさんの素敵レビューがあるから今更の投稿を迷ったけれど、まだ読んでいない人に「ともかく読んでみて欲しい」と訴えたくて、僭越ながらレビューしている私。

 話題になっていた人気シリーズ作品のスピンオフは価格が高い単行本。パブリックスクールの話は特に好みって訳じゃなかったし、絵師さんが苦手だから、決して手に取ることはないだろうと思っていたのだけれど、書影を見た瞬間に心臓を鷲掴みにされてしまった…

2

キス 小説

一穂ミチ  yoco 

非常に重いストーリーだけれど

作家買い。

内容はすでに書いてくださっているので感想を。




この作品は攻めの明渡のことが好きになれるかなれないか、で評価が分かれそうだなと思いました。

ネグレクトされ、親から愛されずに大きくなってきたがゆえに、愛情というものを知らない苑。そんな苑を、大きな愛情で包み込むのが攻めの明渡。

自分に自信を持てず、半ば投げやりに生きてきた苑は、明渡の愛情を持て余しながらも…

16

キス 小説

一穂ミチ  yoco 

評価が分かれそう 私は好き派

控えめな不幸受けを溺愛する攻はBLの定番ですが
苑が明渡への気持ちをようやく受け入れたところで急転直下、
まさかこんな展開?!で驚きました。
明渡が自分勝手過ぎるよ~。
でも人間なんて基本はズルいもの、気持ちが動く理由やきっかけだって曖昧なことが多いし、現実はこんなものかもしれませんね。
それに苑の経済的自立や人間としての成長は明渡のお蔭でもあるので、
やっぱりこの2人の過程は必要なも…

14

キス 小説

一穂ミチ  yoco 

酷評です。ネタバレしかありません。

残念な作品でした。
ネタバレがないと感想が書けなかったのでネタバレします。
主人公の苑の家は家庭崩壊していて自分は誰にも気にしてもらわない存在でいたいと思っています。
そんな自己肯定もできず、消えてしまいたいと思っている苑を追い回して無理矢理に体を繋げたのは明渡。
人気者の明渡に苑は期待はしない、好きじゃないといいながらも流されて言いなりになって、いつか捨てられると思いながら暮らしています…

19

キス 小説

一穂ミチ  yoco 

心に響く物語

幼馴染み同士の、長年に渡る恋物語になります。
作品自体はひたすら淡々と進むのに、その中で登場人物の心情がしっかり掘り下げてあり、まるでキャラクター自体が生きて呼吸さえしてるような錯覚を受けます。切なくて、優しくて、なのにリアリティがあって生々しい。決して一気に引き込まれるような派手な作品では無いのに、ページをめくる手を止める事が出来ませんでした。
「ふったらどしゃぶり」が個人的に大好きなのです…

30

錬金術師と不肖の弟子 小説

杉原理生  yoco 

良ファンタジー

ファンタジーものが読みたいなと思っていて、yocoさんの奥行きが感じられる素敵な表紙に目を引かれて手に取りました。
良作でした!
錬金術や竜が存在するパラレルワールド、別世界のお話です。
幼い頃の記憶のない少年リクトが主人公。
リクトと養父や新しい奉公先の錬金術師アダルバート、失われた記憶と過去の事件、独特な世界観のなかでどんどん謎が散りばめられ絡み合いつつも丁寧に紐解かれて行く、展開の妙…

2

サンドリヨンの指輪 小説

綾ちはる  yoco 

複雑かつ繊細に描かれる現代版サンドリヨン(シンデレラ)

電子書籍で読了。挿絵有り。

サンドリヨン(シンデレラ)のお話が下敷きになった、綾ちはるさんお得意の魔法、というか『不思議な力』が絡んだお話。
私が「面白いな」と思ったのは、童話では王子様というのはある意味人格がなくて『幸せの象徴』みたいなものなのだけれども、このお話の王子様である赤枝は、美しい容姿と誰にでも好かれる人柄を持っているけれど千尋と同様の被虐待児であること。これによって、愛情に飢…

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